股関節を動かすとポキポキ音が鳴るときの治し方について現役理学療法士が解説します。

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はじめに

股関節を動かす際にポキポキと音が鳴ったことがあるという経験をした方は比較的多いと思います。

質問する人
質問する人

立ち上がるときに足の付け根からよく音がするんだけど大丈夫かな。

足の付け根には股関節があるからそこから音が鳴っているのかもしれないね。今回は音の鳴る原因についても話していくね。

この音はいっけん骨が鳴っているような気がしますが、実は股関節の周りにある筋肉や靭帯が原因となっていることがほとんどです。

ですが、私自身一度高校生の時にサッカー中に股関節を骨折した経験があり、このときは明らかに『ボキッ』と音がしたのを覚えています。

このような例外もありますが、今回は比較的多くの方に当てはまる股関節のポキポキと音が鳴る原因や対処法についてお伝えしたいと思います。

どうして筋肉や靭帯が鳴るのか

関節が動くときその周りにある筋肉や靭帯は滑走するようにして動きます。この動きがあることで関節運動が滑らかに動くことができます。

しかし、さまざまな原因によりこの筋肉と靭帯の滑走性が低下すると股関節を動かした際に関節が滑らかに動かずこれらの組織と股関節の間で擦れるような状態になってしまいます。

そしてこの擦れる状態がポキポキと音が鳴る原因になります。

筋肉や腱が硬くなる原因

筋肉や靭帯が硬くなる原因には大きく分けて3つあります。

運動不足

過度な運動

器質的に股関節に問題がある

今回はこの中の運動不足、過度な運動における股関節への影響についてお話しします。

なぜ筋肉と靭帯に負担がかかるのか

まず筋肉に負担がかかる原因としては多いのが

筋肉の使い過ぎや反対に使わな過ぎによる影響がとても大きいです。

過度なスポーツをされる方

運動不足

毎日同じ動きをする方

姿勢が悪く筋肉の使い方が良くない方

このようなことが当てはまる人は特定の筋肉に過度に負担がかかっている可能性があります。すると筋肉や靭帯の滑走性が低下し股関節に影響を及ぼす原因となります。

また靭帯に負担がかかっている場合は股関節の付け根に違和感がある場合が多いです

このような症状がある場合は股関節周囲の筋肉の柔軟性や出力が低下し付け根にある靭帯に過度な負担がかかっている可能性があります。

股関節にお悩みのある方はぜひこちらの記事もご覧ください。

股関節の周りにある組織

股関節の役割は主に歩いたり、走ったりするのにとても大切になる支持機能になります。

そして股関節は下半身で生み出した力を上半身へと伝える要になります。

そのため、股関節の周囲には多くの靭帯と筋肉が存在し、それらが股関節を強固に安定させる役割があります。

股関節の支持機能を高めるためには片脚支持での安定性を高めることが重要になります。安定した支持機能を高めたいという方はぜひこちらの記事もご覧ください。

股関節の周りにある靭帯

腸骨大腿靭帯

腸骨大腿靭帯は別名『Y靭帯』ともいわれ、主に股関節の前面の安定性を担う靭帯になります。この靭帯は腸骨と大腿骨を結ぶとても強い靭帯で、主に股関節の伸展や外旋を制動するようにはたらきます。そして、股関節屈筋群の緊張が高い状態が続くと腸骨大腿靭帯は短縮し滑走性が低下しやすくなります。

恥骨大腿靭帯

恥骨大腿靭帯は股関節の前下面の安定性を担う靭帯で、腸骨大腿靭帯の内側の線維と混合しています。この靭帯は恥骨と大腿骨を結ぶ靭帯で股関節の外転、外旋、伸展を制動するようにはたらきます。

坐骨大腿靭帯

坐骨大腿靭帯は股関節の後面の安定性を担う靭帯になります。この靭帯は坐骨と大腿骨の大転子を結ぶ靭帯で股関節の外転、内旋、伸展を制動するようにはたらきます。また、この坐骨大腿靭帯の上部線維は最大内転時に、下部線維は屈曲時にも緊張します。

これらの靭帯の滑走性が下がることによって股関節を動かしたときのポキポキ鳴る原因になります。

股関節の周りにある筋肉

股関節の周りにはとても多くの筋肉が存在します。その中でも股関節の動きによく関わる筋肉を並べてみたいと思います。

腸腰筋
ハムストリングス
殿筋群・外旋筋群
内転筋群

股関節にとても影響を与える筋肉としてよく知られているのが次の筋肉になります。

・腸腰筋

・ハムストリングス

・外旋筋群

・殿筋群

・内転筋群

これらの筋肉の滑走性が下がることによって股関節を動かしたときのポキポキ鳴る原因になります。

股関節の動きをみるときのポイント

2023年12月30日追記

私が患者の股関節の動きをみるときに意識するポイントについてお話しします。

まず股関節の動きをみるとき関節内で大腿骨頭がスムーズに内外旋の動きが出ているのかがとても重要になります。

そしてその動きに制限がある場合股関節のどの部位にその制限因子があるのかを意識してみることによって股関節のアプローチする方法が変わってきます。

私がいつも股関節の動きをみる中で見るポイントは

鼠径部

大転子周囲

股関節後方組織

の3つになります。

このポイントの中でどこの動きが一番硬いのかをみることによって股関節の制限因子を見つけるヒントになります。

ぜひ一度これらのポイントをみて股関節の評価を行ってみてください。

股関節を柔らかくするためのストレッチ

腸骨大腿靭帯のストレッチ

■やり方
伸ばしたい側の股関節を伸展することによってストレッチすることができます。このとき腰を反らないように注意しながらストレッチするとより効果的に腸骨大腿靭帯をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

恥骨大腿靭帯のストレッチ

■やり方
股関節を外側に捻じりながら外に開くことで効率的に恥骨大腿靭帯をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

坐骨大腿靭帯のストレッチ

■やり方
股関節を内側に捻じりながら外側に開くことで効率的に坐骨大腿靭帯をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

腸腰筋のストレッチ

腸腰筋のストレッチ
■やり方
片脚を前につき、もう片側の足を後ろに伸ばします。この状態でゆっくりとお尻を地面に向かって押し下げるようにすることで腸腰筋をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングのストレッチ
■やり方
仰向けの状態で片側のもも裏を持ちます。次に天井に向かって膝を伸ばせるところまで伸ばすようにすることによってハムストリングスをストレッチすることができます。 

■時間
30秒から60秒

外旋筋群のストレッチ

外旋筋群のストレッチ
■やり方
仰向けの状態で伸ばしたい側の膝を反対側の手で持ち、内側にゆっくりと倒していきます。そうすることでお尻の深層にある外旋筋群をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

殿筋群のストレッチ

殿筋群のストレッチ
■やり方
まず仰向けになり、お尻を伸ばしたい側の足を反対側の膝に乗せます。そうしたら下側にある足のもも裏を持ち、身体に足を引き寄せることでお尻をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

内転筋群のストレッチ

内転筋群のストレッチ
■やり方
しゃがみ込んだ状態で片足を横に広げていきます。このとき広げた側のつま先を天井に向けることでより内転筋をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒

最後に

股関節から音が鳴るのは心配ですよね。今は目立った痛みがなくてもこの状態が蓄積することで将来股関節の痛みに繋がる可能性もあります。また、股関節の周りにある組織が損傷してしまうとなかなか改善することは難しくなります。

この記事を読んで痛みがないうちから股関節のケアを行うようにしましょう。

今後も皆さんの身体の悩みを解決するための記事をまとめていきますので、ぜひご覧ください。

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