【最終更新日:2025年10月6日更新】
はじめに
女性がよくする姿勢の一つに『横座り』があります。この横座りは一見女性らしい見た目でとても可愛らしくみえますが、身体に偏った癖が生じやすくなるという特徴があります。
「右側の横座りはできるけど、左側はなんだかやりづらい」「反対側に座ると腰や股関節がつっぱる」——
そんな“片方だけ横座りができない”という悩みを抱えている方は意外と多いです。
実はこれ、単なる“癖”や“柔軟性不足”ではなく、身体の捻れや歪みのサインである可能性があります。

そこで、今回は片方の横座りが苦手な人の原因と改善方法について理学療法士の視点からお伝えしたいと思います。
横座りとは?身体に起きているメカニズム
横座りは、片方の脚を体の横に折りたたむ座り方です。
たとえば「右側に横座り」するとき、体の中では次のような動きが起きています。
右股関節:外旋(外側に開く)
左股関節:内旋(内側に閉じる)
骨盤:右方向へ回旋
このように左右でまったく違う動きが起きているため、横座りは非対称な姿勢になります。
そのため、同じ方向ばかりで横座りしていると、身体の左右バランスが崩れ、骨盤や脊柱に歪みが蓄積していきます。
股関節が内側へ捻れる動きを内旋

股関節が外側へ捻れる動きを外旋

といいます。
また横座りをするときに膝が向いている方向に向かって骨盤も回旋します。
横座りによって生じる歪み

つまり、身体には片方の捻れのストレスがかかり続けることになるため、結果的に身体には左右不均等な回旋ストレスが生じ、それが歪みの原因となってしまいます。
またこの動作を繰り返し行うことによって反対側の捻れの可動域が少なくなっていきます。すると、適切な関節内の動きが減少しメカニカルストレスのかかりやすい身体へと変化してしまいます。

身体に歪みが生じることで生じやすい症状の一つに『腰痛』があります。腰痛についての記事はこちらに書いてありますのでぜひご覧ください。
体の歪みをセルフチェックしてみよう
まずは、自分の身体の状態を簡単に確認してみましょう。
以下の3点をチェックするだけでも、歪みの方向が見えてきます。
1. 肋骨下角の左右差
胸郭のねじれをみるときのポイントは左右の肋骨下角の違いになります。
鏡の前でウエストのラインと肋骨の下の角度を見比べてください。
左右で角度や高さが違う場合、胸郭の捻れが起きているサインです。
肋骨下角とは下側の肋骨によって形成される角度のことを言います。そしてこの角度の正常値は左右45度を足した90度になります。


この肋骨下角度に左右差が生じていたり、正中軸から肋骨の位置がずれている場合は胸郭が捻れている可能性があります。


胸郭に歪みが生じることで起こりやすい見た目の問題としてウエストラインの左右差があります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
2. 骨盤の高さ・前後差
骨盤の捻れをみるときのポイントは左右の上前腸骨棘(ASIS)の位置をみることです。
ASISは骨盤の前側にある左右の出っぱった部分のことをいいます。


横座りの癖がある人は
股関節が内旋している側の骨盤は前傾しASISは下方へ移動します。そして恥骨は下制します。
股関節が外旋している側の骨盤は後傾しASISは上方へ移動します。そして恥骨は挙上します。


骨盤は身体の軸になる骨になるため、骨盤に歪みが生じることで身体全体にその歪みの影響が生じることになります。
立った状態で両手を腰骨(ASIS)に当て、左右の高さを比べます。
片方が高くなっている場合、骨盤がねじれている可能性があります。
3. 股関節の可動域
股関節の歪みに関しては皆さんも想像しやすいと思います。
横座りをすることによって
内旋している側の股関節は外旋が制限されやすくなり、反対に外旋している側の股関節は内旋が制限されやすくなります。
股関節に付着する多くの筋肉は骨盤にも付着しています。そのため、股関節の可動域に問題が生じることで骨盤にもその影響が生じることになります。
片方の横座りばかりしている人は仰向けになった際に左右の足の開きに差があることがあります。このような状態になっている場合左右の股関節の硬さに違いが生じている可能性があります。

また、仰向けになり両膝を立てた状態で片脚ずつ膝を内外に倒してみましょう。
どちらかが倒しにくかったり、動きにくさを感じる側が「横座りしづらい」側になっていることが多いです。
身体の歪みをとるセルフエクササイズ
上半身のツイスト
このエクササイズは胸郭のねじれを解消するためのエクササイズになります。
肋骨下角の左右差や胸郭の中心がズレていることを確認したら、そのズレた位置から中心に戻すようにツイスト運動を行うことが重要になります。
肋骨下角に歪みがある方はぜひ試してみましょう。
■やり方 まず胡坐になり、腕を組みます。臀部が地面から離れないように注意しながら上半身を左右に捻じっていきます。 ■回数 このエクササイズを左右10回ずつ行います。 ■ポイント 身体を左右に捻じったら捻じりにくい側がないかを確認してみましょう。捻じりにくい側がある場合はそちらの可動域をしっかりと引き出すように行うとより効果的です。


もう一つの方法になります。
■やり方
まず腕を組んだ状態で仰向けになります。その状態で骨盤が捻じれないように注意しながら上半身のみをゆっくりと左右へと捻じっていきます。このとき外側に広げた肘が地面にしっかりと付くかどうかをみてみましょう。
■回数
このエクササイズを左右10回ずつ行います。
■ポイント
明らかに肘が地面から離れていたり、左右で捻じる範囲に差がある場合は胸郭や肩甲骨の可動域に左右差がある可能性があります。


骨盤回旋エクササイズ
このエクササイズは骨盤や腰椎にねじれが生じている人におすすめなエクササイズになります。
■やり方
まず膝を立てた状態で仰向けになります。その状態で膝を左右にゆっくりと倒していきます。このとき、左右の捻じれに違いがないか確認しましょう。捻じりにくい側は背中が過剰に地面から持ち上がったり、臀部から腰背部にかけて張り感を自覚される場合があります。
■回数
この骨盤回旋運動を左右20回ずつゆっくりと行いましょう。


股関節回旋エクササイズ
■やり方
膝を立て、後方に手を着いた状態で座位になります。その状態で下半身を内側外側へと開いたり閉じたりします。
■回数
内側、外側にそれぞれ20回ずつ捻じるように動かします。
■ポイント
ポイントは足の付け根(股関節)からしっかりと足を捻じるように動かすようにすることで股関節周りの硬さがより改善しやすくなります。この運動を行う際、股関節が開きにくい方や反対に閉じにくい方向がないかを確認します。


2つ目は股関節を動かしながら骨盤と腰椎の協調的な動きを引き出す方法になります。
■やり方
まず手を後ろについた状態で座ります。そのまま股関節を内側外側へと倒しながらゆっくり身体を捻っていきます。
■回数
左右の捻じる動きに差がないか意識しながら左右20回ずつ行います。
■ポイント
ここでのポイントも倒しにくい側を特に意識しながら下半身を動かすようにしましょう。


日常生活で意識したいポイント
せっかく整えても、日常の癖が続くと再び歪みは戻ってしまいます。
次のような習慣を意識して、バランスの取れた身体を保ちましょう。
いつも同じ側で横座りしない
座るときに骨盤を立てて、体重を左右均等にかける
デスクワーク時は30分に一度立ち上がって体をねじる
就寝前に軽く股関節の開閉運動をする
歩行時は左右の歩幅・足裏の接地感を意識する
効率よく身体の歪みをとりたい方はオンラインフィットネスがおすすめ
いざ自分のやり方でエクササイズに取り組んでみたけどなかなか効果を実感できないという人は意外と多いと思います。また、時間がなかったり、やる気がでずにすぐにやめてしまう人なども多いのではないでしょうか。
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興味のある方はこちらの記事にSOELUについて詳しくまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
最後に
皆さんいかがでしたか。横座りをすることの最大の問題は偏った姿勢をとり続けることにあります。
特に痛みがない時は無意識にその姿勢をとることが多くなりますが、最も大切なのはこの段階で身体の偏った癖を作らないようにすることにあります。
もしすでにどこかに痛みが生じているという人は自身の身体の歪みを一度確認してみましょう。そして、歪みの部位をみつけたらその部位の動きをしっかりと引き出してあげることがとても大切になります。
今回の記事を読んで身体の歪みを改善するきっかけができたら幸いです。
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