背骨のS字カーブを整える方法/理学療法士が原因・改善ストレッチを解説。

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【最終更新日:2025年10月3日】

はじめに

人間の背骨には生理的なアーチが存在します。そしてそのアーチは皆さんもご存じのとおりS字カーブを形成しており、このアーチによって背骨の機能性を高めることができます。

しかし、現代では様々な要因によってこのS字カーブが減少してしまっている人が増えてきました。

S字カーブが減少することで

  • 背中が丸くみえる
  • 背骨が硬い
  • 腰を痛めやすい

など見た目の問題だけではなく、身体の機能性にもとても影響することを皆さんはご存知でしょうか。

背骨のS字カーブは体のバランスや衝撃吸収に欠かせないものです。これが崩れると腰痛・肩こり・疲れやすさなどの不調につながります。

質問する人
質問する人

でも背骨のアーチって生まれつきのものだから治すのって難しそうだな。

内臓小僧
内臓小僧

実は背骨のアーチが少ない人のほどんどは不良姿勢といった生活習慣が大きく影響しているんだよ。

質問する人
質問する人

そうなんですね。じゃあ原因をしっかりと対処すれば背骨のアーチも改善するかもしれないんですね。

内臓小僧
内臓小僧

そうなんだよ。だからしっかりと自分の身体の状態をみることがとても大切なんだ。

本記事では理学療法士が背骨S字カーブの役割や崩れる原因、自宅でできる改善ストレッチやチェック方法まで詳しく解説します。

背骨のS字カーブとは

背骨のS字カーブとは背骨に存在する弯曲のことをいいます。そして背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾骨に分かれています。

この中で背骨は椎体という小さなブロックが積み重なるようにして脊柱を形成しています。

しかし、この脊柱がただまっすぐ積み重なっているだけになると少しの衝撃で背骨にはとても大きなストレスがかかってしまいます。

そのようなことを防ぐために背骨には弯曲が存在し、そのようなストレスから背骨を守る構造になっています。

そこで脊柱にはどのような弯曲があるのかについて説明したいと思います。

背骨にある弯曲

背骨には3つの弯曲が存在します。

頸椎:前弯

胸椎:後弯

腰椎:前弯

という弯曲がそれぞれ存在します。

前弯とは前方に凸の弯曲がある状態を指します。

後弯とは後方に凸の弯曲がある状態を指します。

このS字が適切であることで立位、座位、歩行時に身体の重心が安定し、筋肉や関節への負担が減ります。反対に、カーブが平坦化すると「フラットバック」、過剰になると反り腰や猫背など姿勢の崩れや不調につながります。

背骨の弯曲が減少する原因

長時間のデスクワーク/スマホ操作

骨盤が後傾し背骨のS字カーブが減少するフラットバック姿勢になりやすいです。

筋力低下

骨を支える筋肉が弱くなると、正しい姿勢を保てずカーブが崩れやすくなります。

柔軟性の低下

股関節や胸椎の柔軟性が低下すると、骨盤や背骨の動きが制限され姿勢が固定されやすくなります。

生活習慣/癖

足を組む、背もたれに寄りかかる、ハイヒールの使用なども影響します。

加齢/疾患

加齢に伴う椎間板の変性や骨粗しょう症もカーブ変化の要因となります。

これらの要因によって背骨の生理的なS字カーブが崩れる可能性が高くなります。

背骨の土台になる腰部骨盤帯の重要性について

先ほども説明したように腰のレベルにある腰椎は生理的な前弯を形成しています。

この生理的な前弯がしっかりとあることによって腰のラインがスラッと綺麗にみえます。

この生理的な前弯はその下にある骨盤の位置にとても影響を受けやすい部位になります。

背骨のS字カーブが消失し腰のラインが崩れてしまう原因として多いのが骨盤後傾位という状態になります。

  骨盤後傾位

骨盤の正しい位置は

前方にある出っ張った部分の上前腸骨棘(ASIS)が後方にある出っ張った部分の上後腸骨棘(PSIS)より指2本分下にある位置になります。

つまり、骨盤の適切な位置はやや前傾位を呈した位置になります。そのため、骨盤がやや前傾位にあることでその上にある腰椎は生理的な前弯を形成しやすくなるというわけです。

しかし、骨盤が後傾してしまうとその上にある腰椎が屈曲し前弯が減少(腰が丸くなる)してしまいます。すると腰の形が凹型から凸型に変わってしまうため、腰の綺麗なラインが崩れてしまいます。

骨盤が後傾している場合はASISPSISの高さがだいたい同じ高さになります

【からだキープ】

S字カーブが減少することによる体への影響

骨盤が後傾し、腰椎の前弯が減少することで

  • 椎間板へのストレス増大
  • 脊柱の可動域低下
  • 体幹機能の低下
  • 腰からヒップにかけてのラインの崩れ
  • ぽっこりお腹

などにつながります。

このような状態になると見た目だけではなく、身体の機能性にも影響を及ぼし、将来的に腰痛のリスクが高まってしまいます。

S字カーブをきれいにする方法

腰のラインをきれいにする方法として今回は骨盤が後傾している人に対して

骨盤の前傾を促し腰椎の前弯を形成する方法

についてお伝えしたいと思います。

大腿後面ストレッチ

■やり方
①仰向けの状態から片脚の太ももを両手で抱えます。

②そのまま膝をゆっくりと天井に向かって伸ばしていきます。このストレッチを左右とも行っていきます。

■時間
40秒から60秒

■エクササイズのコツ
ストレッチをしている側と反対の足が地面から持ち上がらないようにすることでよりストレッチの効果が高まります。

殿部のストレッチ

■やり方
仰向けになり足首を反対側の膝の上に乗せます。その状態で太ももの裏側を持ち身体に足を引き寄せます。このストレッチを左右とも行っていきます。

■時間
40秒から60秒

■エクササイズのコツ
足を身体に引き寄せるとき手の力だけではなく、下半身の力も使って足を引き寄せることでより強くお尻をストレッチを行うことができます。

骨盤前傾エクササイズ

■やり方
うつ伏せの状態で膝を曲げ左右の踵をくっつけます。
この状態で踵どうしを押し付け合いながらお尻を締めるように力を入れていきます。

■回数
20回×3セット

■エクササイズのコツ
お尻を締めるときに足の付け根が地面から持ち上がらないようにすることでより骨盤の前傾を促すことができます。

背骨のアーチを綺麗にするおすすめツール3選

背骨のアーチを作るためのツールを使用することでより効率的に効果を実感することができます。今回は私が特にお勧めする背骨の形を綺麗にする商品をご紹介したいと思います。

一つ目:ウェーブストレッチリング

こちらの商品は人間の身体にあるアーチ構造に合わせた作り方になっています。細かく言うと今までにない内すぼり、ダブルアーチの形状になっており、持ちやすくどこでもセルフケアができます。

人間には背骨にある3つのアーチだけではなく、肋骨・足底・骨盤にもアーチがあり、それぞれ部位にも対応可能になっています。

またアーチを引き出すだけではなく、筋肉をほぐしたり、インナーマッスルに刺激を入れるのにもとても活躍してくれる商品になっています。もちろん背骨を綺麗に見せたいという方にもおすすめです。

二つ目:アークバレル

こちらの商品はピラティス界の名門校とも呼ばれるSTOTT PILATESで開発されたものになります。形状は円弧型になっており、背骨のアーチの補助や身体にかかる負荷なども調整しながらエクササイズに取り組むことができます。

また比較的軽量で持ち運びもしやすく、耐久性もとてもしっかりとした作りになっています。

私も実際にこちらの商品を購入して試しましたが、とても肌触りが良く、またこのバレルの上に仰向けに寝た時は背骨を反らすストレッチやそこから上体を起こしより負荷の高い体幹トレーニングが可能になります。バレル上にうつ伏せに寝た時は腰が反り過ぎないようバレルがサポートの役割を果たしながら背部のトレーニングが可能になります。ぜひご自宅に一つはほしい商品になります。

三つ目:ストレッチポール

私がおすすめする3つ目の商品はやはりこのストレッチポールになります。

そして私が実際使用しているストレッチポールはこちらのものになりますが、数あるストレッチポールの中でなぜこの商品が良いのかというと、それはずばりストレッチポールの硬さになります。

こちらのストレッチポールは強度と粘度に優れたEPEを採用しています。EPEは、耐久性はもちろんのこと、ストレッチポールに当たる身体の部位を適度な反発力で押すことにより、最大限の効果を引き出すことができます。実際に使用すると適度な柔らかさで身体の一部がポールに触れても違和感なくエクササイズを行うことができます。

そしてこの円柱状の形によってポール上に仰向けになるだけで胸が開き、また背骨の歪みを解消するのにとても効果が期待できます。

改善にかかる期間・注意点

背骨のカーブ改善は「短期間で劇的に」よりも「毎日少しずつ継続」が基本です。週3〜4回、数分間でも習慣化すると、2〜3週間で体の感覚が変わる方もいます。筋力強化には2〜3か月、姿勢習慣の定着にはさらに時間がかかることもあります。

無理な矯正や強いストレッチはかえって痛みの原因となるので注意が必要です。痛みが強い場合は医療機関や理学療法士に相談しましょう。

日常生活でできる予防・維持法

デスクワークでは腰を立てる意識と椅子・クッションでサポート 1時間に1回は立ち上がって肩や胸を開く スマホは目の高さに近づけ、下を向き過ぎない 運動習慣(ウォーキング・軽い筋トレ)を持つ 睡眠環境(枕・マットレス)を見直すようにしましょう。

最後に

皆さんいかがでしたか。背骨のラインはただ見た目だけではなく、身体の機能性にとても影響を与えます。

最近はコロナによって外出する機会も減り、活動量が低下してしまいがちです。すると身体の柔軟性が落ち、より背骨のラインが崩れやすくなります。

今回ご紹介したエクササイズやツールを利用することで身体を良い状態に保つ手助けができます。ぜひ今日からでも試してもらえたらと思います。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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