腕の外側がしびれる原因について現役理学療法士が解説します。

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はじめに

皆さんは何気ないときに腕が痺れたことはありますか?

例えば腕枕をした後や腕に何か衝撃が加わると痺れたと感じたことがある人は意外と多いと思います。

腕にはいくつかの神経が通っており、その神経の影響によって痺れが生じます。

内臓小僧
内臓小僧

僕もよく肘をついてテレビを見ていると腕が痺れることがあるよ。一回痺れるとすごく腕が痛くなって辛いよね。

腕にはとても多くの神経が存在し、それぞれの神経で支配している領域が異なります。そのため、今回の記事ではその中の一つについて詳しくご紹介したいと思います。

そこで、今回は腕の痺れの中でも腕の外側が痺れた時の対処法についてお話ししたいと思います。

腕の外側が痺れる原因

まず腕の外側が痺れる原因の一つとして外側前腕皮神経があります。

こちらの神経は筋皮神経という神経が枝分かれした神経の一つで前腕の外側を走行しています。

こちらの神経が外から圧迫をされたり周りの筋肉が硬くなることで神経をの滑走性が低下し神経由来の痺れが生じます。

筋皮神経由来の痛みの確かめ方

今回ご紹介する筋皮神経由来の痺れかを確認する方法を一つご紹介したいと思います。

まず筋皮神経の走行は腕神経叢の外束から分岐し、烏口腕筋を貫通し、上腕二頭筋と上腕筋の間を走行します。その後肘窩の橈側で筋膜を貫き、外側前腕皮神経として前腕橈側(外側)の感覚を支配します。

そのため、筋皮神経の走行をイメージして神経をあえて伸長させたときに痺れが生じた場合、筋皮神経由来の痺れが原因の可能性があります。

筋皮神経をストレッチさせる方法は腕を伸展、回内位にすることです。

そして腕を伸展•回内したときにしびれが増強するのかを確認します。

筋皮神経由来の筋力低下について

筋皮神経は上腕二頭筋や上腕筋を支配している神経になります。そのため、筋皮神経に問題がある場合肘の屈筋筋力が低下することがあります。

そのため、筋皮神経由来の問題が生じた場合の確認方法としてもう一つあるのは肘を曲げる力の左右差を確認することがとても重要になります。

ご自宅で簡単にできる方法としてはペットボトルに水を入れた状態でそれを持ち上げた時の感覚をみる方法があります。もし健側と比較して患側側の方がペットボトルが重たく感じたり、筋皮神経支配領域に痛みを伴う場合、筋皮神経由来の問題が示唆されます。

上腕二頭筋筋力を確かめる場合は前腕を回外した状態で肘を曲げる力を確認します。

上腕筋を確かめる場合は前腕を回内した状態で肘を曲げる力を確認します。

この二つの筋力の左右差を確認し、もし痺れが生じている側の肘の力が弱い場合その原因は筋皮神経由来の問題の可能性が高いということになります。

よく間違われやすい病態

筋皮神経由来の痛みとよく間違われやすい症状の一つに外側上顆炎(テニス肘)があります。筋皮神経由来の痛みも外側上顆炎による痛みも同様に肘外側から前腕外側にかけての鈍痛や脱力を訴えることが特徴になります。

このとき2つの病態を鑑別する一つのポイントは疼痛の訴えている部位に『圧痛』があるかないかということです。筋皮神経由来の症状の場合疼痛がある部位の圧痛所見がないことが多いです。

また、外側前腕皮神経領域の知覚障害の有無を確認した上で、烏口腕筋の過緊張や圧痛を確認することも重要なポイントとなります。

腕のしびれを軽減する方法

烏口腕筋のリリース

烏口腕筋は鎖骨の下にあるポコッとした骨の出っ張りの部分でこれは肩甲骨の一部になります。そしてこの烏口突起から上腕の内側にかけて走行するのが烏口腕筋になります。

そのため、烏口腕筋をリリースするために重要なポイントは

烏口突起周辺

上腕内側

の2つのポイントをしっかりと緩ませることが重要になります。

烏口突起周辺のマッサージ

鎖骨の下側を肩の方に向かって触れていくとポコッとした骨に触れることができます。これが烏口突起になります。

烏口腕筋はこの烏口突起に付着しているため、この烏口突起の周りをゆっくりとほぐすようにマッサージします。この烏口突起周辺はとても痛みを感じやすいため、あまり強く圧迫することは控え、ゆっくりほぐすようにしながらマッサージすると良いと思います。

上腕内側のストレッチ

今回ご紹介する方法は壁を使って上腕内側にある烏口腕筋をストレッチする方法になります。

まず壁に指先を地面に向けた状態で手をつきます。

次に胸を開きながらゆっくりと腕を後ろに伸ばしていきます。

このとき肩が前にでないようにしながらしっかりと胸を開くことがポイントになります。

この状態で20秒から30秒ゆっくりストレッチします。

もしこの姿勢をとることで痛みを伴う場合は直接上腕内側をマッサージしても良いです。このとき強くマッサージをすると神経を刺激して痺れが生じる可能性があるため、優しくゆっくりほぐすように行ってください。

最後に

みなさんいかがでしたか。

腕の痺れは意外と身近に感じている人が多いのではないでしょうか。腕が痺れた時にその対処法を知っていると慌てずに済むことも多いと思います。

今回の記事を読んで少しでもそのお役に立てれたら幸いです。

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