はじめに
腰痛持ちの方で動きはじめや長時間同じ姿勢をした後などに腰がヒヤッとするような痛みを感じたことがある方は意外に多いと思います。私もこのような腰の痛みを自覚したことが一度あり、きっかけはフットサルで頑張り過ぎたことでした。
この時は約2か月の間腰のヒヤッとした感覚が改善せず
歩くだけで腰がすぐにヒヤッとする
下にある物を取るのがつらい
踏ん張りずらい
といった症状が続きました。
今回はこのようなヒヤッとした痛みを感じている方にとって少しでもその症状を改善するための原因と対処法についてお伝えしたいと思います。
なぜ腰がヒヤッとするのか
腰がヒヤッとするときに比較的多い原因として仙腸関節性腰痛というものがあります。
この腰痛の特徴は骨盤の後ろ側にある仙骨と腸骨の間にある仙腸関節に不安定性が生じてしまうことが大きな原因となります。
そのため、この腰痛を改善するためには自身の骨盤の状態を評価しケアしていくことがとても重要となります。
仙腸関節性腰痛について知りたい方はぜひこちらの記事もご覧ください。
骨盤のみるポイント
今回は数ある骨盤の評価のうちのわかりやすいポイントを一つご紹介したいと思います。
立った時のASISの位置
骨盤の状態を評価するうえでよく使われるポイントにASIS(上前腸骨棘)というポイントがあります。
ASISは骨盤の左右前面にある出っ張った部分になります。このASISはウエストに手を当てた状態で指先で骨盤の前側に触れていくと骨の出っ張りがあるかと思います。その出っ張った部位がASISになります。
ここでポイントになるのが左右のASISの高さに違いがないのかを確認してみます。
もしASISの高さに左右差がある場合は下がっている側の骨盤に問題がある可能性があります。
例えばこちらの図は右側のASISが下がっている状態とします。
これはASISが下がっている側の骨盤が前傾しているサインになります。
下に示した図は右側のASISが下がっている場合の骨盤を表しています。すると後ろ側からみたときの右仙腸関節が開いた状態となるため、右仙腸関節の不安定性が増し、ヒヤッとした腰痛を生じやすい状態となります。
右ASISが下がっているという方は股関節の開きも左右で違いがないのか確認してみましょう。
もしASISの下がっている右側の股関節が開きにくいという方は右の骨盤の開きにも制限が生じている可能性があります。
すると、右の仙腸関節が締めにくい状態となっているため、しっかりと股関節を外側へ開く可動域も作っておきましょう。そうすることで、この後ご紹介するエクササイズの効果がよりでやすくなります。
仙腸関節を安定させるためには
ヒヤッとした痛みは仙腸関節の不安定性から起こる可能性があります。そのため、不安定な仙腸関節をしっかりと安定させるようにケアする必要があります。
仙腸関節性腰痛は痛みが改善するのに少し時間がかかることが多い部位です。
今回ご紹介するエクササイズをまずは少し1ヶ月から2ヶ月は継続して行ってみましょう。
今回は右側の骨盤が前傾し右仙腸関節に不安定性が生じた場合の右仙腸関節を安定させる方法についてお伝えしたいと思います。
右側骨盤後傾誘導
仰向けの状態で右足を抱え込み30秒から60秒キープします。この方法を行うことによって右側骨盤の後傾方向の動きを改善することができます。このときしっかりと右側の腰からお尻にかけて丸くなるように意識をして骨盤を後傾させます。
骨盤右回旋誘導
仰向けの状態で下半身を右に倒し、骨盤を右回旋させ30秒から60秒キープします。そうすることで右側骨盤の外側への開きを改善することができます。このとき肩が地面から浮かないように注意しながらしっかりと骨盤を右側に捻じるようにします。
キャットカウ
こちらのエクササイズはお腹の力を使いながら骨盤の後傾を促すための練習になります。骨盤を後傾することによって仙腸関節の上下方向の締まりを高めることができます。下腹部を天井に向かって押し上げるようにイメージし腰にしっかりと丸みを作るようにしましょう。
骨盤を後傾させた状態でさらに右足をお腹に引き寄せることでさらに右側の骨盤の後傾を高めることができます。足を引き寄せるときは体幹の力を使ってお腹の前側をしっかりと縮めるようにイメージすると良いです。この運動を20回から30回を目標に行います。
ブリッジ
両足を開いた状態でブリッジをすることで仙腸関節の横方向の締まりを高めることができます。特に不安定性のある右側のお尻の締まりを意識して行うととても良い練習になります。この運動を20回から30回を目標に行います。
左足を上に右足を乗せます。
この状態でブリッジをします。その際右足で左の腿をしっかり押し右足を開くように力を入れることで右の仙腸関節の締まりを高めることができます。
最後に
腰がヒヤッとする痛みはなんともいえないですよね。これは普通の腰が重たい、腰の筋肉が硬いといった痛みとは異なり、とても不快な痛みとして感じやすいものだと思います。この痛みを改善するためには自身の身体の状態を知る必要があります。今回の記事を読んで少しでもそのお役に立てたら幸いです。
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