はじめに
皆さん最近疲れは溜まっていませんか?
特にパソコン業務や書類整理など同じ姿勢で長時間作業をした時の疲れはなんともいえないですよね。私も電子カルテにその日の患者の状態を入力することが1日のうちのどこかで必ずあります。
一日中パソコンの画面を見ていると本当に目が疲れるんだよな。
また現代ではテレワークによる仕事が増えたり、スマホが普及したことで幼少期の子も目を酷使することが増えました。そのため、慢性的にこのような眼精疲労に陥る方がとても増えています。
この目の疲れは実は首にある筋肉と密接に関わりがあるのです。
そこで今回はこのような目を押さえたくなるときの疲れを少しでも軽減するための方法についてお伝えしたいと思います。
テレワークのときに陥りやすい姿勢
デスクワークをするときやスマホなどをみるときに陥りやすい姿勢は頭部が体に対して前方へとシフトしストレートネックになってしまっている状態です。
そして作業に集中するあまり頭がどんどん前に前にと偏位してしまい、それが首の筋肉の負担につながってしまいます。
頭部前方位になるとどうなるのか
人間は無意識に姿勢の崩れに対してそれをどこか違う部位でそれを補おうとします。
例えば身体を左に倒していきます。
すると身体は左に倒れようとするため、バランスをとろうとして首は右に傾けて姿勢を保とうとする反応がでます。
このような反応を立ち直り反応といいます。
そこでテレワークで陥りやすい猫背姿勢は背中が丸くなり頭が前方に偏位してしまうため、目線は下を向くような状態になります。
しかし、パソコンなどの画面をみるために目線をあげる必要があるため、それを代償するために顎が上がり首を反らす反応がでます。
これは重力に対して頭部を垂直に保とうとする立ち直り反応がでたために起こります。
すると結果的に〇で示した首の後ろ側が短縮し硬くなることにつながります。
良くない座り方の一つに『仙骨座り』があります。仙骨座りについての記事はこちらにまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。
首の後ろにある筋肉
首の後ろにはたくさんの筋肉があります。
今回はその中でも目の疲れに関係性の深い「後頭下筋群」という筋肉についてお伝えしたいと思います。
後頭下筋群が硬くなることによってその周囲にある神経が圧迫されます。この圧迫される神経には大後頭神経、後頭下神経、小後頭神経などがあり、これらの神経は目を支配しています。そのため、後頭下筋群と目にはとても深い関係があります。
首についての記事はこちらに詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
後頭下筋群の特徴
後頭下筋群は首を動かすときや固定するときに作用します。
引用 – プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論/運動器系
目の動きは首の動きに影響する
まずはじめに目線を左に向けた状態で首を右に回してみよう。
次に目線を右に向けた状態で首を右に回してみましょう。
目を向けた方向に目線をやる方が首の回る角度が増えたと思います。
このように首をなめらかに動かすときは必ず目の動きが重要になります。
眼圧をリセットする方法
デスクワークなどでパソコンを長時間使用すると目線が画面に固定されるため、首の動きも硬くなり、結果的に首の筋肉も硬くなってしまいます。
このように長時間同じ姿勢で仕事をする人が硬くならないためのポイントは30分に一回身体を動かすということです。
そこでそのようなときに私が実際に行っている目と首の緊張を和らげる方法をご紹介します。
後頭下筋群を緩める
■やり方 首の付け根にある後頭下筋群をつまんだ状態で目線を動かしながら首をまわしてみてください。すると後頭下筋群が緩み、首の後ろの凝りがほぐれやすくなります。
後頭下筋群がほぐれると目の疲れも軽減しやすくなります。
胸骨の位置を意識する
■やり方 胸を少し持ち上げてみてください。細かく言うと図の〇で示した胸骨という骨を少し上に引き上げるようなイメージです。
すると前に突き出た頭部が身体の直上にもどりやすくなります。
私は普段姿勢が崩れたと感じたときはこのようなイメージで姿勢を戻します。頭の位置が身体の直上に戻ることで首にかかる負担が減り、結果的に目の疲れを軽減する効果が期待できます。
目を周辺を温める
■やり方 掌で目を軽く押さえてみてください。すると手の温度で目の周りにある眼輪筋の緊張がほぐれやすくなります。この状態で30秒キープします。
私が目を押さえたときは掌の中で目がゴロゴロ動くような感じがしてから緊張が抜けていくような感覚になります。
後頭下筋群をマッサージするときのポイント
頭蓋骨と首の間の溝を見つける
後頭下筋群をみつけるには次のポイントが大切になります。
頭蓋骨と頚椎の境目を探すことがポイントになります。
下図で示したのは(一)は頭蓋骨、(一)は頚椎の位置になります。
まず後頭部に手を当ててみましょう。硬い頭蓋骨の感触が分かるかと思います。
その手を少しずつ首の方にずらしていきます。
すると硬い頭蓋骨の感触から柔らかい筋肉の感触に変わるポイントがあります。
その境目のポイントに後頭下筋群がありますので、目を閉じた状態でそこを中心にマッサージをしてみてください。目の疲れに効果が期待できるかと思います。
またマッサージをするときは目を閉眼にした状態で行うことでよりリラックスしながら後頭下筋群を緩めることができます。
ぜひ首や肩周りが疲れたと感じた時にやってみてください。
最後に
皆さん、いかがでしたか。目の疲れと首の筋肉が影響しているのは意外だったと思います。
普段から目線を固定するような仕事もしくは生活をされている方は首の筋肉が硬くなってしまっている可能性があります。そんなとき自分でその疲れをコントロールする方法を知っておくと仕事の負担も少しは軽減することができるかと思います。
またその疲れが蓄積することで将来生じる可能性のある痛みに対しても結果的に防止することにつながります。
今日ご紹介した方法はご自身で簡単にできるものばかりですので、ぜひ思い当たることがある方は試してもらえたらと思います。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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