同じ姿勢で肩や腰が痛いあなたへ/理学療法士が教える「身体が固まらない」姿勢のつくり方

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【最終更新日:2025年10月17日】

はじめに

デスクワークや立ち仕事で「動かずに長時間同じ姿勢」を続けていませんか?

肩が重い、腰が痛い、背中が張る…。それは“姿勢そのもの”よりも、「動かないこと」に原因があります。

質問する人
質問する人

特に何もしていないのに座って仕事をしているといつも腰が痛くなるんだよね。

内臓小僧
内臓小僧

実はそのような痛みは動かないことに問題があるのかもしれないよ。

この長時間同じ姿勢でいるということは現代ではごく当たり前に起こることです。デスクワークや立ち仕事、家で休んでいる時もテレビを見ながら同じ姿勢でいるということが皆さんあるのではないでしょうか。

正直私はほとんど当てはまります。このような痛みがでるとき、皆さんはその姿勢に着目することが多いと思います。そして悪い姿勢とは

  • どこかに痛みのでる姿勢
  • すぐに疲れてしまう姿勢
  • 見た目が悪い姿勢

などいろいろな考えがあるかと思います。

私は今まで理学療法士として多くの方を見て感じたのは痛みの多くは「姿勢を保つ筋肉が固定され続けている」ことによって起こりやすいということです。

この記事では、身体が固まりにくい姿勢づくりと、疲れを溜めないための実践的なコツを紹介します。

なぜ同じ動作・姿勢を繰り返すと痛みが出るのか?

まずは、身体のメカニズムから理解しましょう。痛みの背景には、以下のような流れがあります。

① “繰り返し・固定”による筋・関節の疲労

人間の身体は、関節や筋肉が“動くこと”で血流が回り、老廃物が流れていきます。逆に、同じ姿勢や動作が続くと、特定の筋・関節に負荷が集中してしまい、血流が停滞します。

その結果、筋線維が固まり、関節可動域が制限されて“痛み”として感じられるようになります。

② 骨格/関節アライメントの崩れ

たとえば座り姿勢では、骨盤が後ろに倒れたり、背中が丸まったりすると、腰椎や仙骨・臀部の筋肉に負担がかかります。

その状態を長く続けると、「椎間板・関節包・筋膜」が慢性的にストレスを受け、痛みや違和感が出やすくなります。

③ “痛みまで行く前”のサインを見逃している

「今日は重さだけ」「違和感だけ」など、小さなサインを見逃して、痛みが出てから対策を始める方が多いです。しかし、“固まり始めている”段階で動きを入れるほうが修復は早く、痛みも出にくいのです。

要するに、「同じ動作・同じ姿勢を長時間続ける → 筋・関節が固まる → 血流が滞る → 疼痛が出る」という流れが背景にあります。

良い姿勢とは「見た目」ではなく「疲れにくい姿勢」

「良い姿勢」というと、背筋をピンと伸ばしたり、肩を後ろに引いたりするイメージを持つ方が多いと思います。

しかし、本当に大切なのは「見た目の正しさ」ではなく、長く続けても疲れにくい姿勢です。

身体の構造上、どんなに美しい姿勢でも同じ状態を続ければ必ず疲労が蓄積します。

重要なのは「同じ姿勢を取り続けないこと」、そして「動いたあとに正しい位置へ戻れること」です。

疲れが出にくいという曖昧な表現にした理由はいくら見た目が良い姿勢をとっていても長時間同じ姿勢をとっていると組織には負担がかかるからです。

そのため、座位や立位といった基本姿勢をとる際に身体に負荷のかからない関節の位置を知っておくことがとても大切になります。

疲れにくい姿勢を保つための2つのポイント

① 機能的な姿勢をつくる

“機能的”とは、関節や筋肉が自然な位置で支え合う状態のことです。

壁を使った簡単チェック法をご紹介します。

理想の立位姿勢は以下の点がポイントになります。

▶ 壁立ちチェック

壁に背中をつけて立ちます。 かかと、臀部、背中、後頭部を壁につけます。 腰と壁の隙間に「手のひら1枚」入るくらいが理想。

このとき、腰の隙間が大きすぎる人は骨盤が前傾しすぎ、隙間が少ない人は骨盤が後傾し、腰が丸まっています。

骨盤の傾きが適正な位置にあることで、体幹の安定性が高まり、長時間の立位や座位でも疲れにくくなります。

② 30分に一度「身体の固定」を解除する

人間の筋肉は“同じ長さで固定される”ことを最も苦手とします。

30分に一度は立ち上がる、肩を回す、足を組み替えるなど、「動きを入れること」=最高のリセット法です。

▶ おすすめのミニ動作例

肩を3回すくめて脱力

つま先立ち5回

座ったまま腰を左右にひねる

両手を頭上で組み、深呼吸

どれも10秒でできる簡単な動きです。

「姿勢を正す」のではなく、「姿勢を変える」意識を持つことが重要です。

同じ姿勢をとっていると辛くなる姿勢に座位姿勢があります。こちらの記事に座り方のコツについてまとめてありますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください

機能的な座位姿勢を作るおすすめアイテム

機能的な座位姿勢を作るうえでもう一つ大切になるのが椅子の環境になります。

その人の身体の特徴に椅子の形状が合っていないとどうしても安定した姿勢を作ることは難しくなります。そのため、機能的な姿勢を作るためのポイントを理解しておくことが重要になります。

機能的座位姿勢を作るポイント

そのポイントとは坐骨がしっかりと床面についているかになります。

今回はこの坐骨をしっかりと座面につき、その上にある脊柱の自然なS字カーブを作るのにおすすめな椅子をご紹介したいと思います。

私がおすすめする椅子はアーユル・チェアーになります。

こちらの椅子の特徴は

➀身体にかかる負担を減らし理想的な姿勢に導く

②腰痛の改善

③胸が開き呼吸が深まることで集中力を高める

ことができます。

通常の椅子と比較して座面は3分の1ほどの大きさの座面を跨ぐように座ることで坐骨にしっかりと体重がかかりやすくなります。坐骨に体重が乗ることで脊柱の生理的カーブができ、身体にかかる負担を減らしてくれます。

また仕事で使う椅子からご自宅で使う椅子まで幅広く取り揃えています。また今使っている椅子に乗せることで使うことができる商品もあり、様々な用途に合わせて選ぶことができます。

固まらない姿勢を作るセルフケアの方法

最近ではコロナの影響でテレワークなどが増えてきました。そのため、日中の活動量が低下し身体が硬くなったと感じる方が増えてきております。

そのようなとき、自身でできる身体の硬さをリセットする方法についてお伝えしたいと思います。

そして身体の硬さをとるためのポイントは、身体の中心部分にある関節の硬さを解消することがポイントになります。

身体の中心部分にある関節の中で特に重要なのが、肩甲骨胸郭骨盤股関節になります。

これらの関節には多くの筋肉が付着しております。そのため、これらの部位が硬くなることで離れた部位の硬さにも影響を及ぼしやすくなります。

肩や腰の痛みに関してはこちらの記事に詳しくまとめていますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

身体の硬さをとるためのセルフケアの方法

今回は仕事で固まりやすい身体をセルフで解消する方法についてお伝えしたいと思います。

そして大事になるのがこのセルフケアを30分に一度必ず行うということです。もし仕事中に全て行うのが難しいという人はせめて一つの動きを30分に一度繰り返し行うようにしましょう。

普段固くなる部位が首や肩周りが多い人は肩甲骨胸郭を積極的に動かしましょう。

普段固くなる部位が腰周りという人は骨盤股関節を積極的に動かすようにしましょう。

肩甲骨まわり

■やり方
1.両肩の上に指を置きます。

2.この状態で指先から動かすように意識をしながら肩を回します。この時できる範囲で大きく回
し肩甲骨がしっかり動いているか意識しながら行うと肩甲骨周りの固定を解消するのにとても効果的です。

■回数
前後にそれぞれ20回ずつ

胸郭(胸まわり)

■やり方
1.まず座った状態で殿部をしっかりと椅子に付ける意識を持ちます。

2.手を胸の前に交差させながら置き、胸を左右へゆっくり捻ります。このとき先程意識したお尻
が椅子から動かないように注意し、しっかりと胸郭を捻ります。

3.捻ったところで一度止め、ゆっくり息を吸って吐きながらもう少しいけるところまで胸郭を捻
るようにします。

■回数
左右10回ずつ

骨盤

■やり方
1.骨盤に手を当てます。

2.次に骨盤を前後にゆっくり転がすように動かしていきます。

3.さらに左右のお尻で椅子を押すようにしながら左右に骨盤を動かしていきます。

■回数
左右10回ずつ

股関節

■やり方
1.股関節を左右に開いたり閉じたりします。このとき、しっかりと足の付け根から足を動かすよ
うに意識をしましょう。

2.次に左右同じ方向に股関節を捻るように動かしていきます。

■回数
左右10回ずつ

今回は座った状態での方法をお伝えしましたがこの動きは立位の状態でも同様の方法ができますので状況に応じてぜひやってみてください。

楽に座ることのできるアイテム3選

同じ姿勢でいることで身体が固まり痛みを伴いやすくなりますが、もともとの姿勢自体が悪い状態だとより身体が固まるリスクが高まります。

そのため、良い姿勢で座れているのかという点もとても重要なポイントになります。

そこで椅子の環境を整えることで座位姿勢が改善し、固まりにくい身体を作ることができます。今回は私が特にお勧めする座位姿勢を強制するためのアイテムをご紹介したいと思います。

1位:骨盤サポートクッション

形状が背骨のS字カーブをサポートし深く腰掛けることで自然と姿勢が整います。長時間持たれていても疲れにくい低反発ウレタンを使用し程よい硬さでしっかりとした安定感があります。

また両サイドから背中を支え、ゴムによってクッションの位置がずれにくい構造になっています。

こちらの商品は日本整形外科学会整形外科専門医の先生と共同開発された商品でもあるため、とても医学的観点からもお勧めできる商品となっております。

2位:腰サポートクッション

腰への負担を軽減する低反発素材で作られている背もたれクッションです。本体に7つの突起物が内蔵されているので座るだけで腰や背中のマッサージ効果を望めます。

立体構造で作られているため正しい姿勢をキープしたい人におすすめです。腰や背中のフィット感と体圧分散効果で腰痛持ちの方にはぜひ試していただきたいクッションになります。

3位:骨盤サポートチェア

こちらの商品は独自のカイロサポートシステムで腰回り、お尻、太ももの3つのポイントから正しい姿勢を導きだしてくれます。

また椅子の上だけではなく床の上でも使用でき、子供用サイズもあるため様々なシーンで活躍してくれます。

日常生活で意識したい3つのこと

① 同じ姿勢を「続けない」

どんなに良い姿勢でも、同じ形を保つことが最も身体に負担をかけます。

1時間ごとに立ち上がり、姿勢をリセットする習慣をつけましょう。

② 「正しい姿勢」ではなく「楽な姿勢」を探す

正解の姿勢は一つではありません。

ご自身の身体が“呼吸しやすく”“長く保てる”姿勢こそが最適解です。

③ 小さな違和感を放置しない

「ちょっと張る」「重い」段階で動きを入れましょう。

痛みが出てから治すより、固まる前に動かす方がずっと簡単です。

最後に

皆さんいかがでしたか。

同じ姿勢をとり続けるだけで身体には負担がかかりやすくなります。身体が痛くなったにも関わらずその原因に思い当たることがない人は同じ姿勢をとり続けたことが原因の可能性があります。

1日の生活パターンを今一度見つめ直したときに動かない時間帯の身体の管理を意識してみると悩みの解決につながるかもしれません。

今後も皆さんのお身体の悩みを解決するための情報発信をしていきますので楽しみにしていて下さい。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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