はじめに
内臓下垂は内臓を正しい位置で支えているインナーマッスルが働いていないことが原因として挙げられます。しかし、そもそもどうしてインナーマッスルがはたらきにくくなってしまうのでしょうか。
その要因として大きいのは肋骨と骨盤の間にある腹腔というスペースが減少してしまうことにあります。
そこで、今回は内臓下垂を改善するために必要なインナーマッスルを活性化しやすくするための身体の作り方のポイントについてお伝えしたいと思います。
腹腔内のスペース
腹腔内にあるインナーマッスルには腹横筋、多裂筋、骨盤底筋、横隔膜があります。

この4つの筋肉が相互に作用しあいながら肋骨と骨盤の間にある空間の安定性を生み出しています。
腹腔内を拡げるには背骨のココをみろ
腹腔内の空間を広げるために重要なのは青色で示している「胸椎」という部分です。

胸椎は他の部位と異なり背骨が後方に曲がっています。そのため、背中が丸い方はこの胸椎の伸びる動きが減少し、腹腔内のスペースが減少してしまいます。
そして・・・
腹腔内のスペースが減少することでインナーマッスルの働きが低下し、結果的に内臓下垂になりやすい状態となります。
内臓下垂がみられる方はどうしても下腹部がぽっこりしやすいといった特徴があります。そのような悩みがある方はまず骨盤の位置を適切な位置にもどすことがとても大切になります。
『お腹周りが気なるという方必見。骨盤の位置を意識して下腹部を綺麗に見せるコツについて。』はこちらからご覧ください。
『ぽっこりお腹の原因は腸の捻じれ?骨盤の位置を戻し下腹をきれいにする方法について。』はこちらをご覧ください。
内臓下垂による身体の不調
冷え性
内臓が下垂すると腹部の下で内臓同士が押しつぶし合うような状態になってしまいます。
そうなることで内臓だけでなくその周りの筋肉なども血流が低下し冷えやリンパの滞りの原因になります。
お腹の冷えに対しては小腸のケアがとても大切になります。冷え症でお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
『お腹の冷えに効く小腸ストレッチの方法について内臓ストレッチインストラクターが解説します。』はこちらからご覧ください。
肥満
内臓下垂による冷えや内臓の働きの低下は基礎代謝を悪くします。
基礎代謝が低下するということはエネルギーを効率的に消費することができなくなるということです。
結果的に脂肪が付きやすくなり、痩せにくく太りやすい体になってしまいます。
脂肪を効率良く燃焼するための記事はこちらになります。
『太っていて体臭が気になるという方におすすめな内臓脂肪燃焼に効く運動のやり方について。』はこちらからご覧ください。
消化不良や胃のむかつき
胃の位置が下がる胃下垂になると消化不良を起こしやすくなります。
そのような状態が続くことで胃もたれや胃のムカつきを感じるようになります。
肋骨の硬さがある方は内臓下垂のリスクが高まります。『肋骨の開きが狭い方は胃下垂のリスクが高い。自身で肋骨の広がりを確認してみよう』はこちらからご覧ください。
便秘
下がってきた内臓に腸が圧迫されると形が歪み、腸の動きが悪くなることで便秘になりやすくなります。
内臓下垂による下腹ぽっこりに便秘が重なるとさらにお腹が出てしまいます。
また腸内環境も悪化することで肌荒れなどのトラブルにもつながります。
便秘気味で腸の動きが悪いと感じている方は腸の動きを良くするためのストレッチがとても大切になります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
『猫背は便秘のもと。毎朝快便になるための腸のほぐし方について。』はこちらからご覧ください。
生理痛や不妊症
内臓下垂では腸だけでなく骨盤腔内にある子宮や卵巣も押しつぶされてしまいます。
圧迫されることで子宮や卵巣は血行不良となり、結果的に生理痛が悪化したり不妊症の原因になる可能性があります。
生理痛など女性特有の悩みをお持ちの方は子宮・卵巣周りの循環を高めることがとても大切になります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事がおすすめの内容になっています。
『生理痛や生理不順でお悩みの方必見。良くない3パターンの基礎体温の状態を知り、自宅でも簡単にできる卵巣ケアの方法について。』はこちらからご覧ください。
インナーマッスルを活性化する胸椎伸展エクササイズ
それでは腹腔内のスペースを広げるために今回は胸椎の伸びを引き出すエクササイズをご紹介したいと思います。
まずストレッチポールを肩甲骨の下側(肩甲骨下角)につく位置に置きます。この状態で息を大きく吸って準備をします。

次に息をゆっくり吐きながら背中をストレッチポールの上に乗せていくようなイメージで上体を反らしていきます。

背骨を反るとちょうどストレッチポール上に胸椎がのると思います。この状態でゆっくり呼吸をすると徐々に胸椎の動きが改善し身体が伸びてくるのが分かるかと思います。
この運動を呼吸を止めずに30秒から60秒ほど行います。
※上体を反った際に腰や肩が痛くなる場合は無理に実施しないでください。
続いて2つ目になります。
まず正座の状態でストレッチポール上に掌が上を向くようにして置きます。

この状態でゆっくり殿部を持ち上げながら手でストレッチポールポールを前方に転がしていきます。そうすると背骨が反り胸椎の伸びを感じることができると思います。

またこの姿勢で胸をベッドに近づけるように下げていくことで、さらに胸椎が伸びる感覚が得られるかと思います。
この一連の動作を息を止めずにゆっくり30秒から60秒程行ってください。
この姿勢は骨盤が体幹より高い位置にありますので、重力の力で内臓を上に持ち上げ、内臓下垂改善の効果も期待できます。
※もし手を上げた時に肩が痛い方は無理に実施しないようにしてください。
ストレッチポールを使用してなで肩を解消したいという方はぜひこちらの記事もご覧ください。
ストレッチポールを利用して、なで肩を改善する方法について。はこちらからご覧ください。
私が使用しているストレッチポールはこちらのものになります。
こちらのストレッチポールEXの芯材は、強度と粘度に優れたEPEを採用しています。EPEは、耐久性はもちろんのこと、ストレッチポールに当たる身体の部位を適度な反発力で押すことにより、最大限の効果を引き出すことができます。いろいろなストレッチポールを試しましたが、こちらの商品が一番身体に負担がなく、効果を実感することができましたのでとてもおすすめ商品になります。
また、肌触りがとても良く、大きさもちょうど身体にフィットするのでとてもおすすめです。
胸椎伸展後は腹腔のスペースを維持しながらエクササイズ
胸椎を伸展することによって腹腔内のスペースが広がります。腹腔内のスペースの目安は肋骨下と骨盤の腸骨稜の間に指が4本入るのが目安になります。

腹腔のスペースを維持しながら体幹を安定させることによって内臓を正しい位置にとどめた状態で維持することができます。
一つ目:シングルレッグストレッチ
腹腔のスペースを維持するよう意識しながら片方の足を身体に引き寄せ、もう片方の足を伸ばします。この足の動きを交互に連続して行うことによって腹部と脇腹の筋肉を安定させることができます。この運動を30回2セットを目標に行います。

2つ目:ブリッジ
腹腔のスペースを維持しながらブリッジを行うことによって腹部と背部の筋肉を安定させることができます。 この運動を30回2セットを目標に行います。

ご自宅でも簡単にできる体幹トレーニングについてはこちらの記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
終わりに
最近は姿勢が悪いことがコンプレックスという方が増えてきております。
しかし、姿勢が悪いというのは見た目だけではなく、身体のさまざまな不調をきたしやすくなります。外見だけではなく、身体の内側から健康になれるようこれからもおすすめの運動や情報を発信していきたいと思います。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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