はじめに
女性の中にはよく下腹部が冷えるという人がいます。下腹部には腸の一部だけではなく女性にとってとても大切な卵巣や子宮が存在します。子宮や卵巣は女性らしさを作るためのとても大切な臓器になりますが、下腹部が冷えるという人は子宮や卵巣の循環が落ちている可能性があります。
すると
身体が重怠い
身体がよく冷える
骨盤周りが硬い感じがする
むくみがひどい
といった症状を伴いやすくなります。
このような状態が長期的に続くことで日常生活にも影響が生じ、さらに悩みが大きなものになってしまいます。そのため、自身の身体の状態を細かく知り、セルフケアができるようになることがとても大切になります。
そこで今回は下腹部にある臓器の一つでもある卵巣のセルフケアの方法をご紹介したいと思います。
卵巣機能について
卵巣は主に子宮の両側にある2~3㎝程の白色の組織です。
卵巣の中には卵子のもととなる卵胞という組織が存在します。この卵胞から卵子が排出されることを排卵といいます。そして卵子がなくなった卵胞は黄体という組織に変化し女性らしさを高めるための性ホルモンの分泌という機能を備えています。
卵巣は女性にはなくてはならないもの
卵巣は女性らしさを作るためのホルモンを放出しています。そのため卵巣機能に障害が起きるとさまざまな影響を及ぼします。これは卵巣機能に障害が起きる時期によって症状が異なります。
思春期以前
性器の発育が遅れ、第二次性徴に影響を与えます。
性成熟期
性器の退行萎縮、月経周期の異常、無月経、機能性子宮出血などがみられ、不妊症の原因にもなります。
更年期
個人差はありますが50歳前後の年齢で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後10年間(一般的に45〜55歳頃)を”更年期”といいます。
症状としては倦怠感や頭痛、めまいといった身体的症状や無気力や突発的に感じる不安、憂鬱などといった精神的症状が起こりやすくなります。
女性特有の症状として生理痛があります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
卵巣の周りにある膜
卵巣は子宮広間膜の前面に卵巣間膜をもって付着しています。この子宮広間膜は主に図の赤色で示した領域に存在し、卵巣の周りを取り囲むように付着しています。
参照:ネッター解剖学アトラス原書第4版図371
参照:ウィメンズヘルスリハビリテーションP30図6
子宮広間膜の機能
そのため、子宮広間膜に硬さあると卵巣や子宮に血液が十分に送られず循環不全に陥りやすくなります。すると、症状として生理痛が悪化したり、不妊症などの原因にもなります。
そのため、卵巣の位置を理解しその周囲にある子宮広間膜の滑走性をだすことが卵巣機能を高めるのにとても重要となります。
子宮広間膜は股関節の近くに存在する膜になります。そのため、股関節周りの組織の滑走性を引き出すことは子宮広間膜の動きを改善することにつながります。股関節についての記事はこちらにまとめてありますのでぜひご覧ください。
卵巣の循環を高めるセルフケアの方法
卵巣の位置を正確に把握することでその周りにある子宮広間膜にもアプローチすることができます。
まず初めに恥骨をみつけます。恥骨はおへその下で三角形の形を手で作った時に人差し指に硬い骨が当たると思います。そこが恥骨になります。
①恥骨を見つけたら恥骨の上端に触れていきます。●の部分が恥骨の上端になります。
②この●(恥骨上端)から親指1本分頭方 手指4本分外側辺りに手を置き、女性はこの辺りを触るとアーモンドのような丸い感触がある場所があります。それが卵巣です。
図の中では●で示してあるところが卵巣のあるポイントになります。
また、仰向けの際膝を立てた状態でマッサージを行う方が骨盤周囲の組織の緊張が緩みやすくなるためおすすめです。
※卵巣はとてもデリケートな臓器になりますので、マッサージをするときはあまり強く圧迫せず、優しくほぐすようにマッサージをしてください。
最後に
生理痛や生理不順で悩む女性はとても多くみえます。そのような方は食べ物や運動、薬などによって身体を調整をすることが多いと思います。しかし、こういった不調はストレスや不眠といった精神的な要素も影響します。そのため、心身の状態を保つことが何より大切になります。今回紹介した卵巣周囲のマッサージは血流の改善だけではなく、副交感神経にも大きく作用します。すると身体がリラックスして心身の安定につながります。今回の記事を見て少しでも自身で卵巣のケアをできるようにしましょう。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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