はじめに
皆さんは綺麗なお腹に憧れたことはありますか。憧れたことがある方は必ず一度は腹筋運動をやったことがあると思います。
お腹周りをスッキリするために腹筋運動はよくやってるよ。でもたまに腰が痛くなるんだよね。
腹筋は簡単にできるようにみえて意外と注意する点が多いんだよ。
腹筋運動は手軽にどこでもできるといったメリットがある一方で、やり方を間違えるとかえって身体に悪影響を及ぼす可能性のある運動でもあります。
そこで今回は正しい腹筋運動をお伝えしながら反対に間違った腹筋の仕方が実は腰痛や内臓下垂の原因になってしまうということについてもお伝えしたいと思います。
お腹にある筋肉とは
お腹の前側には次の4つの筋肉が存在します。
腹直筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腹横筋
この中で腹直筋は肋骨と恥骨に付着する筋肉になります。この筋の作用は主に体幹の屈曲(丸く曲げる)になります。
お腹が少しぽっこりしてきたという方はまずはこの筋肉を鍛えることを意識すると思います。
しかし、身体が硬い状態でこの筋肉ばかりを鍛えると背中が丸くなり猫背を助長してしまいます。
間違った腹筋のやり過ぎには注意
腹筋のやり過ぎは肋骨と恥骨の間のスペースを減らしてしまう可能性があります。
つまり腹腔内のスペースが減少し、内臓の収まるスペースが減ってしまうことで内臓下垂を引き起こしやすくなってしまいます。また、無理な腹筋トレーニングは腰にも負担がかかるため注意が必要です。
参照:体幹リセットP37図
綺麗なお腹を作る鍵
綺麗なお腹を作るためには肋骨と骨盤の間の空間を広げ、伸張性のある腹筋を作ることが大切になります。
そうすることでスッキリしたお腹が保ちやすくなり、内臓下垂の予防にもつながります。
こちらの記事に家でも簡単にできる体幹トレーニングの方法についてまとめてありますのでぜひご覧ください。
腹腔内のスペースの目安
まずストレッチをやる前に腹腔内のスペースを確認してみましょう。
目安は肋骨と骨盤の間に手を添えたときに人差し指から小指までがしっかりとお腹の柔らかい部分の中に収まるのか確認してみましょう。
もし肋骨と骨盤の距離が短く指が収まらない方は姿勢の崩れから腹腔内のスペースが減少している可能性があります。
腹腔内のスペースが減少することで内臓下垂や腰痛のリスクが高まります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
腹腔内を広げるストレッチ
腹腔のスペースを広げる時に意識するのはお腹の前面と対角線状の動きを良くすることが大切になります。
そこで今回はお腹にある筋肉の伸張性を高めるストレッチをご紹介したいと思います。
内容に関してはお腹の前側と対角線の動きを良くするストレッチ方法を1つずつご紹介します。
体幹前面ストレッチ
こちらはお腹の前側を伸ばすストレッチになります。主に伸ばされる筋肉は腹直筋になります。
■やり方 まずはじめに頭の横に手を置いた状態でうつ伏せになります。そこから手で床を押しながら上体をゆっくり持ち上げていきます。そうするとお腹の前側が伸びるのが分かると思います。 ■時間 この状態でしっかりと肋骨の動きを意識しながら深呼吸をして30秒キープします。息を吸った時に肋骨が開くことでお腹の前側の筋肉が伸びる感覚が得られると思います。
体幹回旋ストレッチ
こちらのストレッチはお腹の横側につく腹斜筋群のストレッチになります。
■やり方 まず手を頭の後ろに組んだ状態で仰向けになります。この状態で片方の足を反対側に倒していきます。このとき肩が浮かないように注意しましょう。 ■やり方 この状態でゆっくり深呼吸をして30秒キープします。息を吸った時に肩の前から脇腹にかけて伸びる感覚が得られると思います。
腹筋は背骨を伸ばす意識が大切
腹筋は通常背骨を丸くする運動です。しかし、ただやみくもに身体を丸くすると背骨の椎体一つ一つの間隔が過剰に狭まり腰に負担がかかりやすくなります。
そのため、このようなことが起こらないために大切になるのが『背骨を伸ばすコントロール』です。
まず腹筋の前に座った状態で『ドローイン』をやってみましょう。
背骨の伸びを意識したドローイン
1.まず端坐位になります。
2.ゆっくりと骨盤を後傾しながら下腹部に力を入れていきます。
体幹を安定させながら骨盤を後傾するには「頭を天井に引っ張るような意識」をもち、骨盤が後傾しても頭の位置が変わらないようにすることで腹圧コントロールをしながらドローインを行うことができます。
※もしドローインをする際に頭部の位置が下がってしまう場合は腹部の筋肉が安定していない可能性があります。
背骨の伸びを意識したシングルレッグストレッチ
1.まず仰向けの状態で両足を曲げた状態で持ち上げます。そして顎を軽く引き、首の後ろの伸びを感じながら上体を起こしていきます。
このとき肋骨と骨盤の間の腹腔スペースが減少しないように上体を起こすのは肩甲骨下辺りまでとします。そうすることで腹腔内を安定させながら運動を行うことができます。
2.次に片側の足を遠くに伸ばし、もう片方の足を身体に引き寄せるようにします。このとき、顎が上がって首の後ろが窮屈になったり、腰や背中が痛くなるような場合は体幹にうまく力が入っていない可能性があります。この動きを左右交互に入れ替えながら40回チャレンジしてみましょう。
この時のコツは伸ばした側の足を『遠くに伸ばすイメージ』で動かすことによって体幹が丸まりすぎてしまうことを防ぎ、伸びのある体幹を鍛えることができます。
この運動によって体幹前面だけではなく、側面にある腹斜筋も同時に鍛えることができます。
最後に
綺麗ですっきりしたお腹は皆さん憧れますよね。このようなお腹は見た目だけではなく、内臓にとってもとても良い状態といえます。
どうしても社会人になるとデスクワークの時間が増えたり、食生活が乱れたりすることでお腹周りがたるみやすくなります。そして気づいたときには立派なぽっこりお腹の状態になっている方はとても多いと思います。
すると慌ててジムに行って筋トレをしたり、ジョギングをしたりと努力されている方もいると思いますが、しっかりと身体の内部を知ることで効率的なトレーニングができるようになります。
今回ご紹介したのはお腹のスペースを広げるためのストレッチですが、いつも行っている運動の前にこのストレッチをしっかり行うことでお腹の筋肉が働きやすくなります。ぜひ試してもらえたらと思います。
本日もご覧いただきありがとうございました。
コメント