ピラティスで首が痛くなる人必見。首の位置を整えながら上手に身体を動かすポイントについて。

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はじめに

私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しています。その中でクライアントにレッスンをする際に首が痛いという人がたまにいます。

この首の痛みは主に仰向けやうつ伏せのエクササイズ時に訴える方が多いです。

このような訴えがある人は実は頸椎が上手く動いていない可能性があります。このような状態で無理にエクササイズをすると首の負担がかえって高まってしまい本来効いて欲しい部位に刺激が入らない状況になってしまいます。

そこで今回はこのような方に対して私が普段気を付けている首の負担を減らすためのポイントについてお話したいと思います。

首が痛くなる原因

ピラティスをしていて首が痛くなる人は意外と多いです。これは頸椎の動きがうまく出ていない可能性があります。

そのような方はまずヘッドノッツという動きを覚えていきます。ヘッドノッツはうなずき運動のことをいい、首を動かす前に目線を下に向けることで軽く顎が引けた状態になります。この顎が引けた状態になることで環椎後頭関節に微細な屈曲運動が起きることでその後の頸椎の動きが負担なく行うことができます。

例えばアブプレップというエクササイズがあります。アブプレップは膝を立てた状態で仰向けになり、頭頸部を持ち上げるエクササイズになります。

このとき頭頸部を持ち上げる際に上位頸椎の動きがでているのかがポイントになります。

頸椎は全部で7つの椎体で構成されています。

その中で頸椎の1番目(C1)は別名【環椎】と呼ばれ、他の頸椎と異なり椎体と棘突起を持たないという特徴があります。

この環椎の上には頭蓋骨が位置しておりこの頭蓋骨と環椎の間の関節面を環椎後頭関節といいます。

そして頭頸部を動かす際この環椎後頭関節がしっかり動くことによって頭頸部に負担をかけずに首を動かすことができます。

首に負担をかけないで動く方法

環椎後頭関節をしっかりと動かすポイントは【目の動き】になります。そして目を動かすと首の付け根の後面にある筋肉が微細に動きます。この微細に動く筋肉を『後頭下筋群』といいます。

後頭下筋群とは

後頭下筋群(こうとうかきんぐん)は、後頭部と頚椎(第1・第2頚椎)を繋ぐ深層の小さな筋肉群で、大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つから構成されます。これらの筋肉は主に以下の作用を持ちます:

後頭下筋群の作用

  1. 頭部の伸展(後屈):両側が同時に収縮すると、頭を後ろに引く(伸展)動きをサポート。
  2. 頭部の回旋:片側が収縮すると、頭を同側に回転させる。
  3. 頭部の側屈:上頭斜筋は特に、片側収縮時に頭を同側に側屈させる。
  4. 姿勢の安定:頭部を支え、前方に倒れないよう後方で引き留める役割。特に長時間のデスクワークやスマホ使用時に重要。
  5. 眼球運動との連動:後頭下筋群は眼球運動と連動し、視覚情報の安定化や首の微細な調整に寄与。筋紡錘が多く、感覚センサーとしての役割も大きい。

これらの筋肉は後頭下神経に支配されており、頭部の微細な動きや姿勢維持に不可欠です。また、緊張が続くと首こり、肩こり、頭痛、眼精疲労の原因となることがあります。

頸椎の理想的な動きとは

頸椎の動きについて説明してきましたが、頸椎はどのポジションにあればよいのか疑問に思う方がいるかと思います。そのようなとき私が普段意識するのが頸椎は必ず胸椎の延長線上にあるように意識をするということです。

頸椎には前屈、後屈、側屈、回旋という動きがあります。その動きを伴う場合必ず胸椎の延長線上に頸椎があるのかを観察します。もしそのポジションから頸椎がずれている場合は必ずどこかに負担がかかっています。

私が頸椎の位置を確認する順序

まず静的な姿勢の状態で頸椎のポジションを確認します。頸椎は前額面状で両肩の間に位置し矢状面上では胸椎の延長線上にあるのかを確認します。

次に動的に姿勢が変わるスタート時は目線の誘導からキューイングを促し環椎後頭関節での動きがしっかりと出ているのかを確認します。そして姿勢が変化したゴールの時点で頸椎の位置が胸椎の延長線上から逸脱しているのかを確認します。

もし頸椎のポジションが適切でない場合は胸椎の動きがしっかりと出ていない可能性があるため、胸郭のポジショニングを確認しながら頸椎の位置を修正するようにキューイングを出していきます。

胸郭は胸椎、胸骨、肋骨を合わせた部位をいいます。この部位は頸椎と比較して可動域に乏しくなかなか動きを意識することが難しい部位でもあります。そのため、胸郭の動きが少ないと代償的に頸椎を過剰に動かしてしまう方がとても多いです。

こちらの記事に胸郭と呼吸についてまとめていますのでぜひ合わせてご覧ください。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。

頸椎は比較的可動域の大きい部位になります。そのため、無理に動かし過ぎてしまったり、過剰に力が入ってしまうことで頸部に負担をかけてしまうことがあります。

ピラティスは姿勢をコントロールしながら身体の機能性を高めていくのにとても適しています。

その中で頸椎の動きをコントロールできるようになると体幹に力が入りやすくなったり、ストレートネックが解消し肩凝りが軽減したりととても重要な部位になります。

自分で身体を動かす方やインストラクターの下で身体を動かす方も同様に頸椎の動きを今回の記事を読んで少しでも意識をしていただけたら幸いです。

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