即効でお腹を凹ます方法/理学療法士が教える姿勢と呼吸の整え方

スポンサーリンク

【最終更新日:2025年11月8日】

はじめに

「最近お腹が出てきた気がする…」「運動してもお腹だけなかなか引っ込まない」。

そんな悩みを抱えている方は非常に多いです。

実は“お腹を凹ませる”ためには、単に腹筋運動をすれば良いわけではありません。

重要なのは 姿勢・呼吸・腹圧(ふくあつ)のコントロール。

この記事では、理学療法士でありピラティスインストラクターでもある私が、医学的根拠に基づき「最短でお腹を凹ます方法」をわかりやすく解説します。

お腹が出てしまう原因は「脂肪」だけじゃない

お腹が出てしまっている人はとても多いです。そしてその原因を脂肪のせいにしている人が大半だと思います。

ではそもそもどうしてお腹が出てしまうのでしょうか。それは実際は単純に脂肪がついているからだけではありません。

脂肪の蓄積を促してしまうもっとも大きな要因は不良姿勢になります。

現代社会においてデスクワークなどが増えたり、電子機器が増えたことで普段の姿勢が崩れている人がとても増えました。すると、普段からお腹に力が入りずらくなりお腹周りの筋力が低下することで余計に脂肪が溜まりやすい状態となります。

そのため、お腹の脂肪をとるためには適切な姿勢を覚えることが最も重要になります。

しかし、実際には姿勢の崩れや呼吸のクセが原因になっているケースが少なくありません。

お腹を凹ませるカギは「腹横筋」と「骨盤の位置」

ぽっこりお腹を改善するうえで欠かせないのが、**腹横筋(ふくおうきん)**という筋肉です。

腹横筋は「天然のコルセット」とも呼ばれる筋肉で、お腹の深い部分に位置しています。

腹横筋が働くことで、

内臓が正しい位置に収まる 腰回りの安定性が高まる 呼吸が深くなる ウエストラインが自然に引き締まる

といった効果があります。

ただし、腹横筋は意識して鍛えなければなかなか使えません。

そのため「姿勢の歪み」や「浅い呼吸習慣」によって、腹横筋が眠ったままの状態になっている人が非常に多いのです。

悪い姿勢がぽっこりお腹を招く理由

デスクワークやスマホ操作などで、背中を丸めた姿勢を長時間続けていませんか?

そのような姿勢になると、骨盤が後ろに傾き(骨盤後傾)、腹筋群が緩んだ状態になります。

その結果、

下腹が前に出てくる 肋骨が下がり呼吸が浅くなる 背中が張って腰痛が起こりやすくなる

といった悪循環に陥ります。

つまり、姿勢の乱れ=腹筋が使えない状態を作ってしまっているのです。

① 姿勢の崩れ(骨盤の後傾)

長時間のデスクワークやスマホ操作で背中が丸まり、骨盤が後ろに傾くと、お腹の前面に常に力が入らない状態になります。

このとき、腹筋が“サボっている”ため、脂肪がつきやすく見た目もぽっこりになりやすくなります。

② 呼吸の浅さ(腹圧低下)

呼吸が浅くなると、胸郭(肋骨まわり)の動きが小さくなり、腹圧が下がります。

腹圧とは、内臓を支えるための“内側からの圧力”のこと。

これが弱まると、内臓が前方に押し出され、下腹がぽっこりして見えるのです。

③ 筋肉の使い方の偏り

腹直筋ばかりを使って「上体起こし」のような腹筋ばかりをしていると、体幹のバランスが崩れ、腹圧を保つインナーマッスルが働きづらくなります。

つまり、お腹を引き締めたいなら、姿勢と呼吸を整えて腹圧を高めることが先決です。

「お腹を凹ます」とは、腹圧をコントロールすること

“お腹を凹ます”とは、脂肪を押し込むことではなく、腹圧(腹腔内圧)を高めた状態で体幹を安定させることを意味します。

腹圧を高めることで、内臓が正しい位置に収まり、見た目だけでなく、腰痛・猫背・骨盤の歪み改善にもつながります。

たとえば、胸郭と骨盤の位置を整えると、「お腹を引っ込めよう」と意識しなくても自然とお腹がフラットになります。

ステップ① 姿勢を整えて“お腹が出るポジション”をリセット

まずは、姿勢を整えることから始めましょう。

立っても座っても、基本は「肋骨と骨盤が一直線上にある」ことです。

立位でのチェック

鏡の前に立ち、横から姿勢を見ます。 肋骨の下端と骨盤の上端(ASIS:前上腸骨棘)が一直線になっていますか? 背中が丸まって肋骨が下がっている場合、骨盤は後傾し、お腹が前に出やすくなっています。

立位の状態でお腹の力が抜けないポイントは胸郭と骨盤の位置を整えることにあります。この整えるポイントはさらに細かく言うと第10肋骨と骨盤のASISが同じ直線状にあるように意識することが大切になります。

猫背の方は 胸を軽く開き、骨盤をわずかに前へ起こすだけで、お腹に軽く力が入る感覚が出てきます。これが腹圧の“スタートポジション”です。

ポイント

第10肋骨はウエストに手を当てたところから頭方へと手を動かしたときに初めに触れることのできる肋骨になります。

ASISとは骨盤の前面にあるボコっとした出っ張りの部分になります。

座位でのチェック

座るときは「坐骨で座る」ことを意識しましょう。

骨盤を立てると、お腹のインナーマッスル(腹横筋)が自然と働き始めます。

デスクワーク中も、背もたれに頼りすぎず“肋骨と骨盤が一直線”を意識するだけで十分です。

ポイント

坐骨とは座っているお尻に触れた時に硬く触れることのできる突起のような骨になります。

座っているときにお腹の力が抜けないようにするポイントは骨盤の一部である坐骨をしっかりと座面に着くように意識をするということです。

ステップ② 胸式呼吸で腹圧を高める

姿勢が整ったら、次は呼吸。

お腹を凹ますためのポイントはずばり『胸式呼吸』になります。

この胸式呼吸が適切にできている人は腹圧をコントロールするのがとても上手な方が多いです。

お腹を凹ませたい人ほど「腹式呼吸」ではなく「胸式呼吸」を練習すべきです。

胸式呼吸では、肋骨をしっかり動かして呼吸することで腹圧を保ちやすくなります。

次のステップで試してみましょう。

胸式呼吸トレーニング(仰向けで行う)

仰向けに寝て膝を立て、骨盤を床と平行にします。 ※このとき骨盤は地面に対して平行の状態(ASISと恥骨を結んだライン)で、腰と床の間は手のひら一枚分の隙間を空け、背中は地面に着いた状態を作ります。

鼻から息を吸いながら、肋骨を左右・前後に広げるように膨らませます。 お腹は凹ませたまま、胸の方だけが広がるように意識。 口からゆっくり吐きながら、肋骨を“絞る”ように締めていきましょう。

これを 1セット10呼吸×2〜3回/日 続けるだけで、腹圧を維持する感覚が身についてきます。

※ポイント:お腹が息で膨らむ「腹式呼吸」になっていないか確認すること。

ここをチェック

呼吸はできるだけ胸式呼吸を意識して胸の動きを大きくし、反対にお腹は凹ました状態で呼吸をするようにします。すると効率よく腹圧が高まり、お腹の締まりが引き出しやすくなります。

腹圧が高まりずらい呼吸法:腹式呼吸

腹圧が高まりずらい呼吸とは腹式呼吸優位な呼吸のことをいいます。この腹式呼吸は身体をリラックスする際にはとても効果的な呼吸法になりますが、反対にお腹が過剰に動くため腹圧は高まりずらい呼吸法になります。

呼吸をするときにお腹が膨らんでしまう人は普段から腹式呼吸優位な状態のためはじめはなかなか慣れるまで難しいと思いますが、練習することで胸式呼吸はマスターできるのでぜひチャレンジしてみましょう。

ポイント

お腹が膨らまずに呼吸ができるようになることで胸郭の動きがしっかりと出た状態で呼吸ができるようになります。

次は実践パートです。

ただの腹筋ではなく「腹圧を保ちながら動く」ことを意識しましょう

ステップ③ お腹を凹ませながら動くエクササイズ4選

まずエクササイズ前に必ず胸式呼吸の練習をして下腹部を凹ませた状態を作ります。

そしてエクササイズ中はこの凹んだ下腹部を維持したまま行うことがポイントになります。

各エクササイズをそれぞれ20回から30回×2セットを目標に行ってみましょう。

①頭頚部を上げる

目的:腹圧を保ちながら腹直筋上部を活性化

仰向けで膝を立てる。両手は太ももに置く。 下腹を軽く凹ませたまま、頭と肩をゆっくり持ち上げる。 息を吐きながら5秒キープ、吸って戻る。 → 20回×2セット。首に力が入りすぎないよう注意。

②上体ひねり

目的:腹斜筋・体幹の安定性を高める

頭を軽く上げたまま、上体を左右にゆっくりひねる。 下腹を凹ませたまま、骨盤を動かさずに行う。 → 各20回ずつ。呼吸を止めないこと。

③頭頚部を上げたまま左右の下肢を動かす

目的:腹圧維持と骨盤の安定

仰向けで頭を軽く上げ、両脚を持ち上げる。 そのまま左右交互に曲げ伸ばしをしながら動かす。 さらに負荷を高めたい場合は足を伸ばした状態で左右の足を上下に動かす。→ 左右10回×2セット。腰が反らないよう注意。

④頭頚部を上げたまま両手両足を伸ばす

目的:腹横筋・腸腰筋の連動強化

仰向けで頭を軽く上げ、両手両脚を90度に上げる。 息を吐きながら、両手と両足を伸ばす。 吸いながら戻し、反対側も行う。 → 10回×2セット。下腹を凹ませたままキープ。

これらのエクササイズでは「お腹を凹ませたまま動く」ことが最大のポイント。

回数よりも質を重視し、ゆっくり丁寧に行いましょう。

理学療法士が教える「よくある失敗例」

お腹を凹ませようとして次のようなことをしていませんか?

常にお腹を力んで引っ込める 息を止めて姿勢をキープしている 腰を反りすぎている

これらは逆効果です。

腹筋のバランスを崩し、腰痛や肩こりを招く原因になります。

大切なのは、「呼吸と姿勢のバランスを整えること」。

無理な力ではなく、深い呼吸で自然にお腹が引き締まる感覚を身につけることです。

継続のコツ:日常生活で意識する3つのポイント

スマホを見る姿勢を変える  → 顎を引いて背筋を伸ばすだけで腹横筋が働きやすくなります。 立っているときにおへそを軽く引き上げる  → 内臓が上がり、腰の負担も軽減。 座る時間が長い人は1時間ごとに立ち上がる  → 骨盤の血流が改善し、代謝が上がります。

まとめ:お腹を凹ませる近道は「正しく呼吸すること」

即効でお腹を凹ませるためには、腹筋運動よりもまず「姿勢」と「呼吸」を整えることが大切です。

腹横筋が働き始めると、自然とお腹が引き締まり、姿勢が美しくなります。

理学療法士として多くの方を見てきた経験から言えるのは、

姿勢と呼吸を整えるだけで見た目の印象が劇的に変わるということ。

「お腹を引き締めたい」「姿勢を良くしたい」という方は、

まずは1日3分の呼吸エクササイズから始めてみてください。

小さな積み重ねが、確実な変化につながります。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

naizokozoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました