猫背で前に進みにくさを感じていませんか?骨盤を立てたフォームで推進力を上げる方法を理学療法士が分かりやすく解説。

スポンサーリンク

【最終更新日:2025年10月14日】

はじめに

日本人はコタツや畳といった床での生活が多いため海外の方と比べて猫背の方が多く、その割合は全体の6〜7割といわれております。また仕事で一日中ずっとデスクワークで同じ姿勢で座っていたり、歩いている時も猫背のままで生活をしていると猫背はさらに悪化してしまいます。

質問する人
質問する人

最近特に何もしてないのになんだか背中が丸くなってきた気がするんだよね。

内臓小僧
内臓小僧

猫背になる理由はたくさんあるけど、一番多いのは長時間の不良姿勢が猫背に影響しているんだよ。

すると、内臓も徐々に下垂しさまざまな不調をきたしやすくなります。また、猫背になると骨盤の位置も崩れてしまい、ランニングフォームに大きく影響を与えます。

猫背のまま走ると推進力が前方に伝わらず、「体が重い」「スピードが出ない」と感じることが多くなります。

本記事では理学療法士の視点から『猫背の人が速く走るために必要な姿勢改善』と『骨盤立てるコツ』『具体的な練習方法』について解説します。

なぜ猫背だと速く走れないのか

1.骨盤後傾が推進力を妨げる

猫背姿勢では骨盤が後傾し、股関節の伸展(後ろへの蹴り出し)が制限されます。結果として歩幅が狭くなり、体幹もぶれやすくなります。また骨盤の後傾はお尻の力を低下させる要因になります。お尻の力は主にジョギングの際の足の接地時から下半身に体重をかけていく時に発揮されるため、下半身の安定性には欠かせない筋肉になります。

適切な骨盤の位置
猫背の方に多い骨盤後傾位

そのため、骨盤が後傾することによって足に体重がしっかりとのらず、下半身の安定性を低下させる原因になります。

2.体幹の筋肉がはたらきにくくなる

猫背姿勢では腹筋群・腸腰筋・殿筋などの連動が崩れます。走るときに重要な体幹の安定性が低下し、エネルギー効率が悪化します。体幹の力が入らないことで上半身と下半身のつながりが弱くなりジョギングの際に下半身からの生み出した力を上半身につなげることができなくなります。

骨盤が後傾すると体幹の安定性が低下しやすい状態になります。そのようなことを防ぐために自宅でもできる体幹のトレーニングの方法ついてまとめてありますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

3.腕振り、肩甲骨の動きも制限される

猫背になると肩甲骨が外に広がり、動かしにくくなるため、腕振りが小さくなり走るときのリズムが崩れてしまいます。

そもそも猫背は内臓にも良くない

一般的に猫背で思いつく姿勢は前かがみの姿勢です。

前かがみ姿勢の原因は肩甲骨骨盤が大きく関係しています。

猫背なると肋骨と骨盤の間のスペースが減少してしまいます。すると内臓の収まるスペースが減少し、内臓下垂のリスクが高まります。

結果的に内臓機能も低下し消化不良や胃腸の不快感をランニング中に感じる原因となります。

また、内臓が圧迫されると便秘や腹部違和感、女性は生理痛といったさまざな症状を引き起こしやすくなります。これらの症状でお悩みの方はぜひこちらの記事もご覧ください。

猫背と重心位置の関係について

皆さんは走るときに姿勢を意識したことはありますか。普段の姿勢が猫背の方は背中が丸くなり体幹が骨盤に対して後方に位置してしまいます

つまり立った時に骨盤に対して体幹が後方に残ることで後方重心となります。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0501a-1-641x1024.jpg

後方重心になると体幹が後方へ残ってしまうことでジョギングの際の前方への推進力を阻害してしまいます。 

結果的にジョギングで前に進むために生み出した下半身の力が効率よく体幹に伝達されず、下半身に余計に負担がかかってしまいます。

骨盤を立てるとはどういう状態か?

「骨盤を立てる」という言葉は抽象的に聞こえるかもしれません。理学療法士的に言えば、骨盤が過度に後傾せず、腰椎が軽く前弯し、上半身の重心が骨盤の真上にある状態です。

・骨盤前傾では反り腰になり腰痛のリスクが増えます。

・骨盤後傾ではハムストリングスや殿筋が使いにくくなります。

・「骨盤を立てる」はその中間で体幹が安定し、股関節の動きが出しやすい姿勢です。

骨盤の適切なアライメントについてはこちらの記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧ください。

骨盤を立てる練習法:エクササイズ

1.壁立ち姿勢チェック

壁に背を付けて立ち、後頭部・背中・お尻・踵を壁に付けます。腰の隙間が手のひら一枚分程度であれば理想です。

2.骨盤前後傾コントロール

仰向けに寝て膝を立て、骨盤を前後にゆっくり動かします。自分のニュートラル(骨盤を立てる位置)を感覚でつかみます。

3.腸腰筋・殿筋アクティベーション

ランニング前に片膝立ち姿勢で骨盤を立て、軽く前後に揺らして股関節前面を伸ばしながら腸腰筋を使う準備をします。

骨盤を立てた理想のジョギングを理学療法士が解説

ジョギングはどれだけ下半身から生み出した推進力を上半身に伝えることができるのかが大切になります

そのために必要なのは肩甲骨と骨盤の意識になります。

腕を振る際に肩甲骨の動きがしっかりでているか

腕ふりの際に肘を後ろ引き、肩甲骨がしっかりと内側に入ることによって背筋が伸び、体幹が安定します。

良い例:しっかりと肩が伸展し腕を後方へ引けている

しかし、猫背になると肩甲骨が外転(外側に開く)してしまい、腕を後ろに引くことができなくなります。

悪い例:腕振りで肘が外に開らき肩が上がっている

適度に骨盤が前傾し着地した足がおへその下にあるか

ジョギングの際前方への推進力を下半身から上半身に伝える最も大切なポイントは骨盤の位置になります。

ジョギングするときのポイントは骨盤が適度に前傾することにあります。

骨盤がやや前傾することで体幹が適度に前方に倒れ、下半身からの推進力を無理なく上半身へと伝えることができます。

良い例:骨盤がやや前傾し体幹が前方に倒れている

もし骨盤の前傾が足りず下半身に対して体幹が後方に残ってしまうと、前方への推進力にブレーキがかかってしまいます。

悪い例:骨盤の前傾が足りず下半身に対して体幹が後方に残っている

      

身体の軸を高めるための方法についてこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。

ランニング前のフォームの調整法について理学療法士が解説

肩甲骨を寄せ、前胸部を広げよう

まず手を組んだ状態で後ろに回します。その状態で手を床の方に下げながら胸を張ります。すると肩甲骨が内側に入る感覚がわかると思います。

また、この姿勢は肩甲骨を下制させながら後傾することもできます。すると首周りの無駄な力を抜きながら肩甲骨を寄せる感覚をつかむ良い練習になりますので、ぜひ普段からやるようにしましょう。おすすめは30秒から60秒程かけてゆっくり行ってみましょう。

下半身の軸を整えよう

走る前に下半身の軸を意識することで安定して地面を踏むことができるようになります。下半身の軸の目安は膝にある膝蓋骨とつま先(基本は第2趾)の向きがそろった状態で下半身が安定している状態が理想になります。

下図は下半身の軸を意識する時におすすめなフロントランジポジションになります。

このフロントランジポジションの状態で前足に体重を乗せ、軸が揃った状態でしっかりと体重を支える感覚を掴んでからジョギングをすることによって下半身で地面をしっかりと踏むことができるようになります。

走る前に骨盤を立ててみよう

まず手をウエストの少し下にある骨盤に置きます。その状態で軽くお尻をひきます。すると骨盤が前傾するのが分かると思います。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: bbx.jpg

ジョギングの一歩目の前にこの骨盤の意識をすることで骨盤を立てた状態で1歩目の下肢の振り出しができるようになります。すると、体幹が適度に前方に倒れた状態で走る感覚をつかむ良い練習になります。

猫背の方はこの2つを意識してからジョギングをすると前方への推進力が得られやすくなると思いますのでぜひ試してみてください。

最後に

運動をすることは身体にも心にもとても良い効果があります。またストレス解消のためにも運動はとても良いと思います。その中でどうせ運動を行うなら、同じ時間、同じ量でも効果の出やすいやり方やコツを覚えておくことで効率よく身体に変化をだすことができます。今回の記事はその中でジョキングについてのコツでした。お金もかからず簡単にできるジョギングですがフォームなども考えながら行うととても深いなと感じます。

本日もご覧いただきましてありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました