「腕のねじれをセルフチェック!理学療法士が教える原因と改善法」

スポンサーリンク

【最終更新日:2025年11月6日】

はじめに

鏡で自分の腕を見たとき、「まっすぐではない」「肘が少し外を向いている」と感じたことはありませんか?

実はその状態、「腕のねじれ(アームラインの歪み)」かもしれません。

腕のねじれは放置すると、肩こりや首の痛み 手首の腱鞘炎 肘の違和感や痛み 猫背や巻き肩といった全身の不調につながることがあります。

すると

昔から肘が伸びにくい

手を付くと肘や手首が痛い

腕の力が弱い

このようなことで悩んでいる可能性があります。

この記事では、現役理学療法士の視点から「腕のねじれを自分でチェックする方法」と「整えるための基本的な考え方」をわかりやすく解説します。

腕の構造を知ろう:ねじれはどこから起きるのか

腕は「肩甲骨」「上腕骨」「尺骨」「橈骨」という4つの骨によって支えられています。

特に肩甲骨と上腕骨の関係が崩れると、腕全体の軸がねじれてしまいます。

肩甲骨と腕の関係

肩甲骨は背中の肋骨の上に浮かぶように位置し、やや前方に30°ほど傾いています。

この角度を「肩甲骨面」といい、上腕骨はこの面に沿って動くことで正しいアライメントを保ちます。

しかし、猫背やスマホ姿勢などにより肩甲骨が前傾・内転してしまうと、上腕骨も一緒に内側へねじれます。

これが「腕のねじれ」の大きな原因です。

腕の付けにあるのが肩関節になります。そのため、この肩関節が崩れることで腕にはとても大きな影響を及ぼします。肩についてまとめた記事がありますのでぜひ、こちらの記事もご覧ください。

腕がねじれる主な原因

① 姿勢の崩れ

猫背・巻き肩・スマホ首などにより肩甲骨が前に倒れ、上腕骨も内旋します。

デスクワークやスマホ時間が長い人は要注意です。

② 筋バランスの偏り

腕のねじれは、筋肉の引っ張り合いの不均衡でも起こります。

特に以下の筋肉に影響が大きいです。

内旋方向:大胸筋、広背筋、上腕二頭筋

外旋方向:肩後部(三角筋後部)、小円筋、棘下筋

③ 手首・肘の使い方の癖

テニス、パソコン操作、スマホの持ち方などで、前腕の回内・回外動作が偏るとねじれが固定されます。

④ 過去のケガや手術

骨折や脱臼、手首・肘の靭帯損傷があると、アライメントが崩れたまま癖として残ることもあります。

3. 腕のねじれセルフチェック方法

自宅でできる簡単なチェック方法を紹介します。

腕のねじれをみるときのポイントは肩甲骨上腕骨のアライメントをみることが大切になります。

まず肩甲骨はただ背中にある肋骨の上に水平に乗っているわけではありません。肩甲骨が乗っている土台は胸郭という肋骨、胸椎、胸骨で形成されている籠状のものになります。

そのため、肩甲骨はその胸郭の形状に沿うようにして乗っているためわずかに斜め前方に傾いた状態で胸郭上に乗っています。

肩甲骨はこの胸郭の形状に沿って乗っているため前額面状から約30°前方へと傾いた状態となっております。この斜めの肩甲骨の傾きを肩甲骨面状といいます。

通常自然に下垂している上肢の肢位は肘が伸びた状態で上腕骨内顆-外顆を結んだ線が肩甲骨面に近似しています。また前腕遠位部(肘先にある腕)は中間位になっています。

そのため、まずは上腕部の肘側にある内側と外側の出っ張りを探します。

この2つの出っ張りを手で触れ線を引いたラインが肩甲骨面と同じ30°前方に傾いた状態であれば上腕骨のアライメントは良い位置で保たれているということになります。

ステップ①:自然に立ち、腕を下ろす

鏡の前に立ち、両手を力を抜いて体の横に下ろします。

手のひらがどの方向を向いていますか?

手のひらが体の横を向いている → 正常

手のひらが後ろ(背中)を向いている → 腕が内ねじれ(内旋)

手のひらが前を向いている → 腕が外ねじれ(外旋)

ステップ②:肘のラインを確認

肘の内側と外側の骨の出っ張り(内顆・外顆)を指で触れ、結んだ線をイメージします。

この線が肩甲骨の面(約30°前方)と平行であれば正常です。

これが外側または内側に傾いている場合、ねじれが起きています。

ステップ③:腕を前に伸ばして確認

手のひらを上にして腕を前に伸ばします。

肘を伸ばしたときに手のひらが内側や外側に偏っていないか確認します。

自然な状態で「中間位(親指が上)」になっていれば理想的です。

肩甲骨のことについてまとめた記事がありますので興味のある人はぜひこちらの記事もご覧ください。

腕の捻れのみかた

腕の捻じれをみるときに重要になるのは

腕の捻じれをみるときのポイント

上腕内顆-外顆を結んだ線と肩甲骨面の関係の変位と前腕肢位の変位が同側方向なのか、それとも異なる方向なのかをみることが重要になります。

正常な腕の位置

こちらは正常な腕の位置になります。

上腕骨の内顆-外顆を結んだ線は肩甲棘の延長線上にあり、かつ前腕が中間位の状態となっております。

肩甲棘とは肩甲骨の上のくぼみと下のくぼみを隔てている部分になります。

肘が曲がってしまっている

肘が曲がってしまっており、肘が伸びない人の原因は肩甲骨の位置に問題がある場合、もしくは上腕二頭筋の緊張が高いことが考えられます。また肩甲骨は過度な前傾や内転を呈している場合にこのような肘の伸びにくさが生じやすいです。

上腕・前腕共に同側に変位している

上腕・前腕ともに同側に変位している場合肩甲上腕関節に問題があることが考えられます。そのためこのような捻じれ方の場合は肘ではなく、肩の位置を修正することがとても重要になります。

上腕部だけが変位している

上腕部だけが変位している場合は前腕部に問題があることが考えられます。このような捻じれ方の場合は肘から前腕部の位置を修正することが重要になります。

上腕と前腕が異なる方向へ変位している

上腕と前腕が異なる方向へ変位している場合は肘関節前腕部に問題があることが考えられます。このような捻じれ方の場合は肘や前腕部の位置を修正することが重要になります。

改善に向けたセルフケア方法

① 胸のストレッチ(大胸筋)

壁に手をついて胸を軽くひねることで、腕の内旋を解消しやすくなります。

1回20秒×3セット。

② 肩甲骨を動かす

両肩を後ろに回しながら、肩甲骨を背中の中心に寄せる意識をすることで肩甲骨周りの柔軟性を高めることができます。

1日数回行うと、肩の位置が安定しやすくなります。

③ 手首の回旋運動

肘を90°に曲げ、手のひらを上→下→上と交互に回します。

回内・回外を滑らかにすることで前腕のねじれを整えます。

④ 背中の筋肉を鍛える

特に「菱形筋」「僧帽筋下部」は、肩甲骨を正しい位置に戻すのに重要です。

チューブを使ったローイング運動などがおすすめです。

まとめ:腕のねじれを放置しないことが大切

腕のねじれは「姿勢」「筋肉」「関節」のバランスが崩れた結果です。

軽度のねじれならセルフケアで十分改善できますが、慢性的な痛みや左右差が強い場合は、理学療法士など専門家に相談するのが安心です。

腕は普段何か物を持ったり、対象物を押したり、引いたり、そして指先の細かな作業をしたりと生活の中で欠かせない部位の一つです。

そのため、使用頻度多い部位のため負担がかかりやすく、痛めやすい部位の一つでもあります。

このような問題が生じやすい人は関節のアライメントが崩れていて、普段の何気ない動きでも腕に負担をかけている可能性があります。

今回の記事を読んでもし自分の腕のアライメントに捻じれがあるという方はまずはそのアライメントを修正する方法をみつけることがとても大切になります。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

naizokozoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました