はじめに
少子高齢化に伴い理学療法士という仕事は今の日本にとってとても重要な仕事の一つになりつつあります。
それに伴い、日本では理学療法士の数が年々増えてきております。
しかし、数が増えることによって理学療法士という職種の価値が下がってきているという現実があり、私自身もその流れをひしひしと感じています。
そのため、今の理学療法士は
なかなか給料が増えない
やりがいと給料が結びつかない
どのようにして自分の価値を高めればよいのかわからない
というような悩みを抱えている理学療法士がとても多いと思います。
その中で私は今理学療法士としての仕事の傍らピラティスインストラクターとしても活動をしており、やりがいやそれに伴うお金の問題も解消できています。
そこで今回は私自身の体験をもとに理学療法士がピラティスを習うことでどのように可能性が広がるのかついてお話ししたいと思います。
理学療法士とピラティスの相性
理学療法士として仕事を始めたころ
理学療法とは身体に障害を負った人に対して運動療法を行う職種を指します。そのため、身体の構造を理解するだけではなく、それによってどのような問題が生じているのか、またそれを改善するためにはどのような方法(筋力や可動域、運動方法など)が適しているのかを判断する力を理学療法士は持っています。
しかし、私が理学療法士の国家資格を取得した段階では基礎的な解剖学や生理学は学んでいましたが、細かな身体の動きや適切なエクササイズを選択する能力はありませんでした。
そのため、患者をみるときにこちらの意図する動きを誘導できなかったり、そもそもどのような運動が適切なのかを考える力も養うことがなかなかできませんでした。
理学療法士4年目でピラティスとの出会い
患者にうまくこちらの意図することを伝えることができないと感じていたころ職場の先輩に『ピラティス』というものがあるよと教えていただきました。
これは私が理学療法士として仕事をしてから4年目のことでした。
ピラティスはもともとリハビリという分野から作り出されたもので、その創設者は1883年生まれのドイツ人ジョセフ・H・ピラティス氏です。
ピラティス氏は収容されていた人々に、自らの手で開発したエクササイズの指導を始めました。
さらに、ベッドのスプリングを活用してトレーニング器具も自作し、負傷した収容者へのエクササイズ指導も行いました。このようにしてピラティスの元が誕生したのです。
そのため、ピラティスはもともとリハビリという観点の中から生まれたため、リハビリを仕事とする理学療法とはとても相性が良いのです。
ピラティスをすることで養われる要素
私がピラティスを習ったことでもっともよかったと思う点はエクササイズの数と動きの伝え方を学べたことにあります。
いくらこちらの頭の中に理想の動きやエクササイズの方法があったとしても、それを患者に伝えてこちらの思考を共有することができなければ何の意味もありません。
そのため、こちらのイメージする頭の思考を共通し体現するツールとしてピラティスはとても理学療法と相性が良いのです。
思考の伝え方
思考の伝え方をピラティスでは『キューイング』といいます。
キューイングには大きく分けて3つの種類があります。このキューイングを意識することで治療技術が格段に上がります。
➀バーバルキューイング:言葉によるキューイング
②イメージキューイング:何かに例えることによるキューイング
③ビジュアルキューイング:実際に見本や例をみせるキューイング
例えばエクササイズの一つでもあるキャットカウという動きがあります。
こちらは背骨や肩甲骨、骨盤の柔軟性を引き出すのにとても良いエクササイズの一つになります。
しかし、意外にこの動きを説明するのは難しく理学療法士でも苦戦することがよくあります。
この動きをキューイングを使ってより理解しやすく伝えてみたいと思います。
キャットカウのバーバルキューイング
まず背骨を丸くするための声掛けの例です。
手で地面を押し背中を天井にか向かって持ち上げてみましょう。また、お尻にある尾骨を地面に突き刺すようなイメージで骨盤を立てて首の付け根からお尻の割れ目までしっかりと丸いアーチを作ります。
次に背骨を反っていくための声かけの例です。
お尻を天井に向かって突き出し、胸にある鎖骨を左右に開きながら目線を前に持っていき背骨全体を反っていきます。
キャットカウのイメージキューイング
まず背骨を丸くするための声掛けの例です。
・大きな虹を描くように背骨を丸くしてみましょう。
・みぞおちからアッパーをされるようなイメージで背中を丸くしてみましょう。
次に背骨を反っていくための声かけの例です。
背中の上からお相撲さんに押されるようなイメージで背中を反ってみましょう。
キャットカウのビジュアルキューイング
こちらは文字通りインストラクターが実際にその動きを見せて真似をしてもらいます。そのため、インストラクターは自分自身の身体のメンテナンスも怠らずに継続してケアすることがとても重要になります。
このように一つのエクササイズでもさまざまな伝え方があり、一人一人の患者にあった伝え方を考えることがとても大切になります。
そのため、さまざまな伝え方の引き出しを持つために理学療法士はピラティスという武器を手に入れることがとても私はおすすめだと思います。
ピラティスを始めてみたい理学療法士の人はぜひこちらの記事もご覧ください。
理学療法士がおすすめするピラティスKの魅力(口コミ)について解説します。 (naizo-kozo.com)
最後に
皆さんいかがでしたか。特に理学療法士として何か飛躍したいと考えている人は今回の記事を読んでピラティスに少しでも興味を持っていただけるととても嬉しいです。
これからも私自身が経験した皆さんのお役に立つ情報をお伝えしたいと思いますので楽しみにしていて下さい。
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