はじめに
日本人にとってお風呂に入ることは昔から行う自然な習慣です。この何気ない習慣が血液を若返らせることと密接に関係しています。
皆さんは身体の中にある臓器の中で特に血液の循環が重要な臓器をご存じでしょうか。それはずばり『腎臓』になります。
腎臓は血液中の要るものと不要なものを分けるろ過という機能を持っています。そのため、血流自体が滞ってしまうことは腎臓に多大な影響を与えてしまいます。
そこで本日は血液の集合体とも呼ばれる腎臓と入浴の関係性についてお伝えしたいと思います。
お風呂は手軽な血液のケア
しかし、近年ではライフスタイルの変化からシャワーでお風呂を済ませる人も増えてきました。
しっかりとお湯に浸からずシャワーで入浴を済ませてしまうと身体内部の温度が十分に上がらず体内の循環を高めることができません。
すると冷え性や免疫力の低下、不眠などにもつながります。そのため、1日の疲れをとるだけではなく、身体の状態を良くする意味でもしっかりとお湯につかることはとても大切なことなのです。
入浴による腎臓への効果
腎臓には心臓からでた血液の約1/4もの量が流れていきます。
そのため、お風呂に浸かることで全身の血行が良くなり、結果的に腎臓への血流も改善します。
つまり、入浴は腎機能改善の助けになるということです。ただし、腎機能が悪い方は次のようなタイミングや症状がみられるときは入浴を控えましょう。
- 普段より血圧が高い
- 強い浮腫がある
- 食事の後すぐ
- 飲酒をした直後
適切な入浴温度についてはこちらの記事に詳しく書いてありますのでぜひご覧ください。
腎臓が悪い方は血圧の変動に注意
一般的に血液の流れに効果的な温度は40度から42度くらいといわれており、腎機能に問題がある方は特に温度調節が大切になります。
熱いお風呂に入ると血圧は急上昇し、お風呂から出るときは血圧が一気に下がります。こうした血圧の変動は腎臓病の方にとって好ましくありません。
そのため、入浴するときは出来るだけ血圧を変動させない腎臓に優しい入浴を心掛けることが大切になります。そのためのポイントとして以下のことを意識すると良いと思います。
- 42度以上のお湯は避ける
- お湯には続けて10分以上つかるのは控える
- 浴室と脱衣所の温度差を小さくする
- 飲酒後すぐの入浴を控える
- 入浴前後で水分摂取を心がける
腎機能が悪化することで生じる症状に腰痛があります。腎臓由来の腰痛の特徴についてはこちらの記事に詳しくまとめてありますので、ぜひご覧ください。
ストレスは腎臓に悪影響
普段の仕事や家事でストレスを感じることは多いと思います。
そういうときに大切になるのがリラックスする時間を作るということです。つまり副交感神経を高めリラックスする入浴法を知っておくことがとても大切になります。
入浴中に副交感神経を高めるコツ
- 入浴中にマッサージをする
- 入浴剤を使う
- 適度な温度(38度前後)のお風呂に浸かる
- 目を閉じてゆっくり深呼吸をする
副交感神経を高める方法にマッサージやストレッチがあります。マッサージやストレッチについての記事はこちらにも詳しくまとめてありますのでぜひご覧ください。
筋肉の滑走性を高めるコツは伸ばすのではなく、まず縮めることがポイント。
腎臓の位置
皆さんは腎臓がどこにあるのかご存じでしょうか。臓器の位置を知っておくことはその部位に不調が生じた時にいち早くその問題に気付くためのきっかけになります。
そのため、だいたい腎臓がどの位置にあるのか把握しておきましょう。
腎臓のあるポイントは肋骨の一つでもある第12肋骨の高さにあります。
通常肋骨は胸骨と連結を持っています。しかし、第12肋骨は胸骨と連結を持たないため浮遊肋と呼ばれています。
分かりづらい方は腰をトントン叩く位置がだいたいその位置になります。
腎臓に付着する筋膜のつながりを意識したマッサージ
そのため、入浴中などにふくらはぎをマッサージすることで筋膜のつながりを利用して腎臓に付着する筋肉の緊張も軽減することができます。
すると腎臓に付着する腸腰筋や腰方形筋の緊張が緩み腎臓の動きを促しやすくなります。
ふくらはぎをマッサージするときのポイントはうちくるぶし(内果)の上の脛骨の際に沿ってマッサージをすることです。
腎臓に付着している筋肉の特徴についてはこちらの記事に詳しく書いてありますのでぜひご覧ください。
最後に
入浴は1日の疲れをとるためのとても大切な時間です。しかし、お風呂が苦手で烏の行水のように済ませてしまう人も多いと思います。
普段仕事でストレスが溜まっている方はしっかりお湯に浸かりリラックスすることが大切ですが、腎臓が悪い方などは無理に長く入ることで逆に負担が増えてしまいます。
そのため、自分の身体を知り、自分にあった入浴方法を理解しておくことが大切になります。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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