はじめに
皆さんは膝やスネの辺りに痺れを感じたことはありますか。よく正座をすると足が痺れてしまうことは誰もが一度は経験したことがあると思います。
このような痺れは身体の中にある神経が何らかの原因によって過剰に反応し生じている症状になります。このように身体の中には神経が張り巡らされているため、様々な要因によっていろいろな部位に痺れを引き起こす可能性があります。
そこで今回はその中でも少し珍しい症状でもある膝からスネにかけて生じる痺れの原因とその対処法についてお話ししたいと思います。
膝からスネの内側の痺れの原因
膝からスネの内側が痺れた経験があるという人は多くはないですが意外と経験したという人もいるかと思います。しかし、その原因を知っている人はとても少ないです。
ずっと座っているとお尻や足がしびれてくるときは臀部にある坐骨神経が圧迫されることでこのような症状を引き起こします。
では膝の内側からスネにかけて生じる痺れはどの神経が関わっているのでしょうか。
その原因としては最も多いのが伏在神経による痺れになります。
この伏在神経という言葉はなかなか聞き慣れないと思いますが、この神経の周りにある筋肉が硬くなったり、直接太ももの内側を圧迫することによって伏在神経が伸長され、痺れの原因となります。
他にも膝についての記事をまとめてありますので、興味のある方はぜひこちらの記事もご覧ください。
伏在神経とは
伏在神経とは太ももの前側を走行している大腿神経から枝分かれをして膝の内側からスネの内側に伸びていく神経になります。
伏在神経麻痺の特徴
伏在神経麻痺の特徴の1つは感覚異常が生じる点です。例えば膝や脛の内側に触れたときに感覚が鈍かったりピリッとした異常感覚を感じることがあります。しかし、伏在神経は感覚神経のため、運動麻痺といった関節の動きに影響を与えることはなく、主に感覚異常による問題がメインとなるのが特徴になります。
2つ目は冒頭から説明しているように痺れの部位が膝の内側からスネにかけて生じるという点です。膝の内側の痛みの原因は様々ありますが、例えば有名な痛みの要因の一つとして鵞足炎があります。この鵞足炎による痛みは膝内下方辺りの限局した痛みが主になります。
それと比較して伏在神経による痺れは膝からスネにかけて幅広く痺れや痛みを生じるのが特徴になります。
膝から脛の内側の痺れに対するセルフケア
伏在神経をリリースするポイント
伏在神経麻痺による症状を改善するためのポイントは伏在神経がどの筋肉の間を走行しているのかを理解することが重要になります。
一般的に末梢神経は筋肉の間を走行しています。そのため、周囲の筋肉の硬さが神経の圧迫を高め痺れや痛みといった症状を引き起こしやすくしてしまいます。
そこで、伏在神経はどの筋肉の間を走行しているのかについてまず説明していきます。
伏在神経の周りにある筋肉は内側広筋・大内転筋・縫工筋の3つになります。そして、伏在神経の滑走性を高めるには周りに存在するこれらの筋肉の滑走性を引き出すことがポイントになります。
伏在神経麻痺のセルフケアの方法
今回は伏在神経の滑走性を高める方法の一つとして内側広筋と大内転筋間の滑走性を高めるやり方についてお話ししたいと思います。
伏在神経は先ほどもお伝えしたように内側広筋の大内転筋の間を通って走行します。そしてハンター菅(内転筋菅)と呼ばれる筋膜の菅を通って走行していきます。
そして膝の内側辺りで膝蓋下枝と内側下腿皮枝に分かれるため、スネの辺りにも痺れが出現します。
まず膝を曲げた状態で座り大腿前面を占める大腿四頭筋に触れていきます。大腿四頭筋は太ももの前側を摘むと触れることができます。
次に大腿四頭筋の内側に触れることで内側広筋を簡単に触診することができます。
内側広筋を見つけたら大腿内側に向かって指を滑らせていくとズボッと指が入るポイントがあります。これが内側広筋と大内転筋の間になります。
上側の内側広筋と下側にある大内転筋の間に指を入れたら2つの筋肉を上下に引き離すように手で誘導します。この操作を大腿の内側に沿って行います。
次に内側広筋と大内転筋を前後に滑らせるようにして2つの筋肉をリリースします。この方法を入浴時や寝る前などに毎日行うことで伏在神経麻痺を徐々に和らげることができます。
しかし、なかなか症状が改善しない場合もあるためそのようなときは一度医療機関に受診することをおすすめします。
最後に
皆さんいかがでしたか。膝の痛みは通常筋肉や関節に注目することが多いと思います。しかし、痛みの特徴をよく観察することで違った原因がみつかることもあります。
今回ご紹介した膝の痛みの要因は少し珍しい症状ですが、今回の記事を読んで自分の膝の特徴と似ていると感じた人は一度試してもらえたらと思います。
コメント