はじめに
皆さんはよく小学校や中学校の時マラソン大会があったと思います。このマラソン中に横っ腹が痛くなった経験をされた方はとても多いのではないでしょうか?
私自身もこの脇腹の痛みでとても苦労した思い出があります。
そうそう、よくマラソン中にお腹が痛くなるんだよね。
実はこの横っ腹の痛みは内臓や筋肉が関係しているのです。そして、この脇腹の痛みは左右で原因が異なるということを皆さんはご存じでしょうか。
そこで今回はマラソンで脇腹がズキズキ痛くなる原因と対処法についてお伝えしていきたいと思います。
マラソンがもたらす内臓への効果
- 心肺機能の向上
- 内臓脂肪の減少
- 血圧や血糖値の改善
- 善玉コレステロールの増加
- 睡眠の質の向上
- 血行促進
心肺機能とは
この一連の流れが心肺機能といわれております。
右の脇腹痛の原因
マラソンは有酸素運動に分類されます。この運動は主に心肺機能に作用し呼吸器系への負担が増加します。
すると呼吸筋である横隔膜への負担も増大し痛みを生じます。
また横隔膜は肝臓との連結が強いといった特徴があります。肝臓は身体の中で最も重い臓器といわれ質量は1.5㎏もあります。
そのため、ランニングによって肝臓が揺れることで横隔膜を引っ張りさらに横隔膜の負担が強くなります。すると結果的に右脇腹痛を生じることにつながります。
左の脇腹痛の原因
左脇腹の痛みは脾臓の急激な収縮によるものです。脾臓は古くなった赤血球を破壊する機能の他に、体内の余分な血液を貯蔵し運動時にその酸素を含んだ血液を筋肉に送り出す機能を持っています。
つまり、脾臓には血液の貯蔵と全身の血流量の調節という機能が備わっています。
マラソンにより身体が酸素を発する状態が続くと脾臓は貯蔵されている血液を身体に送り出そうとして一気に脾臓が収縮します。すると脾臓に負担がかかり、左脇腹に痛みを生じます。
脇腹の痛みを軽減するためのストレッチ法
今回は右脇腹痛の原因でもある横隔膜と左脇腹痛に影響する脾臓の滑走性を引き出すためのストレッチ法についてお伝えします。
今回ご紹介するストレッチは脇腹が痛くなってから行うのではなく、日頃からできるだけ継続してストレッチを行い、組織の滑走性を高めておくことでマラソン中などに起こる脇腹の痛みを軽減するものになります。
横隔膜のストレッチ
横隔膜は心臓や肺の下にあり、また肝臓の上に位置する膜状の筋肉になります。横隔膜は胸郭と腰椎に付着しているため、ストレッチを行う際はしっかりと胸郭と腰椎の動きを引き出すことが重要になります。
まず1つ目は四つ這いになります。次に手でしっかりと地面を押し背骨を天井に向かって丸くします。このとき腰にしっかりと丸みが出るように意識して行いましょう。
次にお尻を突き出しながら背中を反るようにします。この時も腰にしっかりと反りが出るように意識して行います。
2つ目は胡坐の状態になります。そうしたら片側の手を反対側へ伸ばしながら、身体を傾けていきます。この状態でゆっくりと呼吸をし、脇腹の伸長感を感じながら30秒から60秒キープします。この運動を左右とも行います。
こちらの記事には横隔膜を直接刺激を入れる方法を紹介しています。
この方法は肝臓に触れながら横隔膜に刺激を加える方法になりますので、興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
脾臓ストレッチ
マラソンなど有酸素運動をやる前に少し内臓の動きを良くすることでマラソンの最中に生じる左の脇腹痛を軽減することができます。
脾臓は実質臓器に分類されます。実質臓器とは簡単に言うと中身が詰まった質量の多い臓器ということです。そのため、実質臓器の動きが悪くなることで身体の動き影響を与えやすくなります。
脾臓は左側の脇腹に位置し、さらに細かく言うと左の第10肋骨の軸上にあります。手を左の脇腹に沿って触れた時に一番ボコっとした肋骨が第10肋骨になります。
〇で示した部分が左の第10肋骨、●で示した部分が脾臓になります。
第10肋骨がわからない場合はお腹側から肋骨の一番下に触れたものが第10肋軟骨になります。その位置から脇腹に向かって肋骨を触れていくと第10肋骨に触れることができます。
最初に胡坐になります。次に左手を上にあげ、右手で左の第10肋骨辺りに触れ下方に引っ張ります。
そのまま身体をゆっくりと右へと倒していき、左脇腹をストレッチします。
この状態でゆっくり30秒から60秒程深呼吸をしながら左脇腹をストレッチによって脾臓周囲の前額面状の滑走性を引き出すことができます。
このときのポイントは息を吸った際に左の脇腹にしっかりと膨らみができるイメージで呼吸をすることでより左側の脇腹の動きが改善しやすくなります。
次にその姿勢のままでさらに身体を右斜め前方に向かってゆっくりと倒していきます。
すると左脇腹が伸びている感覚から左の背面が伸びる感覚に変わると思います。このストレッチによって脾臓周囲の矢状面上の滑走性を引き出すことができます。この動作も30秒から60秒程ゆっくり行ってください。
最後に座位の状態で右手を左第10肋骨上、左手を胸の前に置きます。
次に右手で左の肋骨を前方へ引っ張りながら左手で胸を左側へと捻じるように誘導します。この捻じった状態の姿勢で30秒から60秒程深呼吸をします。
このストレッチによって脾臓周囲の水平面上の滑走性を引き出すことができます。
このストレッチは毎日行っていただくことで脾臓周囲の滑走性が高まりやすくなりますのでぜひ継続して行ってみてください。
最後に
社会人になると運動する時間が極端に減りますよね。手軽にできる運動の代表にジョギングがあります。
しかし、急に始めると身体がついていかず筋肉痛や疲労感、そして今回紹介した腹痛なども起きやすくなります。
運動は急に始めてすぐやめてしまうのではなく継続していくことが大切です。継続していくことで内臓の循環も上がり負担も軽減します。
普段の生活で時間を見つけて効率よく身体を動かす習慣をつけていきましょう。それが将来生活習慣病になることを予防することにもつながります。
本日もご覧いただきありがとうございました。
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