【理学療法士解説】ランニングをすると足の裏が痺れる場合の原因と対処法について。

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【最終更新日:2025年10月14日】

はじめに

ランニング中に「足の裏がピリピリする」「走っていると痺れてくる」という経験はありませんか?

そのまま走り続けていると、痛みや感覚鈍麻につながるケースもあり、放置は禁物です。

足の裏は立っている時に唯一地面に接地している部位になります。そのため、足底は知らず知らずに負担がかかりやすい部位でもあります。

すると思い当たることがないにも関わらず急に足の裏に痺れや痛みを感じることがあります。

このような症状はよく歩く習慣がある方やランニングをされている方、そして足部にある特徴がある方に起こりやすいといわれております。

本記事では、理学療法士の視点から“足の裏のしびれ”の原因と正しい対処法・予防法を詳しく解説します。足裏の不調を早めにケアし、快適に走れる体を取り戻しましょう。

ランニングで足の裏がしびれるのはなぜ?

足の裏のしびれには、筋肉・神経・靴・姿勢など、さまざまな要因が関係しています。

ここでは、ランナーによく見られる代表的な原因を順に見ていきます。

足裏の神経が圧迫されるケース

足の裏には「足底神経」という神経が通っています。

また、ランニングを日課にされている人は足の裏にある母趾外転筋が発達していることがあります。

すると母趾外転筋と足底腱膜の間を走行する内側足底神経が絞扼され痺れを生じることがあります。

これをジョガーズフットといいます。

ランニング中にこの神経が圧迫されると、ピリピリ・ジンジンとしたしびれが起こることがあります。

特に以下のような状態では圧迫が起きやすくなります:

シューズがきつい、または靴紐を強く締めすぎている

厚いインソールで神経が圧迫されている

長距離ランで足の裏の組織が疲労し、浮腫んでいる

足底神経への圧迫は「モートン神経腫」と呼ばれることもあり、放置すると慢性的な痛みを伴うこともあります。

足底筋膜炎やアーチ低下による影響

長時間のランニングで足裏の「足底筋膜」が炎症を起こすと、痛みやしびれが出ます。

また、土踏まず(アーチ)の低下=扁平足気味の方は、足裏全体に負担が分散されず、神経や筋膜へのストレスが増加します。

朝起きた時や走り始めに足裏が痛む

長時間立っているとしびれ・だるさが出る

→ こうした症状は足底筋膜炎の初期サインです

ジョガーズフットになりやすい人は足底内側の筋肉が発達している人だけではありません。

実は反対に足底内側の筋肉が弱くなっている人もジョガーズフットになりやすくなります。

足底の内側の筋肉が弱くなっている人にとても多いのが扁平足の人になります。

扁平足とは足底にあるアーチ構造が低下もしくは消失してしまっている状態を指します。

ポイント

そして特にジョガーズフットになりやすい人は内側のアーチが低下し、内側にある足底の筋肉に負荷がかかっている人に多く見られます。

内側の足底に負荷がかかることで内側足底神経が筋肉に絞扼されたり、神経自体が伸長されることで痛みや痺れが生じると考えられています。

足にお悩みのある方はぜひこちらの記事もご覧ください。

シューズやインソールの不適合

靴底のクッション性が弱かったり、形が合っていないと、走行中に足底の一点に圧力が集中します。

特に、サイズが合っていない・長年使い続けているランニングシューズは要注意です。

理学療法士としてのおすすめ

フィット感の高いランニング専用シューズを選ぶ

中敷き(インソール)はアーチサポート付きのタイプを選ぶ

クッションがへたった靴は早めに交換する

このような点を意識しながら靴を選ぶようにすることをおすすめします。

膝に不安を感じている方には、アサヒシューズの靴がおすすめです。

アサヒシューズは、足や膝への負担をできるだけ軽減するために、医学的な観点から設計された日本製の靴です。クッション性に優れたソールが衝撃を吸収し、歩行時の膝へのダメージを和らげてくれます。また、安定感のあるかかと設計とフィット感の高い甲部分が、正しい歩行姿勢をサポートしてくれるのも特徴です。

膝の痛みや違和感があると、外出や運動がつい億劫になってしまいますが、自分に合った靴を選ぶことで日常の動きがぐっと楽になります。

「歩きやすさ」「安全性」「やさしさ」にこだわるアサヒシューズは、リハビリ期の方や長時間歩くお仕事をされる方にも多く選ばれています。

膝を大切にしながら、無理なく元気に歩き続けたい方は、ぜひ一度アサヒシューズを試してみてください。

靴底の減り方が気になる方はもしかして身体に歪みが生じている可能性があります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。

筋肉の硬さ・姿勢バランスの乱れ

ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)やハムストリングスが硬いと、足の裏まで負担がかかります。

特に「つま先で強く蹴る走り方」や「前のめり姿勢」は、足底筋への過剰な緊張を引き起こします。

ランニングの前後にふくらはぎ〜足底のストレッチを行うだけでも、しびれの軽減が期待できます。

腰椎(坐骨神経)からくるしびれの可能性

腰やお尻の筋肉(梨状筋など)が硬くなると、坐骨神経が圧迫され、足裏までしびれを感じることがあります。

この場合、足裏だけでなく脚の後ろ側全体にしびれや違和感が広がるのが特徴です。

→ 腰からくる神経性のしびれが疑われるときは、整形外科での診察をおすすめします。

足裏セルフチェックの方法

足裏をみるときにとてもわかりやすいのがタコになります。タコは足底のその部位に荷重がかかり過ぎているサインになります。

タコができやすい位置は次のような部位になります。

母趾の付け根

小趾の付け根

中趾の付け根

母趾の側面

この中でも特にジョガーズフットになりやすい人は内側縦アーチが低下している場合の扁平足の人になります。

そして内側縦アーチが低下していることでタコになりやすい部位は母趾の付け根母趾の側面にタコができている人になります。

そこで今回は内側の縦アーチが発達し過ぎている場合の筋肉のリリース法と反対に内側縦アーチが弱くなることで足底内側に負担がかかっている場合の対処法についてお伝えしたいと思います。

足底の痛みの対処法

アーチサポーター

ジョガーズフットの対処法の一つにアーチサポーターがあります。アーチサポーターとは足底をサポートするためのアイテムになります。

ポイント

アーチサポーターを履くことによってアーチが低下している人に対しては足底アーチのサポート、ハイアーチで足底が硬い人には足底にかかる荷重の負担を分散し症状を和らげることができます。

ランニング中の足裏のしびれは、「アーチの崩れ」や「足底への圧力の偏り」が原因のことも多いです。その場合、シューズのクッション性を高めるだけでは根本的な改善にはつながりません。

そんな時に役立つのが、スリムアップインソールです。足裏の3つのアーチをバランスよくサポートし、体重が均等に分散される設計。走行中の神経圧迫を防ぎ、足の裏のピリピリ感を軽減してくれます。

✔ 長時間走ってもしびれにくい

✔ 扁平足・ハイアーチどちらにも対応

✔ 医療・スポーツ両方の視点で設計

しびれが気になる方は、シューズだけでなくインソールも見直してみましょう。

スリムアップインソールの詳細はこちら

母趾外転筋が弱い場合

今回は母趾外転筋トレーニングをするときにおすすめアイテムを一つご紹介したいと思います。

それはフランクリンボールになります。

このフランクリンボールの特徴は適度な硬さと大きさによって筋膜リリースやトレーニングを行う際にとても重宝される商品になります。

そして足底にアプローチするときはフランクリンボールの形状が足部のアーチをサポートし、より筋肉に刺激を与えることができます。

まずフランクリンボールの上に母趾球と小趾球を乗せます。

次に足趾を横に広げます。この動きを20回目標に行います。

次に足趾を反らせてフランクリンボールから指先を持ち上げます。

第2趾ー第5趾を反らせたまま、母趾だけをフランクリンボールに乗せるように力を入れます。この動きを20回目標に行います。

母趾外転筋が硬い場合

母趾外転筋は踵の骨(踵骨)から母趾の付け根(母趾基節骨底)に付着します。

そのため、踵の側面から母趾外転筋に触れていきます。母趾外転筋は足底の母趾側側面に走行しているため、踵から母趾側面に向かって筋肉をつまむようにして緩めていきます。

また図のように母趾を動かすことで間接的に母趾外転筋をリリースすることができます。

そして今回のポイントは母趾外転筋の足底面側の動きを引き出すことでより足底腱膜の母趾外転筋の間の滑走性を引き出すことができます。

足底面側の筋腹を確かめながら母趾外転筋に触れていきます。筋腹に触れたら母趾の付け根に向かってゆっくりと圧迫しながら緩めていきます。

すぐにできるセルフチェック法

自分の症状がどのタイプかを簡単に見分ける方法を紹介します。

✅ 足の裏だけがしびれる → 足底神経や筋膜のトラブルの可能性

✅ 脚全体に広がる → 坐骨神経や腰由来の可能性

✅ しびれが一時的(ラン後に出る) → 疲労・圧迫性の一過性症状

✅ 長引く・痛みを伴う → 神経障害や炎症のリスク

チェックの結果、「数日続く」「範囲が広い」と感じる場合は、自己判断せず専門家に相談しましょう。

ランニング時の足裏しびれを改善する対処法

ここからは、家庭でもできる実践的なケアを紹介します。

① ストレッチで足底とふくらはぎを緩める

壁に手をついてアキレス腱伸ばし 座ってタオルを足裏にかけ、つま先を手前に引く

テニスボールやストレッチボールを足裏でコロコロ転がす

これらを1日2〜3回・1回30秒ずつ行うだけで、足底の柔軟性が回復します。

② ランニングフォームを見直す

接地時にかかと→中足部→つま先の順でスムーズに体重を移動

猫背・前傾姿勢を避け、上体をまっすぐに保つ

歩幅を広げすぎない(オーバーストライド防止)

スマホ動画などで自分のフォームを撮影すると、姿勢の癖を客観的に確認できます。

ランニングフォームの意識するポイントについてはこちらの記事でまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。

③ シューズ・インソールを調整する

足のサイズをランニングショップで測定

扁平足やハイアーチの場合は、オーダーメイドインソールも検討

靴底が片減りしている場合は交換をする

足の形や体重移動に合ったシューズ選びが、再発防止のカギです。

④ アイシング・セルフマッサージ

ランニング後、足裏に違和感を感じたらアイシングを10分程度行いましょう。

また、オイルやローラーを使った軽いマッサージで血流を促すと、神経の回復を助けます。

病院を受診すべきサイン

以下のような症状がある場合は、自己ケアを中断して整形外科・神経内科を受診してください。

しびれが1週間以上続く

しびれとともに痛み・麻痺・冷感がある

腰やお尻にも違和感・痛みがある

片側の足に強い感覚の低下がある

理学療法士が教える再発予防とケア習慣

足裏のしびれは、「ケア不足のサイン」です。

以下のような習慣を取り入れることで、再発を防ぐことができます。

ランニング前後のストレッチを毎回ルーティン化

週1回はランを休み、筋膜リリースや軽いウォーキングで回復

ストレッチポール・フォームローラーで太もも裏をほぐす

ふくらはぎ・足裏のマッサージボールを習慣にする

これらを続けることで、足底筋膜炎や神経圧迫を未然に防ぎ、疲れにくい走り方が身につきます。

最後に

足の裏のしびれは、「体が疲労や負担を訴えているサイン」です。

原因を無視して走り続けると、慢性的な神経障害や炎症に発展することもあります。

まずは、原因を正しく知る 無理をせず休む 適切なストレッチとフォーム改善を続ける

これを意識するだけでも、再発を大きく減らせます。

もしセルフケアで改善しない場合は、理学療法士や専門医に相談し、体全体のバランスを見直すことをおすすめします。

あなたの足が、また軽やかに走れるように。

今日からできるケアを始めていきましょう。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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