はじめに
皆さんは長時間座っているとお尻や太ももの外側が痺れたことはありますか。私はよくこのブログを書く時に同じ姿勢で座っていることが多いのでお尻や太ももがよく痺れたりします。
実はこの痺れはある神経が関係している可能性があります。特に男性に多いあぐらという姿勢はその神経に負荷がかかりやすい姿勢でもあります。
そこで今回は長時間あぐらをとることで痺れる原因とその対処法についてお伝えしたいと思います。
あぐらとは
あぐらは股関節を開いた状態で座る姿勢になります。
このとき股関節は
屈曲
外旋
外転
という3つの動きが組み合わさった状態になっています。
さらに、骨盤は後傾位という位置になりやすい状態となります。
あぐらになると縮まる組織
筋肉が短縮するとその間を走行している神経や血管の滑走性が低下しさまざまな症状を引き起こしやすくなります。
もう一つはあぐらに限ったことではなく、同じ姿勢を長時間とることで骨盤‐股関節周囲の組織の滑走性が低下します。すると組織の間を走行する神経を圧迫し痺れなどの症状が出てしまう可能性が高まります。
あぐらのように股関節を開くような姿勢をとりつづけると股関節周囲の組織の滑走性が下がります。股関節の動きを改善するための記事はこちらにまとめてありますのでぜひご覧ください。
あぐらになると痺れる原因
あぐらになることで痺れる原因は大きく分けて2つあります。
坐骨神経による痺れ
1つ目が坐骨神経を圧迫することで痺れるパターンです。
臀部には仙骨からでる坐骨神経が走行します。この坐骨神経は臀部の深層に位置し臀部の中央から大腿後面の中心に向かって走行しているためあぐらによって臀部に圧がかかることで坐骨神経を圧迫してしまいます。また、この坐骨神経はお尻にある筋肉の一つでもある梨状筋の間を走行していきます。
そのため、あぐらによって股関節外旋位を長時間とることで梨状筋が短縮し滑走性が低下することでも坐骨神経を圧迫してしまいます。
そしてこの坐骨神経は主に臀部から大腿後面から外側にかけての感覚を司るため、坐骨神経が圧迫されることで大腿外側の痺れを誘発します。
坐骨神経の圧迫を起こしやすい座り方に『仙骨座り』があります。仙骨座りを改善するための方法についてはこちらの記事をご覧ください。
外側大腿皮神経による痺れ
2つ目の痺れを起こす可能性のある神経として外側大腿皮神経があります。
この神経はL2、3の神経根からはじまり、骨盤の前外側にあるでっぱった骨(上前腸骨棘)の少し内側を走行し、鼠径靭帯と縫工筋に挟まれるようにして骨盤外へと走行していきます。そして最終的に太ももの外側の皮膚へと神経が走っていきます。
この神経は長時間同じ姿勢で座っていたり、きつめのズボンを履いたりすることで骨盤からでる神経の出口が圧迫されてしまうことで大腿外側に痺れや痛みを誘発します。
痺れを軽減するポイント
痺れを軽減するポイントは
持続的な圧迫を控える
骨盤周囲にある組織の滑走性を高める
の2つになります。
持続的な圧迫を避ける
まず一つ目が持続的な圧迫を避けるということです。これはいくら良い姿勢でも同じ姿勢で同じ部位に圧迫が加わり続けるとその部位の体液の循環が滞り筋肉や神経、血管などの滑走性が低下します。すると、痺れの症状を引き起こしやすなります。
そのためこのようなことを防止するポイントは
30分に一回お尻の圧を抜くということです。
骨盤周囲にある組織の滑走性を高める
2つ目が骨盤周囲にある組織の滑走性を高めることが大切になります。骨盤周囲の滑走性を高めることによって神経の圧迫を解消し痺れを軽減することが期待できます。
特に坐骨神経と大腿外側皮神経によって組織の滑走性を高めるポイントが異なるため、それを今からご紹介したいと思います。
神経の圧迫を軽減する方法
神経は筋肉の間を走行しながら身体の隅々に伸びていきます。そのため、神経を圧迫しやすい筋肉を覚えておくことで、自身で痺れなどに対応することができるようになります。
坐骨神経
坐骨神経痛は先ぼども述べましたが、殿部の深層にある梨状筋という筋肉が硬くなることで起こりやすくなります。そのため、梨状筋の動きを良くするためのストレッチの方法をお伝えします。
まず伸ばしたい側の足を反対側の膝に乗せます。この状態で30秒から60秒キープし梨状筋を含めたお尻の筋肉をストレッチします。
お尻がしっかり伸びたらその状態で足を左右にゆっくり倒していきます。足をゆっくり倒すことでお尻の筋肉をまんべんなくストレッチすることができます。この動きを左右20回ずつ行います。
大腿外側皮神経
大腿外側皮神経は先ほども述べましたが鼠径靭帯と縫工筋によって圧迫を受けやすい神経になります。そのため、縫工筋の起始部の滑走性を高める方法についてお伝えしたいと思います。
まず骨盤の前外側にあるASISを探します。ASISをみつけたらそのすぐ下内方にある縫工筋の起始部をつまみ上げるようにして把持します。
縫工筋の起始部を把持したまま足を左右にゆっくりと倒していきます。この時も縫工筋をしっかりとつまみ上げるようにして把持し続け、縫工筋と鼠径靭帯の下に神経の通り道を作るようなイメージで緩めていきます。この動きを左右20回ずつ行います。
最後に
皆さんいかがでしたか。足の痺れは誰でも一度は経験したことがあるかと思います。足が痺れるとなんとも言えない苦痛を感じ、それが治るまでじっと耐えるという人ばかりだと思います。
しかし、身体の構造や原因を知っているとそのようなときに自分で対応できることもたくさんあります。今回の記事を読んで、症状が当てはまるという人はぜひ一度試していただけたらと思います。
今後も皆さんの身体の悩みを解決するための情報を発信していきますので、ぜひご覧ください。
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