疲れない立ち方は足底の重心のかけ方が大切。楽に立つコツと代表的な疲れやすい4パターンの立ち方について。

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はじめに

身体が硬いと普段から思っている方は多いと思います。

私が臨床で患者をみるときにまず行うのが立位姿勢の評価になります。立位をみることによってだいたいどこが硬くてどこが弱いのかを予想します。

質問する人
質問する人

立った姿勢でそんなことまでわかるんだね。

内臓小僧
内臓小僧

立った姿勢はその人の特徴がとても現れるんだよ。だから良い立位姿勢をとることは身体にとってとても大切なんだよ。

そして実際に細かく触って動かしながらという作業を繰り返すことで患者の身体の問題点を探していきます。

そのため問題点をみつけるためには必ずその方の立位姿勢を細かく評価する必要があります。

そこで今回は立位姿勢によってどこの筋肉に負担がかかりやすくなるのかについて説明していきたいと思います。

立ち仕事の姿勢

立ち仕事をしていて腰が痛いという方はたくさんいると思います。そのときの腰が痛い原因の一つに立位姿勢があります。

人間は何か作業をする際、手を前に伸ばしながら作業をすることがほどんどだと思います。そのため、手を前に伸ばし上半身が前のめりになることで重心が前方にシフトします。

するとそれ以上身体が前方にいかないように無意識に背中の筋肉が緊張し、身体をその位置で保とうとします。結果的に背中の筋肉に負担がかかり腰痛となります。

このように普段の何気ない動きの中に身体に負担がかかる要素はたくさんあるのです。

さまざまな立位姿勢

今から4つの立位姿勢を例にあげたいと思います。皆さんこの立位姿勢はどこに負担がかかっているか分かりますか。

それを考えるためには身体の重心が今どこにあり、足のどこに重心がかかっているかを知る必要があります。

身体の重心位置

身体の重心は上半身の質量重心と下半身の質量重心を結んだ中央にあります。

上半身質量重心は第7~9胸椎高位(胸の高さにある背骨)、下半身質量重心は大腿部(ふともも)の1/2の点と2/3の点の間にあります。

○が上半身と下半身の質量重心、が身体の重心位置になります。

 参照:結果の出せる整形外科理学療法P117図49-52

立位のとき足底のどこに重心がかかっていますか

まず立位姿勢でどこに負担がかかっているのかを確認するために重要になるのが足底のどこに重心がかかっているかをみることです。

足底のどこに重心がかかっているかをみることで身体の身体重心がどこにあるのか大まかに予想することができます。

そして足底内の重心位置と身体の位置関係をみることでどこに負担がかかっているのか、反対にどこが弱いのかを予想することができます。

足底のどこに重心をかけると良いのか

立つときに重心をどこにかけるかというのは非常に大きな問題です。人間の足底には体重を支えるためのショートフットと呼ばれる領域があり、それは3つの〇で示した母趾球小趾球の3点になります。

この3つの○を結んだラインには横アーチ内側縦アーチ外側縦アーチといった「アーチ構造」があり、それによって足にかかる衝撃吸収やバランス機能の維持をしています。

安定した立位をとるためにはショートフットの3点にしっかり重心を乗せ、アーチ構造を崩さず立つことがポイントになります。

一 :横アーチ 一:内側縦アーチ 一:外側縦アーチ

良い立位:立った時にショートフットの3点に体重がのり、足の指と指の間に間隔があいている。

良い立位:しっかり足指、足底、踵にしっかりと重心がかかっている。

良い立位になるには靴選びも大切です。ぜひこちらの記事もご覧ください。

良くない足底の重心のかけ方

内側にかけ過ぎている

ショートフットの3点に均等に体重がのらず、足の内側に重心がかかり過ぎています。内側にかかり過ぎることで親指と人差し指の間の間隔が狭くなっています。

すると内側縦アーチが潰れ扁平足や外反母趾の原因となります。

外反母趾についてはこちらの記事にくわしくまとめてありますので、ぜひご覧ください。

前側にかかり過ぎている

足の前側に重心がかかり過ぎてしまう方は前方重心になりやすくなります。前方重心の場合はつま先にあるショートフットの2点を飛び越えて足指に過剰に体重がかかってしまい足指と足指の間隔が狭くなります。

前方重心になることでふくらはぎや腰に負担がかかりやすくなります

つま先に体重が乗り過ぎることで背部に負担がかかり腰痛のリスクが高まります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。

踵にかかり過ぎている

重心が踵にかかり過ぎてしまうことで後方重心となります。すると足指が地面から離れてしまい、浮き指の状態となるため足指の力が衰えやすくなります。

また後方重心のため、猫背になりやすく体幹の力も弱くなる傾向があります。

踵に荷重がかかり過ぎると骨盤が後傾しやすくなります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。

外側にかかり過ぎている

足の外側に重心がかかると中指、薬指、小指の間隔が狭くなり、重度の方だと足趾すべての間隔が狭くなります。

足の外側に重心がかかりすぎてしまうと主に下半身の外側にある筋肉の負担が増えます。 また、身体の軸を高めるのに大切な下半身の内側の力が弱くなる傾向があります。

疲れやすい立ち方の特徴について

上記で紹介した4つの姿勢の重心位置を示したものになります。ー:負担が大きい部位●:身体重心ー:身体重心を通る垂線が足部のどこを通るかをそれぞれ表しています。

骨盤後傾

緑色(一)が足部の踵側を通っているため後方重心の状態となります。

そのため、下腿前面の筋肉で後方にいかないようにバランスをとっています。

また上半身(〇)も身体重心赤色(●)より後方にあるため、それ以上後方に倒れないよう大腿前面の筋肉でバランスを保っています。

つまり負担が大きい部位として下半身の前面につく筋肉ということを予想することができます。黄色(ー)は負担のかかっている筋肉を表しています。

骨盤前方移動

緑色(一)がつま先を通っているため前方重心の状態となります。

つまり身体が前方に倒れやすい状態となっているため、後面にあるふくらはぎの筋肉に負担をかけて身体が前にいかないようにバランスをとっています。

しかし、上半身(〇)は身体重心赤色(●)よりも後方にあるため、後方に倒れないように大腿前面の筋肉に負担がかかった状態でバランスをとっています。黄色(ー)は負担のかかっている筋肉を表しています。

 骨盤前傾

緑色(一)が足部のつま先を通っているため前方重心の状態となります。

つまり身体が前方に倒れやすい状態となっているため、後面にあるふくらはぎの筋肉に負担をかけて身体が前にいかないようにバランスをとっています。

また上半身(〇)は身体重心赤色(●)より前方にあるため、それ以上前方にいかないように大腿後面の筋肉に負担をかけてバランスを保っています。黄色(ー)は負担のかかっている筋肉を表しています。

骨盤後方移動

緑色(一)が足部の踵側を通っているため後方重心の状態となります。

そのため、下腿前面の筋肉に負担をかけて後方にいかないようにバランスをとっています。

しかし、上半身(〇)は身体重心赤色(●)よりも前方にあるため、それ以上前方に倒れないように大腿後面の筋肉に負担をかけてバランスをとっています。黄色(ー)は負担のかかっている筋肉を表しています。

骨盤の動き方に関してはこちらの記事に詳しく書いてありますので興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

最後に

皆さんいかがでしたか。普段立っているとどこかが痛いという方は自分の立ち方を少し変えるだけでその症状が変化するかもしれません。当たり前と思ってやっていることが実は原因になっていることはよくあります。

今回の記事を読んで立ち方が悪いと感じた方は立ち方を修正してみてください。

本日もご覧いただきありがとうございました。

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