一日中パソコンの人へ:猫背が原因の肩こり・頭痛をピラティスで改善する5ステップ

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はじめに

現代においてパソコンなどの仕事によって一日中猫背の状態で過ごしている人はとても多いです。私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しておりますが、猫背やストレートネックによってからの不調をきたしている人がとても多くみえます。

そこで今回は私が普段リハビリやピラティスの時に猫背を解消するために指導しているポイントについてお伝えしたいと思います。

1. デスクワークで猫背・肩こり・頭痛になるメカニズム

長時間のパソコン作業やスマホ操作によって、頭が前に突き出る「フォワードヘッド姿勢」になりやすくなります。

頭の重さは約4〜6kgですが、首が前方に傾く角度が大きくなるほど首・肩にかかる負荷は2倍3倍に。肩の僧帽筋や頸部の筋肉が常に引っ張られるため、血流が滞りやすく、肩こりや緊張型頭痛の原因になります。

理学療法士の視点で見ると、猫背・肩こり・頭痛の背景には「胸椎の硬さ」「肩甲骨の動きの悪さ」「呼吸の浅さ」が共通して存在します。

姿勢の崩れが単なる見た目だけでなく、神経や血流にも影響を及ぼし、頭痛や倦怠感につながることも多いです。

2. 猫背度合いをセルフチェック

まずは自分がどれだけ猫背になっているか把握しましょう。

壁を背に立ち、かかと・お尻・背中・後頭部をつけた状態を確認します。

猫背のチェックポイント

後頭部が壁につかない

肩が丸まって壁に付きにくい

腰と壁の間に手が2枚以上入る

これらが複数当てはまれば、猫背・骨盤の傾きが進んでいるサインです。スマホの自撮りで横からの姿勢を撮影してみるのもおすすめです。

3. 猫背を悪化させる日常の癖

改善の第一歩は、原因となる生活習慣を知ることです。

長時間同じ姿勢(PC作業・スマホ操作)

モニターの位置が低く、目線が下がっている

肘をつかずにキーボードを打ち続ける

足を組む、片方に重心をかけて座る

呼吸が浅く、胸式呼吸になっている

これらを意識的に減らすだけでも症状が軽くなることがあります。特に「足裏を床にしっかりつける」「目線を上げる」「1時間に1回立ち上がる」など、小さな工夫が効果的です。

もっとも猫背になりやすい姿勢が座位になります。普段から仕事でほとんど座っている人などは猫背を助長しやすく肩や首、腰に負担がかかりやすい状態になっています。そのようなときにおすすめなのが骨盤サポートになります。こちらの記事に正しく座るためのおすすめアイテムについてまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。

4. ピラティスでできる猫背・肩こり頭痛改善エクササイズ(5ステップ)

ここからは、理学療法士として多くのデスクワーカーに指導してきた中で効果が高かった「ピラティス+姿勢改善」の基本エクササイズを紹介します。1回5〜10分でできるので、昼休みや仕事後に取り入れてみましょう。

ステップ1:呼吸を整える「胸郭エクスパンション」

背筋を伸ばして手を肋骨に添えます。鼻から息を吸い、肋骨が横に広がるのを感じながら胸郭を膨らませます。口からゆっくり吐きながら肋骨を内側に戻す。10回。

ポイント

背骨をまっすぐ保ち、呼吸の際は肩を上げないこと。呼吸を整えるだけで首・肩の緊張が和らぎます。また肋骨の動きが改善することでコアの力が入りやすくなり、姿勢の改善を促すことができます。

ステップ2:肩甲骨の動きを取り戻す「スキャプラリトラクション」

四つ這いの姿勢で両手を肩幅に置き、肩甲骨を軽く寄せる・開くを繰り返します。背骨はニュートラルを保ち、肩をすくめないように注意。10回。

ポイント

この動きによって肩甲骨の位置感覚を取り戻すことが肩こり改善の基礎です。首や肩周りに余計な力が入らないように意識することでより肩甲骨の動きが促進し肩周りの柔軟性が改善しやすくなります。

ステップ3:胸を開く「スワンプレップ」

うつ伏せで両手を肩の横に置き、軽く胸を起こします。腰ではなく胸椎から反らせる意識で行います。5回。

ポイント

背中を反らす際に常に首を長くする意識を持つことで背部の筋肉に刺激を入れることができます。胸椎の伸展が改善すると猫背が和らぎ、呼吸もしやすくなります。

ステップ4:背筋全体を整える「ショルダーブリッジ」

仰向けで膝を立て、息を吐きながら骨盤を丸めて背骨を一つずつ持ち上げ、肩から膝まで一直線にします。

次に息を一度吸い、吐きながら背骨の上からゆっくりと一つずつ地面に下ろすようにして開始姿勢に戻ります。

ポイント

エクササイズの際、腰ではなくお尻と太ももの裏を使う意識がとても大切。この動きによって背骨や骨盤の柔軟性を高めることができます。

ステップ5:姿勢を安定させる「シーテッド・スパインツイスト」

床に座り、背筋を伸ばして腕を横に伸ばす。息を吐きながら体をゆっくり左右にツイスト。骨盤は動かさず背骨だけを回す。左右各5回。

ポイント

回旋時は胸郭の捻じれを意識し、できるだけ臀部は左右とも地面に均等に常に乗せておくイメージで行います。胸椎の回旋可動域が広がると、肩・首の負担を軽減することができます。

5. よくある間違い・避けたいエクササイズ

猫背・肩こりを改善したい人がやりがちなのが、自己流の強いストレッチや腹筋運動。反動をつけすぎたり、首を強く引っ張る動作は逆効果になることもあります。

痛みが強い場合やしびれがある場合は、自己判断せず専門家に相談しましょう。

6. 続けるコツと生活習慣の見直し

1日5分、週3〜4回からでもOK です。

朝・昼・夕方の休憩時間に「呼吸+1種目」だけでも良いです。無理にたくさんをやろうとせずまずで無理なくできる量を自分で探すことが大切です。

モニターや椅子・机の高さを見直す

目線を上げる

肘掛けやクッションを活用する

こうした小さな積み重ねが、首肩の血流・筋肉バランスを整え、頭痛の頻度を減らすことにつながります。

7. まとめ

猫背や肩こり、頭痛は「年齢だから仕方ない」「仕事柄仕方ない」と思われがちですが、姿勢と呼吸・肩甲骨の動きを整えることで多くの人が改善を実感しています。

ピラティスは体幹を鍛えるだけでなく、関節や呼吸を整え「正しい動き方」を再教育するメソッドです。理学療法士としても安全に取り組める運動としておすすめできます。

まずは今回紹介した「胸郭エクスパンション」「スキャプラリトラクション」など簡単なものから取り入れ、自分の姿勢の変化や肩こり頭痛の軽減を感じてみてください。続けることで、見た目だけでなく仕事中のパフォーマンスや疲労感も変わっていくはずです。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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