股関節が引っかかる、ずれる感じがするときの治し方について現役理学療法士が解説します。

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セルフケア

はじめに

股関節は人の身体の中でも特に大きな可動域を持つ関節の一つです。大きな可動域を持つことで大きな動きが可能となり、さまざまな動作ができるようになります。しかし、この大きな可動域というのはふとしたことで崩れてしまう可能性があります。よく股関節を動かす際に

足の付け根が引っかかる感じがする

股関節がずれる感じがする

足を曲げると股関節に詰まり感がある

といった症状を自覚される方がいます。このような症状がある方は股関節がうまくはまっておらず、股関節の機能が低下している可能性があります。

そこで今回はこのような症状をお持ちの方に対して股関節の適合性を改善する方法についてお伝えしたいと思います。

股関節の特徴

股関節は大腿骨の先端にある大腿骨頭と骨盤側の窪んだ形をした寛骨臼(臼蓋)によって形成される関節です。

股関節は球関節という球状でできた関節によって形成されており、大腿骨頭を臼蓋が4/5包み込んだ状態になっています。そのため、股関節は構造的にとても安定した構造になっています。

股関節についての記事はこちらにもまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

股関節がズキンと痛い原因はお尻が弱いから。股関節の動きを引き出すためのポイントとお尻の鍛え方について。こちらから

股関節と寛骨臼の関係性

寛骨臼は大腿骨頭を包み込むように深い半球状のカップ形のソケットです。この大きなカップをした寛骨臼は3つの骨によって形成されており腸骨と坐骨で80%、残りの20%が恥骨でできています。

この寛骨臼の下側の骨縁は不完全な形になっており、その部位を寛骨臼横靭帯によって補っています。

また寛骨臼の周りには関節唇という線維軟骨が付着しており、この関節唇によって寛骨臼のカップの凹面を深くしながら大腿骨頭の縁をしっかりと保持することで関節の安定性を高めています。

股関節の適切な位置

まず股関節には頚体角前捻角いうものがあります。

頸体角とは前額面での大腿骨頸と大腿骨体内側のなす角度のことをいい、正常角度は125°になります。

次に前捻角とは大腿骨体部と大腿骨頸部との間にある捻じれの角度のことを言い、正常は10°〜15°になります。

この二つの軸に問題が生じることで股関節の適合性が低下してしまいます。

股関節が引っかかる原因

股関節は深く曲げた時や内側に向かって曲げた時などに股関節周囲にある組織を挟みこんでしまったりうまく滑走しないことで『股関節の引っかかり』として自覚されることがあります。その原因について細かくお伝えしたいと思います。

股関節の構造問題

Camタイプ

骨頭の球状の部分が過剰に膨隆している状態です。この状態になると股関節を曲げたり、内側に捻じる際に膨隆部分が臼蓋に衝突し引っかかりや詰まり感を起こしやすくなります。

Picerタイプ

臼蓋の凹みが通常よりも深い状態です。この状態でも股関節を曲げたり、内側に捻じる際際に股関節の被覆率が過剰となり、股関節を動かす際に引っかかりや詰まり感を起こしやすくなります。

Combinedタイプ

こちらのTypeは先ほど紹介したCamタイプとPincerタイプの両方の状態を呈したものを指します。

股関節の周りにある筋肉の問題

股関節の適合性が低下している場合のほとんどは股関節が前方偏位していることが多いです。そのため、この股関節の前方偏位を改善することが引っかかりを改善するための鍵になります。では股関節が前方偏位しやすい状態についてお話ししたいと思います。

股関節周りの硬さは腰痛にも影響します。

こちらの記事に反り腰の方におすすめなストレッチの方法についてまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

反り腰の方必見。骨盤の動きにも関わる股関節の前側を伸ばす5つの段階的ストレッチについて。こちらから

股関節後面の筋肉の硬さ

股関節後面の中でも特に重要になるのが股関節後面の深層部にある外旋六筋になります。この筋肉は臀部の代表的な筋肉でもある大殿筋や中殿筋、小殿筋といった殿筋群の筋力が衰えてしまうと代償的に深層部にある外旋六筋が過緊張となり殿筋群を補おうとします。しかし、外旋六筋が過緊張になると後方から骨頭を前方へと押し出すように作用してしまい股関節の前方偏位を助長してしまう原因となります。

股関節前面の筋肉の安定性低下

股関節前面にある筋肉の中に腸腰筋という筋肉があります。この筋肉は腰椎から大腿骨の小転子に付着する筋肉で股関節の前面の安定性を高める筋肉でもあります。しかし、この腸腰筋の筋力が落ちてしまうと骨頭前面の安定性が低下し、前方偏位を助長する原因になります。

股関節前面の筋肉の短縮

股関節の前面にある筋肉で特に引っかかりの原因になりやすいのが、腸腰筋・恥骨筋になります。これらの筋肉が短縮し滑走性が下がることで大腿骨頭を前方に引き出す原因となります。

股関節の引っかかりを改善する方法

腸腰筋トレーニング

腸腰筋を鍛える場合は股関節前面の安定性が低下した状態のときにこのエクササイズを行うと股関節の引っかかりに効果的になります。

股関節前面の安定性が低下しやすい方の特徴はスウェイバック姿勢のような状態の方になります。

まず仰向けになります。この状態で引っかかりを感じる側の膝を立て、その膝の上に反対側の足を乗せます。

そうしたら膝を立てた側の足を身体に引き寄せるように力を入れ、それを反対側の足で止めるようにします。そうすることで引き寄せる側の腸腰筋を鍛えることができます。この運動を20回行います。

腸腰筋・恥骨筋ストレッチ

このストレッチは股関節の前面の組織が短縮している場合に効果的になります。

股関節の前面が短縮しやすい方の特徴は出っ尻タイプの方になります。

まず前側を伸ばしたい側の足を後ろに伸ばし、反対側の足を前に立てます。

この状態で骨盤を床に向かって落とすようにすることで腸腰筋をストレッチすることができます。

また、後ろに伸ばした足をやや外側に開くことで恥骨筋もストレッチすることができます。

殿筋群、外旋筋群のストレッチ

このストレッチは殿部が硬くなっていたり、弱くなっている方に効果的なストレッチになります。殿部が硬くなりやすい方の特徴はガニ股の方や座っている時間が長い方などはお尻が硬くなっている可能性があります。また、殿部が弱い方はタレ尻になっていることも多いのでそのような方もぜひこちらのストレッチを行なってみましょう。

まず仰向けになり、お尻を伸ばしたい側の足を反対側の膝に乗せます。

次に足を身体に引き寄せることで膝に乗せた側のお尻をストレッチすることができます。

ヒップリリース

この運動は股関節の動きをまんべんなく引き出すのにとても良い運動になります。

まず引っかかりがある側の膝を立てた状態で仰向けになります。

次に膝を立てた足を外にゆっくりと倒しながら伸ばしていきます。

最後に伸ばした足を内側に捻りながら足を曲げて元の位置に戻します。この運動を20回から30回行います。

最後に

皆さんいかがでしたか。股関節は動きが大きい分、動かなくなるととても不自由に感じる関節になります。

初めは少し気になる程度で済んでいても、症状が、悪化してしまうことで、思うように動けなくなってしまうこともあります。

股関節は一度痛めてしまうとなかなか痛みをとることが難しく治療をしても難渋してしまうケースが多いです。

そのため、早めの対処がとても大切になります。もし、最近股関節が気になるという方はぜひ早めの対処を心がけましょう。

本日もご覧頂きありがとうございました。

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