肋骨の開きが狭い方は胃下垂のリスクが高い。自身で肋骨の広がりを確認してみよう。

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はじめに

内臓は身体の胸郭という肋骨でできた籠の中に収められています。

現代では姿勢が悪い方がとても増えました。すると胸郭の形も変化し内臓の収まるスペースが減少することで内臓下垂やさまざまな不調をきたしやすくなります。

質問する人
質問する人

最近お腹がぽっこりしてきた気がするんだよね。

内臓小僧
内臓小僧

それはもしかして内臓が下垂しているサインかもしれないよ。

このように胸郭の形が変化することで身体の機能にとても大きく影響を及ぼします。

例えば以下のような症状はないか確認してみましょう。

・姿勢が悪くなった

・食後に胸やけがする

・ゲップがよくでる

・食欲がわかない

・食後にお腹がぽっこりなる

このような症状がある方はもしかして胃下垂になっている可能性があります。

そこで今回は胃下垂になりやすい胸郭の形とセルフケアの方法について説明していきたいと思います

肋骨下角について

肋骨下角とは、左右の第10肋骨が中央で織りなす角度です

正常値:70度から90度

肋骨下角が狭い方は胃下垂になりやすい理由

肋骨下角が狭いと腹腔内のスペースが減少します。

すると胸郭内にある内臓の収まるスペースもなくなり、結果的に内臓下垂になりやすい状態となります。

つまり、

肋骨下角が標準よりも狭い方は胃下垂のリスクが高くなります

また、以下のような症状もないか一緒に確認してみましょう。

ゆっくり深呼吸をした時に肋骨の開きに左右差がある場合

息を吸っても肋骨の開きがあまりみられない場合

このような場合も胸郭の柔軟性に問題がある可能性があるため同様に胃下垂のリスクが高くなります。 

また反対に肋骨下角の角度が広いという方は体幹筋力が低下し、腰を痛めやすい状態になっている可能性があります。そして、このような状態の方は腹筋運動が苦手になる傾向があります。

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そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。

あばらの出方に左右差がないか

肋骨の出方に左右差がある方は胸郭が捻れている可能性があります。

特にこのような生活習慣がある方は要注意です。

・普段の生活でどちらか一方の手をよく使う

・片側ばかり横座りをする

・身体を左右どちらかに捻じった状態でよく過ごしている

・仕事で同じ方向の回旋を伴う動きばかりをしている

一度お風呂などで自分の肋骨の出方に左右差がないか確認してみましょう。

もし明らかに左右差があるという方は胸郭の捻じれによりその内部にある内臓にも捻じれのストレスがかかっている可能性があります。

こちらの記事に肋骨の開きに左右差がある場合の対処法について詳しく書いてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

胸郭の動き方

次に胸郭の動き方について説明していきたいと思います。

胸郭は以下の3つのエリアに分かれます。

上位胸郭(第1肋骨から第6肋骨)

中位胸郭(第7肋骨から第10肋骨)

下位胸郭(第11肋骨、第12肋骨)

ポンプハンドル運動:  上位胸郭は上下の動き

こちらは主に上側の胸郭の動きになります。

吸気時に胸骨を前上方へ押し上げそれに伴い上位胸郭を上方に持ち上げます。呼気では反対に胸骨を下方へ引き下げそれに伴い上位胸郭を下げる動きになります。

バケツハンドル運動:  中位胸郭は側方の動き

主に下側の胸郭の動きになります。

吸気時に下側の肋骨が横に広がるように動きます。呼気では反対に閉じる動きになります。

ピンチハンドル運動:  下位胸郭(浮遊肋骨)の動き

肋骨は全部で12対ありますが、そのうち1から10番目の肋骨は胸骨もしくは肋軟骨によって胸郭に固定されています。しかし、11番目と12番目の肋骨は固定されておらず宙に浮いたような状態となっています。

そのため、吸気時にはクワガタの角が開くような動きをし、呼気の際は反対に角を閉じるような動きを伴います。

 第11肋骨は黄色、第12肋骨は青色で示しています。

肋骨下角の広がりチェック方法

肋骨の下側の縁に手を当て左右の肋骨の形を確認してみましょう。

◇ 肋骨の下側に手を沿わせ肋骨の開きが90度あるか

◇ 肋骨の開きが左右対称か(45度ずつ)

私は若干右側の肋骨の角度が少なくなっています。

《肋骨下角の柔軟性チェック項目》

■両手をバンザイすることで外腹斜筋と腹直筋が伸張されます。

手をバンザイした時に肋骨下角が狭くなった場合は外腹斜筋や腹直筋上部の柔軟性低下が肋骨下角の動きを悪くしている可能性があります。

下部肋骨が開いていたり、捻じれている場合は体幹筋の安定性が低下している可能性もあります。そのような方はぜひごちらの記事もご覧ください。

横隔膜を押し上げる腹部の筋肉

呼吸に伴い横隔膜が動き腹圧が高まることは知っている方は多いと思います。

しかし、腹圧を高めるのは横隔膜だけではなく、腹部や骨盤周囲にある筋肉もその手助けをしています。その筋肉がインナーマッスルとして知られている腹横筋多裂筋骨盤底筋群になります。

この3つの筋肉と横隔膜が協調的にはたらき腹圧を高めることができます。そしてこの腹圧がしっかりと安定した状態になることで肋骨の可動域が高まりやすい状態となります。

筋肉の走行でわかる肋骨下角との関係

肋骨下角を狭める作用のある筋肉は外腹斜筋上部腹直筋になります。

反対に肋骨下角を広げる作用のある筋肉は内腹斜筋になります。

そのため、腹部の筋肉が硬いことで肋骨下角が狭くなっている人は外腹斜筋腹直筋上部のストレッチが大切になります。

内臓下垂に対して重要になるのは肋骨の状態だけではなく、骨盤の位置もとても重要な要素となります。骨盤の正しい位置の作り方については下記の記事をぜひご覧ください。

腹部の筋肉以外で肋骨下角が狭くなる要因

  • 胸椎の過剰な後弯
  • 肩甲骨の外転
  • 骨盤の後傾
 胸椎の後弯、骨盤の後傾
    肩甲骨の外転

肋骨下角を広げるストレッチ

それでは内臓下垂に影響する胸郭の可動域を改善するストレッチの方法をご紹介したいと思います。

外腹斜筋ストレッチ

■やり方
手を肩の高さに広げ、膝を立てた状態で仰向けになります。
次に両膝を片側に倒します。その状態で上側の足をさらに引き上げながら体幹もゆっくりと捻じります。

■時間
40秒から60秒

■ストレッチのコツ
体を捻じるときに背中が地面から離れないように意識することで外腹斜筋を効率よくストレッチすることができます。

腹直筋上部ストレッチ

■やり方
うつ伏せの状態でゆっくり手で床を押し上体を持ち上げます。この状態でゆっくり深呼吸をして肋骨下角辺り付着する腹直筋上部をストレッチします。

■時間
40秒から60秒

■ストレッチのコツ
上体を持ち上げる際腰を反り過ぎると腰痛になるリスクが高いため、息を吐き腹圧を高めながら胸を前方へと向ける意識で行うと腰の負担を軽減することができます。

さらに効率よく肋骨の開きを引き出すのにとてもおすすめなツールがストレッチポールになります。

こちらのストレッチポールEXの芯材は、強度と粘度に優れたEPEを採用しています。EPEは、耐久性はもちろんのこと、ストレッチポールに当たる身体の部位を適度な反発力で押すことにより、最大限の効果を引き出すことができます。

いろいろなストレッチポールを試しましたが、こちらの商品が一番身体に負担がなく、効果を実感することができましたのでとてもおすすめ商品になります。

このストレッチポールの形状はとても肋骨の開きを引き出すのに適しており、さらに肋骨だけではなく、同時に

猫背の解消

首や肩こりの解消

姿勢の改善

などが期待できます。

私自身がストレッチポールを使用しながら行うストレッチがこちらになります。

ストレッチポールの中心に背骨を乗せ胸が適度に開いた状態で片手を上方へと持ち上げます。すると肋骨の前面と外側面の開きを効率よく引き出すことができます。この姿勢を30秒から60秒程キープします。

最後に

肋骨の動きは体幹の安定性や内臓機能に大きく関わりがあります。

普段意識をしながら呼吸をしている方はほとんどいないと思います。

しかし、ご自身の呼吸はしっかりできていますでしょうか。

肋骨がしっかり動いていますか。喫煙や不良姿勢、暴飲・暴食などさまざまな原因で呼吸状態は悪化します。

すると肋骨の動きはたちまち低下しさまざまな身体の不調をきたします。

今回ご紹介した方法でご自身の肋骨の動きを確認してみてください。

もし、異常があればしっかりとストレッチを行い、普段の生活を見直す必要があります。これからは治療ではなく、予防という視点をしっかりと持って身体と向き合いましょう。

本日もご覧いただきありがとうございました。

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