自宅でできる瞬発力を高める運動のやり方について現役理学療法士が解説します。

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はじめに

よく力をつけるために筋トレをする人はとても多いと思います。しかし、ただ筋肉をつけるだけではなかなか思うような動きができないことがあります。

動きの質を高めるためには筋力や持久力を鍛えるだけでは不十分なのをご存じでしょうか。実は動きの質を高めるとても重要な要素として『瞬発力』があります。この瞬発力を鍛えることによって軽やかな動きが可能となり、動作の質をさらに高めることができます。

そこで今回は自宅でも簡単にできる瞬発力を高める方法についてお伝えしたいと思います。

瞬発力とは

瞬発力とは瞬間的に大きな力を発揮する能力のことを言います。例えばジャンプ動作などがこれにあたります。

この瞬発力は単純に筋トレをすれば向上するものではなく、筋トレにある要素をプラスする必要があります。

ポイント

それは身体のバネの力を指し、細かく言うと運動の中に瞬間的に筋肉を伸び縮みするような動きを取り入れるという点です。

よく子供の運動会などで親も一緒に走る場面があるかと思います。このとき軽やかに走る方と、やけに足が重たそうに走る方がいますよね。

この両者の大きな違いは足のバネの力が関係しています。足のバネが使えない方は走ることはもちろん関節の衝撃吸収の力も低下してしまい、結果的にいろいろな動作に影響を与えてしまいます。

そのため、軽やかで身軽な動きを維持するためにはバネの力を高めることがとても大切になります。

筋トレのやり方に関してはこちらの記事でもまとめてありますので興味のある人はぜひご覧ください。

バネの力とは

筋肉には力を溜め込む作用とそれを放出する作用があります。

この作用をストレッチ・ショートニングサイクル(SSC)といい、バネの力を高めるために必要不可欠なものになります。

バネの力を発揮するためには筋肉に伸張性があり力をため込む能力が必要になります。

輪ゴムをイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、輪ゴムを引っ張るとピンっと張る感じになると思います。そして輪ゴムがより引っ張られることで輪ゴムを離したときにパチンっと力強く縮む力が強くなります。筋肉も同じように伸ばされたときに力が蓄えられ、縮むときにその溜めた力が効率よく発揮されることによって瞬発的な動きが可能となります。

この伸びた状態から戻ろうとする力がバネの力になります。そしてそれを別名「弾性エネルギー」といいます。

バネの力を高めるのに適した動き

バネの力を鍛えるのにとてもおすすめなのが『ジャンプ動作』になります。このジャンプ動作は筋肉に弾性エネルギーを蓄え、放出する練習にとても適した運動になります。では下図に示した2つのジャンプ動作を比較してみたいと思います。

立った状態でそのままジャンプ

一度しゃがんでからのジャンプ

どうしてしゃがんだ方が高く飛べたのでしょうか。

これはしゃがんだときに筋肉が伸びることで下半身に弾性エネルギーが蓄えられ、その力を飛ぶ力に変換したことが要因として考えられます。

ジャンプの際に重要になる筋肉

ジャンプをするときは少ししゃがんでから跳び上がると思います。このしゃがむ動作が筋肉にバネの力を溜めるコツになります。

チェック

ジャンプの際に主に働く筋肉はお尻の筋肉(大殿筋)、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)になります。

これらの筋肉がしゃがみこむことで伸長され筋肉に弾性エネルギーが蓄えられます。

そしてその弾性エネルギーを使い人間は高くジャンプすることが可能となります。

ジャンプで気をつけること

反動のあるジャンプは筋肉や腱に大きな負担をかけるため、必ず運動前にストレッチを行う必要があります。

そのため、動きが不慣れな方は最初は注意が必要になります。

特に足や膝に痛みのある方は最初はジャンプをせずに軽く踵を上げ伸びあがる動作や反動のないジャンプからはじめ、動きに慣れてきたら徐々に反動をつける練習に移行する形が良いと思います。

ジャンプをするときのポイント

しゃがむときは膝と足の位置関係を中間位で保ちます。

着地のときは膝を軽く曲げ、踵をわずかに浮かせて接地すると着地の際の衝撃を減らすことができます。

ジャンプがうまくできない方の原因について

ジャンプがうまくできない方は重心を落とす際にうまく力を下半身に溜め込むことができないことが原因となることが多いです。

その原因になりやすいポイントをお伝えします。

足底のアーチが低下している

人は立っているときに地面に接地している部位は足底になります。そのため、足底の環境はジャンプ動作に直接的に影響する部位となります。

足部は内側縦アーチ外側縦アーチ横アーチという3つのアーチを形成しています。

このアーチは足底に適切な張力を生み出し足部の安定性を高める役割があります。しかし、扁平足や外反母趾の方はこのアーチ構造が崩れ足底の安定性が高まりにくい状態となります。

するとジャンプ動作のおけるバネの力を足底から下半身へとつなげる力が衰えてしまいます。

膝が内側に入ってしまう  

チェック

股関節の外側につく股関節外転筋やお尻につく大殿筋や外旋筋群の筋力低下が影響しています。

膝が足より内側に入っている
膝と足の向きが合っている

骨盤の前傾が少ない

チェック

体幹の安定性が低く、腹圧のコントロール不足が影響しています。

骨盤の前傾が不十分
骨盤の前傾がしっかりできている

膝の曲がりが少ない

チェック

ふくらはぎなどの筋肉が硬いことで足関節の動きに制限があることが影響しています。

下腿がしっかりと前に倒れていない
下腿がしっかりと前に倒れている

バネの力を高めるメリット

身体の弾性エネルギーを効率よく使えることで以下のようなメリットがあります。

  • 動きが軽やかになる
  • バランス能力が高くなる
  • 関節への衝撃を和らげることができる

この中でも特に動きが軽やかになるためにはバネの力を意識したトレーニングがとても重要になります。最近身体の動きが重たく感じるという方はぜひ今回ご紹介するトレーニングをご自宅で始めてみましょう。

自宅でできるバネの力を高めるトレーニング方法

今回ご紹介するのは下半身のバネの力を高めるための運動方法になります。

アンクルホップ

比較的強度の低いものから紹介します。

ポイント

このエクササイズを行うことによってふくらはぎの瞬発的な筋力を高めることができます。

まず両足を腰幅〜肩幅に開き腰に手を置き直立姿勢になります。
足関節だけを使い踏み切りその場で跳ね上がります。
開始姿勢で着地し同じ動作を繰り返します。
この動きを30回1セット×2を目標に行いましょう。

スキップ

片脚の股関節と膝関節を90度に曲げ前上方にジャンプします。そのとき反対側の腕もしっかり振ります。ジャンプした側の脚でそのまま着地し、反対側の脚でも同じ動作を行います。この動きを左右交互に行なっていきます。
この動きを左右交互に30回1セット×2を目標に行いましょう。

スクワットジャンプ

ポイント

こちらのエクササイズは下半身の瞬発的な筋力を高めることができ、前に紹介した2つのエクササイズよりも下半身にかかる負担が増えます。

両脚を腰幅から肩幅程度に開き、上体をまっすぐに伸ばした姿勢で両腕を頭の後ろに組みます。股関節と膝関節を曲げたらつま先と膝を同じ方向に向けた姿勢で静止します。
股関節、膝関節、脚関節を瞬発的に伸ばして垂直方向に跳びます。
この動きを30回1セット×2を目標に行いましょう。

シザースジャンプ

ポイント

こちらのエクササイズも下半身の瞬発的な筋力を高めることができ、さらに片脚での瞬発的な筋力発揮を促すことができます

しかし、とても下半身に負担がかかりますので痛みなどがある方は実施を控えてください

両脚を腰幅に開き前後に大きく広げ、上体をまっすぐ伸ばした姿勢で両腕を頭の後ろに組みます。前側の脚の膝関節が90〜130度程度になるように股関節と膝関節を曲げ、後側の脚はつま先を床面に着けます。
静止姿勢から前後の脚を瞬発的に伸ばし垂直方向に跳びます。
前後の脚を最高跳躍地点で脚を入れ替えます。
脚を曲げ衝撃を緩衝させながら着地します。この動作を交互に繰り返しながら行っていきます。
この動きを左右交互に20回1セット×2を目標に行いましょう。

最後に

皆さんいかがでしたか。普段ジャンプをする機会なんて滅多にないと思います。歳を重ねるごとに無理な動きが難しくなり、そしてやらなくなります。

何か物を飛び越えたり、高いところからジャンプしたりと子供の時は何も考えずにできていたことが、歳をとるとケガが恐くてなかなかできなくなりますよね。

また無理にやろうとすると大怪我の原因にもなります。そういったことを防ぐには普段から自分の身体の状態を知りケアしておくことが大切です。

身体が重たいと感じる方やもっと軽やかに動きたいという方はぜひ参考にしていただけたらと思います。

本日もご覧いただきありがとうございました

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