はじめに
私が普段仕事でリハビリを行うとき肩が痛い方がとても多くみえます。
手が上に挙がらない
横に広げると痛い
手を後ろに回せないなど訴えは様々です。
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それらの方の問題点をみつけ治療をすることが私の仕事になりますが、一番大切なのはそういった状態にならないように普段から自分でケアすることにあります。
そこで今回は肩の動きに影響する肩以外の部位についてお伝えしたいと思います。
肩の動きに影響するものとは
肩の動きはただ肩の関節に問題がなければ良いということではありません。
肩を上に挙げるときの参考可動域は180度と決まっていますが、この角度のうち肩自体が担う可動域は120度になります。そして残りの60度は肩甲骨が担います。
この話は私の業界ではよく聞きますが、実は肩甲骨以外にも肩の可動域に影響するものがいくつかあります。
最近ではスマホ依存の方が増え、それによって肩に痛みを伴う方も増えてきております。そのような方はぜひこちらの記事もごらんください。
脊柱
一度バンザイをしてみましょう。すると胸が上に持ち上がり背中が少し反ると思います。次に背中を丸くした状態でバンザイをしてみましょう。おそらく手がしっかり上に挙がりにくいと思います。
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胸郭
胸郭は12対の肋骨,12個の胸椎,胸骨から形成されます。胸郭の内部には心臓とこれに出入りする大血管,肺,食道などが収められています。
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そして肩を挙げるとき胸郭の前側が拡張しながら上方へと持ち上がることがとても重要になります。猫背の方は胸郭の前側の拡張が不十分となりやすい傾向があります。
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鎖骨
肩を挙げるときに鎖骨も連動して動きます。
鎖骨は実は肩鎖関節という関節で肩甲骨とつながっています。青い部分が鎖骨、赤い部分が肩甲骨の一部になります。この二つの交点が肩鎖関節になります。
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そして肩を挙げる際に鎖骨も上に持ち上がる(挙上)動きが生じます。
この鎖骨が持ち上がる動きは主に鎖骨の外側の方が動きが大きくなるという特徴があります。
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また鎖骨は首や前胸部の筋肉が硬いことで動きが制限されやすくなります。
これらの部位以外に肩の動きに影響する代表的な部位に『肩甲骨』があります。この肩甲骨の可動域が肩の動きにどのように影響するのかについてもこちらの記事にまとめてあります。興味のある方はぜひご覧ください。
肩の動きをみるチェック法
今から紹介するのは誰でも簡単にできる肩の動きのチェック法になります。
肩を前から挙げた時に耳の横まで挙がっているか
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肩を横に広げて挙げた時に手が耳の横まで挙がっているか
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肩が前に出ずに手を背中に回せるか
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胸をしっかり開いた状態で頭の後ろに手が回せるか
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この中で一つでもできないものがあれば肩の動きが硬くなっている可能性があります。
肩が硬い方のおすすめストレッチ法
肩の動きが硬いと感じた方は以下のストレッチをやってみましょう。
私が普段臨床で肩をみるとき肩以外に問題がありそうな方によく使う方法になります。
ストレッチ後に変化を感じた方は肩以外の部位が原因となっている可能性があります。
背骨のストレッチ
このストレッチを実施することによって脊柱の伸びを促します。
まず四つ這いになり手は肩の下、膝は股関節の下につき、背骨を真っ直ぐにします。
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息を吐きながら手で床を押し、背中を丸くします。このとき目線はおへそを覗き込むようにしましょう。
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次に息を吸いながら目線を前方に向け背中を反っていきます。
このとき腰だけを反り過ぎると腰を痛めてしまうため、しっかりと胸を前に向け胸椎を反る意識を持つととても良いです。
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鎖骨リリース
この手技を実施することによって鎖骨の挙上を促します。
まず腕を胸の前にもっていき、反対の手で鎖骨の外側を把持します。
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鎖骨を把持した状態で肩を上下に動かすことで鎖骨の周りをほぐすことができます。
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鎖骨の上側が痛いと感じる方は首の筋肉が、下側が痛いと感じる方は前胸部の筋肉が硬くなっている可能性があります。
上下に動かすのを1日に20回ずつ行うようにしてみましょう。徐々に鎖骨を動かしたときに痛みが減ってきたら鎖骨周りの硬さが和らいできているサインになります。
胸郭のストレッチ
このストレッチを行うことで胸郭の前側の拡張を促します。
横向きになり上側の手を伸ばします。
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上側の手を天井に向かって持ち上げます。
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脇腹から捻るような意識を持ち、前胸部を開いた状態でゆっくり深呼吸をしていきます。
胸郭の前側をしっかり拡張する意識を持ち、前胸部のストレッチを行います。
二つ目のストレッチは胸郭の横側の拡張を促します。
まずタオルを丸めて筒状にします。
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これを図の位置に挿入した状態で横向きになります。
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この姿勢で上の手を挙げ脇腹を伸ばした状態で深呼吸していきます。
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このとき胸郭の横側を拡げる意識をもって深呼吸をするととても良いです。
最後に
肩は痛くなる部位の代表です。よく五十肩という言葉を聞きますが、肩は痛くなると日常生活に多大な影響を及ぼします。
私が思う一番大切なことは痛くなる前に肩のケアを行い、良い状態を維持することにあります。
一度肩を痛めてしまうと、痛くないように肩をできるだけ動かさないようになり、その結果肩の可動域が狭くなってしまいます。
すると日常生活での肩の使用頻度はさらに減り、気付いた時にはほとんど肩を使うことがなくなってしまいます。
今回の記事を読んで肩の動きが少しでも硬いと感じた方は今からしっかり肩のケアを行いましょう。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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