はじめに
昔から体が硬い方や以前はそんなこともなかったのに最近になって体が重たく感じるという方は多いと思います。体が硬い方は柔らかい人と比較してケガのリスクや身体の不調をきたす可能性が高くなります。

そこで今回は身体の硬さの中でも特に腰痛の原因となりやすい股関節前面の硬さの評価とその対処法についてお伝えしたいと思います。
股関節の前側が硬くなる人の特徴
- 反り腰
- 内股
- 股関節の開きが少ない
- ふくらはぎが硬い
- つま先重心になりやすい
股関節の前側にある筋肉
この中でも股関節の前面の硬さに特に影響するのが大腰筋、腸骨筋、大腿直筋になります。

股関節の前側が硬くなることで起こる弊害
骨盤前傾による腰痛
股関節前面にある筋肉が硬くなることで骨盤を前傾方向へ引っ張ります。
すると骨盤の動きと連動して腰椎の反りが強くなり腰痛の原因となります。

骨盤中間位

骨盤前傾位
腰痛でお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。


股関節の痛み
股関節の前面が硬くなることで股関節は内旋(内側への捻じれ)しやすくなります。すると股関節のゆとりがなくなり詰まりやすくなることで股関節に負担がかかります。
股関節に痛みのある方はぜひこちらの記事もご覧ください。
膝の痛み
股関節前面が硬くなることで骨盤が前傾します。
すると立っているときに重心線(ー)が膝(●)よりも前方を通ることで膝が過剰に伸びる(過伸展)方向(➡)への負担がかかります。
正常な立位時の重心線(ー)はほぼ膝関節上を通ります。


膝が伸び過ぎることで痛みがある方はぜひこちらの記事もご覧ください。
股関節前側の詰まりの評価
まず仰向けになります。

この状態で足を曲げてみます。このときに曲げた側の鼠蹊部のどこかに痛みや詰まりを感じる人は股関節の前側が硬くなっています。鼠蹊部は赤く示した部分になります。


反り腰の方は体幹の筋肉が弱い傾向にあります。ご自宅でも簡単にできる体幹トレーニングについてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
股関節前面にある筋肉の伸長性の評価
仰向けの状態から片方の足を曲げていきます。
そのときに伸ばしている側の太ももが床から離れた場合、伸ばしている側の股関節前面から太ももの前側が硬いという評価になります。

伸ばしている側のふとももが浮いている

伸ばしている側のふとももが床についている
この2つの評価のどちらか、もしくは両方当てはまる方は股関節前面の柔軟性が低下している可能性があります。
どうして詰まりを感じるのか
本来は足を曲げると骨盤が後傾しそれと連動して腰が丸くなります。

しかし、股関節前面が硬くなると足を曲げたときに骨盤が後傾せず前傾位のまま股関節が曲がっていきます。
すると骨盤と股関節の間で筋肉がうまく滑走せず、それが詰まり感として現れます。

股関節の動きに合わせて骨盤が後傾している

股関節前面が硬いため骨盤の後傾が起きず、前側につまり感を感じる
股関節前面の段階的ストレッチ
初級
まず簡単にできる太ももの前の筋肉のストレッチ法からお伝えします。
肘をついた状態で片膝を曲げて上体を後ろに反らしていきます。すると太もも前側の筋肉が伸びるのがわかると思います。

もう1つはベットのような場所で簡単にできる方法です。片方の足を曲げ反対側の足はしっかりベットについた状態をキープします。
できる方は足を下に垂らしながら行うとより伸長感が得られます。

これら初級のストレッチはゆっくり深呼吸しながら30秒程行なってください。
中級
横向きになり膝を曲げ後ろに足を蹴ります。このとき腰が反るのではなくお尻の筋肉を意識して足を後ろに蹴るのがポイントです。

そうすることで股関節の前側のストレッチと臀部のトレーニングを同時に行うことができます。
この中級ストレッチは20回を1日3セット行うのを目標にしましょう。
片脚を前につき、もう片方の足は後方へ伸ばします。そして両手は膝を持ちながら上体を起こしキープします。

この姿勢をとることで後方に伸ばした足の太ももの前面と前についた側の殿部を同時にストレッチすることができます。
また、この状態をキープするための下半身の安定性も求められるため、良い下半身のトレーニングにもなります。
目安としてはこの姿勢をキープしながらゆっくり5呼吸することを目標にしましょう。
上級
中級で紹介した姿勢から両手をバンザイしていきます。すると太ももの前だけではなく体幹の前面までストレッチすることができます。
また、バランスをとることがより難しくなるため、下半身の負荷をさらに増やしながらトレーニングすることができます。

上級のストレッチはこの姿勢をキープしたままゆっくり5呼吸するのを目標頑張ってみて下さい。
反り腰の方は体幹の筋肉が弱い傾向にあります。ご自宅でも簡単にできる体幹トレーニングについてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
最後に
皆さんいかがでしたか。自分の身体なのにこんなこともできないのかと新たに発見したこともあるかと思います。昔の身体の感覚を持ったままいきなり無理な動きをしようとすると大怪我につながります。
そして私の職場にはそのような方がたくさんみえます。普段から身体のケアを行なっている方は自分の身体の状態を把握しているだけではなく、実際の動きと自分の身体のイメージがしっかりと合っている方が多いです。
普段から自分の身体に目を向け何が苦手なのか、どこを改善することが必要なのか意識して生活をおくってみましょう。
今回の記事がそのお役に少しでも立てれば幸いです。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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