腹筋で起き上がれない人必見。起き上がれない原因と腹筋ができるようになるおすすめのトレーニング方法について。

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はじめに

よく学校の体力測定で『上体起こし』という項目があると思います。得意な子にはそれほど難しい動きではないですが、たまに腹筋が一回もできないという子がいます。

このような子をみてよく勘違いされやすいのが腹筋が弱いから上体起こしができないと思われがちですが、実は原因はそうではない可能性が高いです。

質問する人
質問する人

昔から腹筋がすごく苦手なのよね。

内臓小僧
内臓小僧

実は腹筋ができない原因は一つじゃないんだよ。今回はその原因についても話していくね。

そこで今回はなぜ腹筋ができないのか、その原因と対処法についてお話していきたいと思います。

腹筋の作用とは

皆さんがよくいう腹筋という筋肉は別名『腹直筋』といいます。

この腹直筋は恥骨から剣状突起・肋軟骨に付着する筋肉で作用としては

背骨を曲げる

胸郭を引き下げる

骨盤を引き上げる

の3つの作用があります。

この作用の中で注目してほしいのが『背骨を曲げる』という点です。

本来上体起こしをするときは背骨を曲げるため、この腹直筋はなくてはならない筋肉です。

しかし、この腹直筋は背骨には直接付着しておらず、身体の前面にある恥骨と剣状突起・肋軟骨の距離を縮めることで間接的に背骨を丸くするように作用する筋肉になります。

つまり、腹直筋には背骨を曲げる作用はあるが、直接背骨を丸くしているわけではないということです。

そのため、背骨の椎体一つ一つの動きがうまくでていない状態の人がこの腹直筋を過剰に使い過ぎてしまうといったいどんな問題が起こるのでしょうか。

それは背骨一つ一つの椎体レベルで曲がり過ぎてしまう部位と、曲がりが不十分な部位が生じ、結果背骨のどこかに過剰に負担がかかりやすくなるといった問題が生じます。

すると結果的に椎間板ヘルニア腰椎すべり症圧迫骨折脊柱管狭窄症腰椎分離症といった問題に発展しやすくなってしまいます。

圧迫骨折
すべり症

無理な腹筋運動は腰痛などの原因になります。

腹筋運動の間違ったやり方についてはこちらの記事をご覧ください。

腹筋ができない人は腹筋が弱いからではない?

まず立った状態で前屈をしてみましょう。

このときに腰椎の丸みがあるのかを確認します。もし、腰椎に丸みがない場合は背骨の可動域低下が腹筋ができない一番の理由になっている可能性があります

背骨が全体的に丸くなっている
背中は丸いが腰の丸みが不十分

上体起こしをスムーズに行うためにはこの背骨(特に腰椎)の丸みを作ることがとても大切になります。お腹の力は背骨の丸みがでないと効率よく発揮することができません。

つまり、言い換えると背骨(腰椎)の丸みを作ることができれば上体起こしが可能になる可能性があるということです。

上体起こしだけではなく、腕立て伏せが苦手という方もよくいらっしゃると思います。そのような方はぜひこちらの記事もご覧ください。

背骨を丸くするために重要なポイント

腹横筋のコントロール

腹横筋とは先ほど紹介した腹直筋よりもさらに身体の深層部にあるお腹の筋肉になります。

この腹横筋は肋骨・骨盤・背中側にある胸腰筋膜からはじまり、お腹の中心にある白線という白い部分に付着している筋肉になります。つまり、お腹をコルセットのように巻いたような形状の筋肉になります。

この筋肉の作用はお腹を凹ませ腹圧を高めることです。腹圧が高まることで腰椎の安定性が増し、背骨に負担がかかりにくい状態を作ることができます。

つまり背骨を丸くする前段階として腹横筋をしっかり使えるようにしておくことで腰椎が安定した状態で上体起こしができるようになります。

腹横筋が機能しやすい骨盤の位置についてこちらの記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

胸郭の柔軟性

胸郭前面
胸郭後面

胸郭とは胸部にある籠状の関節の集合体のことをいい、この胸郭には腹部や背部の筋肉がたくさん付着しています。

この胸郭には呼吸に伴い上下左右に広がるように動く作用がありますが、胸郭の動きが悪くなってしまうことでその周囲にある筋肉の滑走性が落ち、結果的に脊骨の動きに影響を与えてしまいます。

つまり、この胸郭の動きをしっかりと引き出さなければ背骨の柔軟性は高まりにくいということです。

2023年12月30日追記

胸郭の動きを作るうえで重要なのが胸の動きを意識することです。これは胸郭は肋骨によって強固に固定されていることで動きがとても乏しいため、より意識を胸に向けないとなかなか動かすことが難しい部位になります。

例えばキャットカウというエクササイズがあります。このエクササイズは背骨全体を動かしますが、よくなりがちなのが頚部や腰部に過剰な動きが出てしまい、反対に胸郭が動かないことが多いです。

そのため、動きの中で胸の動きをしっかりと意識しながら行うことで胸郭の動きが促され、背骨の柔軟性が高まりやすくなります。

腰椎の柔軟性

腰椎は冒頭でも説明したように前後に曲がりやすいという特徴があります。特にお腹の力を効率よく発揮するためには5つの腰椎が一つ一つ椎体間でしっかり滑走しながら曲がる必要があります。

2023年12月30日追記

腰椎は上体起こしをするにあたり綺麗なカーブを作ることができるかがポイントになります。そのため、骨盤から腰椎にかけての協調的な動きをしっかりと練習することによって体幹の筋肉が発揮しやすくなり、腰椎の分節的な動きが可能になります。

骨盤の柔軟性

上体起こしができない方は腰椎の丸みが減少し、骨盤が過度に前傾しているパターンが多いです。骨盤の前傾が強くなると反り腰傾向となり、腰背部の緊張が高まり過ぎてしまうことでお腹の力を効率よく発揮することができなくなります。

そのため、お腹の力を引き出すためには骨盤の後傾の動きを引き出すことが重要になります

腰椎を丸くしながらお腹の力をコントロールする力

上体起こしができるようになるために必要になるのは

身体が丸くなる可動域

腰椎の動きをお腹を使ってコントロールする

この2つになります。

ではこの2つをイメージしながら上体起こしができるようになるためのエクササイズ方法をご紹介したいと思います。

丸みを作るためのストレッチ

シェルストレッチ

正座の状態で踵と臀部をくっつけたまま身体をゆっくり前屈します。この姿勢でゆっくりと鼻から息を吸ったときに背中に膨らみがでるように意識をします。背中に膨らみができることで脊柱の丸くなる動きを促すことができます。

この姿勢で30秒から60秒キープします。

キャットストレッチ

四つ這いの状態から手で地面をしっかり押し、骨盤を後傾させ脊柱全体を丸くします。このときお腹をしっかりと奥に引き込み、背中側が丸くなるように意識をすることでより脊柱の丸みを引き出すことができます。

この姿勢のまま呼吸を止めずに30秒から60秒キープします。

下肢抱え込み

仰向けの状態で両端をお腹に引き寄せ背中を丸くします。この状態で30秒から60秒ゆっくり深呼吸をします。

腰椎の丸みをお腹の力でコントロールするエクササイズ

胸郭を締めながら息を吐く練習

上体起こしが苦手な方は前側の下部肋骨の締まりが弱い場合が多いです。そのため、息をしっかりと吐きながら肋骨の前側を締める練習を行いましょう。

そして今からご紹介するエクササイズ中はこの下部肋骨の締まり維持しながら行うととても効果があると思います。

アブプレップ(上肢のプッシングあり)

仰向けの状態で両足を90度持ち上げます。

次に両手を伸ばしながら頭を持ち上げお腹に力を入れます。この運動を行うことで体幹前面の筋肉に刺激を入れることができます。この運動を20回行いましょう。

ハーフロールバック

まず膝抱えの姿勢になります。この姿勢で骨盤の下側の出っ張った部分(坐骨)でしっかりと地面を押し、反対に頭は天井に向かって伸びるような意識をして背筋を伸ばします。そうすることで下腹部に力が入りやすくなります。

次に下腹部を意識しながら骨盤を後傾させます。このとき手を前に伸ばし、骨盤は後ろに倒しながら指先と骨盤で引っ張り合うようなイメージを持つことでより効果的に下腹部の収縮を促すことができます。

この運動は腰椎を丸くしながら体幹の力をコントロールするためにとてもおすすめ運動になります。こちらのエクササイズを20回から30回目標に行いましょう。

ロールアップ

まず手をバンザイしながら仰向けになります。

次に手を天井に伸ばし頭-背中-腰-骨盤の順で持ち上げながら手をさらに足の方に向かって伸ばしていきます。

このときのポイントは手を常に遠くに伸ばすように意識することでお腹にしっかりと力が入りやすくなります。このエクササイズを20回から30回を目標に行いましょう。

もし上体を最後まで上体を起こせない場合は背中に何かクッションのようなものを入れ、上体が少し起きた位置から起き上がる練習をしてみましょう。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。腹筋が苦手という方はただ起き上がれないというだけではなく、体幹の安定性が弱いことで腰痛や膝痛といった問題も生じやすくなります。上体起こしができない理由はいくつかありますが、今回の記事を読んで少しでもその原因が解決できたならとてもうれしく思います。

今後も皆さんのお身体の悩みを少しでも解決できるよう記事の更新を頑張っていきたいと思いますので、興味のある方はぜひ他の記事もご覧ください。

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