反り腰の方必見。前かがみで腰が痛いという方に確認してほしい3つのポイントと体幹を安定させる方法について。

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はじめに

腰痛で悩む方はとても多く、身体の数ある部位の中でも特に多い関節痛として知られているのが腰痛になります。

これは構造的にも腰は身体の中心に位置しているのにも関わらず周りには骨格的な安定性ではなく筋肉の安定性に依存した構造になっていることが一つの要因として挙げられます。

また腰痛には様々な症状があります。例えば

ずっと立っていると腰が痛い

座っていると腰が痛くなる

何もしていなくても腰が痛い

腰を反ったり、捻じったりすると痛い

などさまざまな症状があります。そのため、腰痛は一言で片づけられるものではなく、様々な症状がある分、対処法も数多く存在します。

そのため、今回はそんな症状の中でも特によくみられる『前にかがむと腰が痛い』という方におすすめな体幹を安定させる方法についてお伝えしたいと思います

腰部の構造について

腰部は腰椎という骨が5つ並んだ構造になっています。またその上には胸椎、下には仙骨が存在するため腰の問題は背部や骨盤・股関節周囲にも大きな影響を与えます

腰椎の特性について

腰椎の構造上の特徴は椎体の側面に関節面がないことです。また、椎間関節の向きが矢状面に近いため、腰椎の可動性が矢状面優位(前後方向)になるということです

そのため、前屈や後屈といった動きを行うときは腰椎の動きが優位に起こりやすいということになります。

胸椎は椎体の側面に関節面が存在し、椎間関節の向きが前額面に近い構造になっています。

そのため、腰椎とは違い主に前額面(左右方向)や水平面(回旋方向)の動きが優位に起こりやすくなります

腰椎に硬さが生じるとどうなるのか

腰椎は全部で5つありますが、この5つの中で動き過ぎる腰椎と動かない腰椎が生じることがあります

では例えば4番目の腰椎と5番目の腰椎が過度に動いてしまう状態とします。すると5つある腰椎はどうなるのでしょうか。

動き過ぎてしまう部位が存在するときはその反対に動きにくい部位が存在し、それによって背骨の動きのバランスをとっています。しかし、このような状態が長く続いていると動き過ぎてしまう部位に過剰に負荷がかかり、結果的に腰椎すべり症や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などになりやすくなります。

そのため、動きずらい部位の滑走性を引き出しながら動き過ぎてしまっている部位の負担を減らすことがとても大切になります。

これは腰椎だけに限ったことではなく、腰椎から離れた部位の動きが悪くなることによっても同様の症状が腰椎に起こる可能性があります。

腰痛の際に腰椎と同じくらい腰に影響を与える部位に『股関節』があります。腰痛や股関節のお悩みのある方はぜひこちらの記事もご覧ください。

前かがみが苦手な方が陥りやすい前屈姿勢

本来前かがみになるときは腰椎は丸くなるように動きます。

しかし、前かがみが苦手な方は腰椎の丸みをうまく作ることができす、股関節や腰椎以外の脊柱の丸みを過剰に作ることで代償的に前かがみ姿勢をとっている方がいます。

そのため、私がよく臨床で感じる腰椎の動きに影響を与える部位について説明したいと思います。

前かがみが苦手な方にみてほしい腰以外の3つのポイント

前かがみが苦手になる方で比較的多くみられるのが『反り腰』の方です。この反り腰になると腰椎自体の丸くなる動きが制限されるだけではなく、それ以外の部位にも特徴的な硬さが生じやすくなります。すると、相互に影響しあいながら相乗的に腰痛のリスクを高めてしまいます。

胸郭の硬さ

反り腰の方は下部胸郭の前側が過度に開き、反対に下部胸郭の後側が締まり過ぎてしまうパターンがとても多くなります。

このような胸郭の硬さが生じることで

前面の胸郭が締まらないことによる体幹筋の弱化

後面の胸郭が広がらないことによる背部の筋の過緊張

が生じやすい状態となります。

胸郭の動きについてはこちらの記事で詳しくまとめてありますので興味のある方はぜひご覧ください。

骨盤の位置

反り腰の方は骨盤が前傾している方が多いです。

骨盤が前傾している方の特徴は

お尻が突き出している

股関節がくの字になり、太ももの前側が硬くなっている

になっていることが多いです。

そして骨盤が前傾し過ぎてしまうことで

骨盤の上にある腰椎が過剰に反ってしまい腰背部の緊張が高くなりやすい

といった状態が生じてしまいます。

こちらの記事で骨盤の正しい位置の作り方について解説していますので興味のある方はぜひこちらの記事もご覧ください。

股関節の硬さ

反り腰の方は先ほどもお伝えしたように骨盤が過度に前傾しやすい状態となります。すると、骨盤と連結している股関節は内側に捻じれやすい状態(内旋)となります。股関節が内旋すると

後ろに足を伸ばす(伸展)

足を外側に開く(外旋)

の2つの動きが硬くなります。すると

股関節の可動域が硬くな臀部の筋肉の弱化

が生じやすい状態となります。

前かがみを楽にするための方法

ストレッチ編

胸郭

お尻と踵をくっつけた状態で前方に身体を倒します。背中に手を当て息を吸ったときに背中側の肋骨が広がるように意識をすることで腰背部の筋肉の硬さを軽減することができます。この状態で30秒~60秒キープします。

次に肋骨の下側に手を当てて

➀息を吸ったときに肋骨が左右に広がる

②息を吐くときに肋骨が締まるように動かします。

このときのポイントは息を吐くときにお腹が締まる感覚をしっかりと意識することです。この運動を20回から30回行いましょう。

腰椎・骨盤

手で地面を押し、お尻を地面の方に向けながら腰を丸くすることによって骨盤の後傾を促すことができます。

このときのポイントは腰の丸みがしっかりでるようにお腹を身体の奥に引き込む意識を持つことでより腰椎の動きを引き出すことができます。この姿勢でゆっくり呼吸をしながら20秒から30秒キープしましょう。

股関節

お尻を締めるように意識をしながら股関節を外側へと開きます。

この時のポイントは太ももなどに余計な力が入らないように注意しながら股関節をしっかりと広げることで股関節の外旋の動きを引き出すことができますこの運動を20回~30回を目安に行います。

エクササイズ編

呼吸(腹圧を高める)

膝を立てた状態で仰向けになり、肋骨の下に手を当てます。
そのまま息を鼻から吸い肋骨を拡げ、ゆっくり長く吐きながら肋骨を締めていき、腹圧を高めていきます。お腹の厚さが薄くなり腹圧が高まってきたらその状態をキープできるように意識をします。
10回~20回を目安に行いましょう。

腹圧を維持しながら体幹トレーニング

まず腹圧を高めた状態で頭をゆっくり持ち上げます。腹圧が抜けないように注意しながらゆっくり頭を下ろしていきます。この運動を20回~30回行います。
次に腹圧を高めた状態で片脚を90度持ち上げます。腰が反らないようにお腹を奥に引き込み背中が地面にしっかりとついた状態で脚を持ち上げるように練習するとより効果的です。この運動を左右20回ずつ行いましょう。
背中が地面についた状態で片脚ずつ持ち上げていき両脚を90度の位置でキープします。この姿勢で30秒間キープしましょう。

次に腹圧をしっかり保ちながら頭を持ち上げお腹の力をさらに高めていきます。このあたり方結構お腹がきつくなってくると思います。この時も背中と地面の関係性が崩れないように意識して10回~20回を目安に行います。

最後は頭の後ろに手を組み、片脚は伸ばし、片脚は身体に引き寄せていきます。左右の足を交互に入れ替えるようにして足を動かす運動を左右10回~20回ずつ行いましょう。

安定した前かがみをするときのポイント

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。前かがみという姿勢は普段何気なくこの姿勢をとってしまうことが多く、気付かないうちに腰に負担がかかりやすくなります。

そのため、動作一つにおいても少し要点を意識しながら動くことができれば将来腰に負担がたまりにくい状況を作ることができます。今現在すでに腰が痛いという方も決して遅くはありません。

まずは意識するポイントをしっかりと押さえ、これから『前かがみ』になるときは動作に慣れるまでは丁寧に意識をしながら行うことが大切です。

今回の記事を読んで少しでも前かがみが苦手な方のお役に立てたら幸いです。

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