はじめに
皆さんはギックリ腰の経験はありますでしょうか。ないという方も少し腰が痛くなったり不安になったことは一度はあると思います。
インナーマッスルが弱くなる原因としてもっとも多いのが猫背のような不良姿勢になります。インナーマッスルは別名『姿勢保持筋』といい、良い姿勢になる程その力を発揮します。
しかし、慢性的に姿勢が悪くなることでインナーマッスルの力が弱くなりさまざまな関節に負担がかかりやすい状態となります。
そこで今回はそのインナーマッスルに刺激を入れる簡単な方法をご紹介したいと思います。
骨盤中間位の基準
骨盤には上前腸骨棘(ASIS)と上後腸骨棘(PSIS)という突起が存在します。この二つの突起を目印にして骨盤の正しい位置を見つけることができます。
骨盤の正しい位置は立った時に上前腸骨棘(ASIS)が後上腸骨棘(PSIS)より1横指下にある位置が骨盤の正しい位置になります。
なので骨盤が少し前傾しているくらいが骨盤の中間位ということになります。
●:上前腸骨棘 ●:後上腸骨棘
骨盤とインナーマッスルと関係性
インナーマッスルは主に下腹部にあります。そのため、下腹部を支える骨盤の位置がインナーマッスルの活動においてとても重要になります。
骨盤のニュートラルポジションについてはこちらの記事に詳しくまとめてありますので、ぜひご覧ください。
骨盤前後傾による骨盤底筋への影響
骨盤前傾位
ヒールを履く女性に多い骨盤前傾位の方は胸を張りすぎてそれに引っ張られるように骨盤が前傾してしまいます。この状態だと背部が潰れてしまい、骨盤底筋が十分に引きあがらなくなります。
骨盤後傾位
スマホやパソコンを良く使用する人に多いのが骨盤後傾位の方です。背中が丸まり首や肩が内側に入っている人を指します。お腹のアウターマッスルが働きやすくなり、インナーマッスルの活動が十分に起こらなくなります。
また歪みがあることで骨盤底筋も途中までしか上がらず正しく締めることができなくなります。
まずは骨盤中間位を作れるように練習しよう
骨盤の中間位を意識するためには骨盤のASIS(上前腸骨棘)と恥骨の場所を知る必要があります。
骨盤の中間位は立位において左右ASISと恥骨を結んでできた面が地面の垂直になる位置が骨盤の中間位となります。
骨盤底筋の付着場所
※この図は骨盤を下側から写した画像になります。上の●が恥骨、左右二つの●が坐骨、下の●が尾骨になります。
骨盤底筋はインナーマッスルを発揮するためのスイッチ
骨盤の中間位を作った状態で骨盤底筋の意識をすることでよりインナーマッスルのスイッチが入り、より効果を高めることができます。
では骨盤底筋の意識の仕方についてです。
以下のような状況に遭遇したときその動作の直前にお尻の穴を少し引き上げるようなイメージを持ってみてください。
例えるならお尻の穴でティッシュを引っ張るようなイメージです。すると骨盤底筋を介してインナーマッスルに刺激が入りお腹の圧が高まります。
こちらの記事に骨盤底筋に刺激を入れるコツについてまとめてありますので、興味のある方はぜひこちらの記事もご覧ください。
私が思う骨盤底筋の本当にすごいところ
骨盤底筋の本当のすごさはただインナーマッスルに刺激を入れるところだけではありません。
一番のすごいところはインナーマッスルが発揮するためのきっかけを作りながら、それ以降は骨盤底筋に意識を向けなくても、インナーマッスルが持続的に安定するところにあります。
では一度座りながらお尻の穴を少し頭側に引き上げるようにイメージしてみましょう。すると下腹部が少し凹むのがわかるかと思います。この状態が腹圧が高まった状態になります。
次にお尻の穴から意識をそらしてみてください。先ほど凹んだ下腹部がまだ持続的に保たれているのがわかるかと思います。このように骨盤底筋は腹圧を高めるための最初のきっかけを作りながら、それ以降も持続的に腹圧を高める手助けをしているのです。
骨盤底筋を意識すると良い日常生活でよく行う3つの動き
ぎっくり腰にもなりやすい重たいものを持ち上げる動作
重たいものを持ち上げるときに腰が痛くなったという経験がある方は多いと思います。これは重たいものを持ち上げる際本来無意識下で入るはずのインナーマッスルがうまく機能せず体幹が不安定な状態で持ち上げようとしたために起こります。
そのため、物を持ち上げる直前にお尻の穴を頭側へ少し引き上げる意識を持つと下腹部が安定します。この状態を作った状態で持ち上げることで腰部の負担が大幅に経験します。
不安定な場所でバランスをとるとき
不安定な場所では身体の動揺が大きくなることでバランスを崩す原因となります。
例えば細い道を歩くときや高いところで作業をしている時などはバランスをとることに意識を集中すると思います。
そんなときに骨盤底筋を意識することで体幹が安定し身体が動揺するのを軽減をすることができます。
片脚立ちになるとき
片脚立ちは簡単そうに見えて意外にできない方が増えております。一般的に片脚保持時間が15 秒以下だと転倒リスクが高くなるといったデータもでております。
日常生活で片脚立ちになる場面で一番多いのがズボンを履くときです。いつも立った状態でズボンを履くときにバランスが崩れる方は注意が必要です。
このようなときも片脚立ちになる前に骨盤底筋を意識することで片脚立ちの安定性が高くなります。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。普段お尻の穴を意識することはないと思います。現代では不良姿勢の方が増え、骨盤底筋の意識が高まりづらい身体のが増えました。ほんの少しの意識の違いで身体の使い方は大きく変わります。実際にお腹に力を入れたい時などにこの記事を読んで少しでもそのお役に立てたら嬉しいです。
本日もご覧いただきましてありがとうございました。
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