はじめに
私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しております。
その中でお尻を鍛えたいという人がとても多い印象です。特に【丸いお尻を】にしたいという人が割合として多い印象です。
お尻を鍛える代表的なエクササイズの一つに『クラムシェル』があります。
このエクササイズは見た目だけではなく、身体の機能性を高めるのにもとても適したエクササイズになります。そして先ほど申した丸いお尻を作るのにとても効果的なエクササイズになります。

そこで今回はこのクラムシェルのやり方とポイントについてお伝えしたいと思います。
クラムシェルとは
クラムシェルとは殿部の深層にある外旋筋群を刺激するエクササイズになります。このエクササイズは【股関節外旋】という動きを側臥位という状態で行うことで重力下の状態で効率的に股関節に負荷を与えることができます。

丸いお尻を作りたい人におすすめ
クラムシェルは股関節を外旋させながら行うため丸いお尻を作りたいという人におすすめなエクササイズになります。
女性は内股の人が多く、この外旋筋群をうまく使えない人が多いです。
要因として
股関節前面や内側の硬さがある
殿部の力が弱い
などが挙げられます。
外旋筋群は主に仙骨から大転子に向かって走行しているため、この筋肉に力が入ると殿部を横方向(外側から内側に向かって)引き締めてくれます。
梨状筋
上双子筋
下双子筋
内閉鎖筋
外閉鎖筋
大腿方形筋

そのため、クラムシェルは丸いお尻の形を形成するのにとてもおすすめなエクササイズになります。
他にも股関節についてまとめた記事がありますので、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
仙腸部の痛みがある人にもおすすめ
私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しています。その際よく仙腸関節性の腰痛を訴える方がいます。
この仙腸関節性の痛みはズキッと仙腸部に感じることが多く特に座っている時などに増悪しやすい特徴があります。
この仙腸関節性の腰痛の原因として多いのが仙腸関節の不安定性になります。この不安性を改善するのに殿部の筋力がとても重要なポイントになります。
このクラムシェルというエクササイズは殿部の力を鍛え、仙腸部の安定性を高めるのにとても適しています。
クラムシェルのポイント
プラムラインを崩さない(肩峰から大転子)

クラムシェルのポイントは股関節の外旋運動です。しかし、この外旋運動時に骨盤が安定しないと股関節外旋筋群に効率よく刺激が入りません。そのため、クラムシェルを実施中、常にプラムラインが保たれているかを確認することがとても重要になります。

こちらは股関節を開く際に胸が前にねじれてしまうことでプラムラインが崩れています。

こちらは股関節を開く際に骨盤も後方へ倒れてしまうことでプラムラインが崩れています。
プラムラインを意識することで体幹を安定させながら股関節を動かす意識を高めることができます。
するとより効率的に殿部の筋肉に刺激を与えることができます。
股関節の動きを意識する
クラムシェルを行う際になりがちなのが『膝を開く』意識が強くなることです。膝を開く意識が強いと通常は殿部にある股関節外旋筋群に刺激が加わるのに対して大腿筋膜張筋や外側広筋に余計に力が入ってしまいます。
そのため、クラムシェルを行うときは『股関節(足の付け根)を開く』意識を持ちながら行うことがとても大切になります。
股関節の位置はASISの内下方の位置をイメージすると分かりやすいです。

股関節が開きにくいという方はぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
クラムシェルの応用
クラムシェル+サイドプランク
まず膝を曲げだ状態でサイドプランクの姿勢を作ります。

その状態で膝から体のラインが一直線の状態を維持しながらクラムシェルを行います。

このエクササイズによってお尻のトレーニングだけではなく、肩甲骨周囲や体幹、股関節の安定性も同時に高めることができます。綺麗なくびれを作りたい方やぽっこりお腹を治したい人にはとてもおすすめなエクササイズになります。
クラムシェル+肩関節外旋
また次に側臥位の状態で手にトーニングボールを持ちます。

私が使用しているトーニングボールはMerrithew製のものになります。とても把持した時の持ち心地が良く、中に砂が入っているためボールを動かす際に繊細な負荷を関節にかけることができます。私が普段レッスンをするときにとても重宝するツールの一つになります。

トーニングボールを把持した側の肩を外旋させながら同側の下肢を開排させることで殿部だけではなく肩甲帯のトレーニングも行うことできます。

最近とても多い猫背の方は肩の外旋筋群が低下していることが多いためこのトレーニングを行うことでお尻だけではなく猫背に対するトレーニングも同時に行うことができます。
クラムシェルの開排角度を広げて行う
最後はクラムシェルの角度で負荷を上げる方法になります。
スタート時点で少し股関節を開いた状態で横向きになります。

次にこの股関節が開いた状態からさらに股関節を開きます。このときプラムラインが崩れないように注意しましょう。

このように最大外旋可動域までしっかりと動かすことによって外旋筋群の筋長の幅が広がりより丸い綺麗な殿部を作ることができます。
最後に
皆さん、いかがでしたか。
クラムシェルは自宅でも簡単にできるエクササイズの一つです。
今回はそのクラムシェルのやり方だけではなく、その応用までお伝えしました。
ぜひお尻をキレイにしたいという方はご自宅で頑張ってチャレンジしていただけたらと思います。