お尻の下のたるみを効率よく落とし脚を長くみせる方法について現役理学療法士が解説します。

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はじめに

年齢を重ねるごとにボディラインは崩れやすくなります。その中でも特にボディラインの崩れを自覚しやすい部位が『お尻』になります。

日本人は床に座る習慣があるため骨盤の位置が崩れ殿部の筋力が衰えやすい傾向があります。

すると見た目において

お尻がたるんでみえる

足が短くなったように感じる

などの変化を自覚しやすくなります。

そこで今回はお尻の中でも特にたるみを自覚しやすい下側のお尻を引き締めるコツについてお話したいと思います。

お尻がたるむとは

お尻は身体の中でも特にたるみを自覚しやすい部位の一つになります。

理想のお尻はトップが少し上を向き、丸く引き締まった形が理想的だと思います。しかし、さまざまな要因によってお尻の力が衰えるとお尻にある大殿筋の筋力が低下してしまいます。

すると理想のお尻の形から徐々に逸脱した形へと変化してしまいます。

ポイント

そしてお尻の形が変化する中で最も見た目に影響しやすいのが下殿部になります。

この下殿部は大腿部と殿部の境目を作るためのとても重要な部位になります。そのため、下殿部にある筋肉が衰えることで殿部と大腿部の境が不明瞭となり足が短くなったように感じてしまいます。

下殿部を形成する筋肉

下殿部を引き締めるためには下殿部にある筋肉を知る必要があります。皆さんは数ある筋肉の中で『大殿筋』という名前は一度は耳にしたことがあるかと思います。この大殿筋はお尻の形を作るとても重要な筋肉になります。そして下殿部の形を形成する筋肉もこの大殿筋になります。

大殿筋の特徴

起始:仙骨と尾骨の後面,腸骨後方の後殿筋線の後部,胸腰筋膜

停止:腸脛靭帯の近位部,殿筋粗面


神経支配:下殿神経(L5,S1,S2)

作用:股関節伸展,股関節外旋,股関節外転,股関節内転

ここで一つポイントになるのが大殿筋は上部と下部に分けられるということです。

ポイント

上部に存在する大殿筋を大殿筋上部線維

下部に存在する大殿筋を大殿筋下部線維

といいます。

そのため、お尻の下側の引き締めるためには大殿筋下部線維に刺激を入れる必要があるということです。

他にも筋トレについての記事を載せておりますので、興味のある人はぜひこちらの記事もご覧ください。

大殿筋群下部線維がはたらきやすい位置

大殿筋下部線維にはいくつかの特徴があります。そしてその特徴を理解することで効率よく大殿筋下部線維に刺激を加えることができます。

まず大殿筋には上記でも説明したように股関節の伸展・外旋・内転・外転の作用があります。

大殿筋下部線維に効率よく刺激を与えるためにはこれらの動きをしっかりと意識しながらエクササイズをすることがポイントなります。

ポイント

そしてこの動きを意識するときにとても重要になるのが、下半身が地面に着いた状態なのか、それとも浮いている状態なのかという点です。

臀部の筋力が衰えやすい原因の一つに長時間の座位姿勢があります。長時間臀部に圧迫が加わることで臀部の血行が低下し、筋肉が硬くなることにつながります。こちらの記事に座り方のコツについてまとめてありますので、興味のある人はぜひご覧ください。

CKCでの大殿筋下部線維

足が地面に着いた状態とは例えば、立位のような状態を指し閉鎖運動連鎖(CKC:closed kinetic chain)といいます。

閉鎖運動連鎖(CKC)は「クローズド キネティック チェーン:closed kinetic chain」のことを指します。連動する関節のうち、遠位部の自由な動きが外力によって制限(固定)されているような場合の運動と定義されており、「閉鎖運動連鎖」とも呼ばれます。

CKCエクササイズは、カラダの末端部分が床などに接した状態で、固定されたものを指します。ベンチプレスやチェストプレスがOKCであるのに対して、プッシュアップ(手が地面に固定されていて動かず、肘の曲げ伸ばしを行っている)はCKCのエクササイズになります。

ポイント

そしてCKCの状態で大殿筋下部線維をはたらかせるポイントは外転・伸展・外旋の複合動作を意識することです。

外転
伸展
外旋

OKCでの大殿筋下部線維

反対に地面から足が離れている状態を開放運動連鎖(OKC:open kinetic chain)といいます。

開放運動連鎖(OKC)とは「オープン キネティック チェーン:open kinetic chain」のことを指します。連動する関節のうち、遠位部の関節が自由に動くことができる場合の運動と定義されており、「開放運動連鎖」とも呼ばれます。OKCエクササイズは、簡単にいえばカラダの末端部分(足や手)が固定されていないものを指します。

たとえば胸を鍛えるエクササイズならば、ベンチプレスやチェストプレス(体幹部が固定されていて、手を動かしている)などはOKCになります。

ポイント

そしてOKCの状態で大殿筋下部線維をはたらかせるポイントは内転・伸展・外旋の複合動作を意識することです。

内転
伸展
外旋

大殿筋下部線維を鍛えるエクササイズ

それでは大殿筋下部線維に効率よく刺激を加えるエクササイズをご紹介したいと思います。

ヒップエクステンション(四つ這い)

この四つ這いの姿勢は力を入れる際下半身が地面から離れているためOKCエクササイズになります。

まず四つ這いになります。そのまま股関節を伸展させながら持ち上げていきます。
このときのポイントは股関節をやや内転させながら伸展することでより大殿筋下部線維に刺激を加えることができます。この動きを左右20回ずつ行います。

ヒップエクステンション(立位)

この立位の姿勢は下半身が力を入れる際地面から離れているためOKCエクササイズになります。

まず壁に両手を付き、壁を押すようにして体幹を安定させます。
次に片足を内転させます。
内転させたまま片脚を後方へと持ち上げていきます。この動きを左右20回ずつ行います。

ブリッジ(ワイドベース)

このブリッジの姿勢は足底が地面に着いているためCKCエクササイズになります。

まず足を外転させた状態で膝を立て、仰向けになります。
足を開いた状態で足底で地面をしっかりと押しながら臀部を持ち上げていきます。この動きを20回行います。

スクワット(ワイドベース)

この立位の姿勢は足底が地面に着いているためCKCエクササイズになります。

足を外転させた状態で立位になります。
次に足をやや外捻じり(外旋)させたままゆっくりとスクワットをします。このとき必ずつま先と同じ方向に向かって膝が曲がっていくように意識をしながら行いましょう。この動きを20回行います。

最後に

皆さんいかがでしたか。

筋肉はそれぞれ役割や特徴があります。そのため、ただやみくもに筋トレをしても思うような効果が出ないことがあります。

そのようなとき、筋肉の細かな特性を理解し筋トレを行うことで最大限にその効果を高めることができます。

今後も皆さんのお身体の悩みを解決するための情報発信をしていきますので楽しみにしていてください。

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