【理学療法士解説】パソコンのし過ぎで手首が痛い人に試してほしい腱鞘炎の治し方について。

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はじめに

現代ではパソコンやスマホを使う習慣が増えたことで昔とは身体の使い方が変化してきました。

その中で昔とは違う症状の一つに親指や手首の痛みがあります。これは習慣的にパソコンなどをやることによって手首に負担がかかり痛みを起こしてしまうことが要因として考えられます。

そしてこの痛みは特に親指を使うことによる痛みが多く、仕事の効率を下げてしまうとてもやっかいな症状です。

そこで今回はこのような親指の痛みに対する対処法についてお話ししたいと思います。

親指が痛い2つの理由

親指が痛くなる原因は主に2つあります。

1つ目が腱鞘炎による痛みです。

腱鞘炎の特徴

腱鞘炎による痛みの場合は手背側(手の甲)の母指の伸筋支帯付近で痛みを伴いやすくなります

2つ目が関節炎による痛みです。

関節炎の特徴

関節炎の場合は母指のCM関節付近に痛みを伴いやすくなります

親指の硬さは肩の痛みにも影響をします。よくスマホを触るという人はぜひこちらの記事もご覧ください。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎の原因

腱鞘炎の主な原因は長母指外転筋と短母指伸筋の腱が摩擦ストレスによって痛みを伴うことが原因だといわれております。

手首に普段のかかる動き

手関節には伸筋支帯という帯のような靭帯が存在します。そして伸筋支帯にはいくつかの筋肉が通る区画(スペース)がありその第一区画に長母指外転筋と短母指伸筋が通っています。

この筋肉に負担のかかる動きは

親指を握り込む動き

手首を橈尺屈する動き

親指を握りこむ
手首を尺屈
手首を撓屈

になります。

そのため、仕事などで普段からキーボード操作をする人やテニスや野球など親指を握り込む頻度が高い人は長母指外転筋と短母指伸筋にストレスがかかりやすくなります。

腱鞘炎を確認する方法

腱鞘炎の有無を確認するための簡単な方法としてアイヒホッフテストがあります。このテストに行ったときに症状が出現する場合は腱鞘炎の可能性があります。

まず親指を握り込みます。

この状態で手首を小指側へと倒していきます。このときに親指側の伸筋支帯付近に鋭い痛みがある場合は陽性となります。

もし陽性となった場合はドケルバン病という状態となります。

ドケルバン病とは

ドケルバン病とは

手関節の母指側の腱鞘に包まれている親指を広げる長母指外転筋腱、および親指を伸ばす短母指伸筋腱が何らかの原因で厚みを増し、腱鞘の中を通過するこれらの腱が締め付けられて痛みを発症する状態をいいます。

ドケルバン病を治療するときはまず現段階で炎症期なのか、それとも回復気なのかを確認する必要があります。

炎症期

炎症期の場合は基本的には安静が必要となります。炎症期は患部に熱感や発赤などがありとても強い痛みを伴っている場合を指します。このようなときは装具療法によりできるだけ患部を安静にすることが大切になります。しっかりと管理できれば3週間ほどで炎症期は落ち着きます。

炎症期の場合はできるだけ疼痛部位に負担をかけないことがポイントになります。

そのようなとき私がおすすめするサポーターがこちらになります。こちらのサポーターは付け外しがとても簡単にもかかわらず、とてもしっかりと親指の負担を軽減してくれるアイテムになります。

私自身整形外科に理学療法士として勤め始めた時に施術で親指を過剰に使用したことで親指を痛めた時がありました。そのときにこちらのサポーターを使用したことで親指の負担が大幅に軽減し、また施術のやり方を変えたことで、親指の疼痛を改善することができました。

ポイント

そのため、炎症期のような場合はこちらのサポーターを利用しながら親指に負担のかかっている動作を特定しその動きを控えることが重要になります。

回復期

治療をする場合は基本的にはこの回復期になった状態で行うことになります。

治療の内容は

母指球筋(母指対立筋、母指内転筋、長母指外転筋、短母指伸筋)のストレッチ・筋膜リリース

前腕屈筋群、前腕伸筋群のストレッチ

長母指外転筋の筋力強化

を行っていきます。

この中で特に重要なのが長母指外転筋の筋力強化になります。

この長母指外転筋は母指の付け根に当たるCM関節の安定性に関与するためとても重要な筋肉になります。

回復期にできる手首のエクササイズ・ストレッチ

それでは回復期における手首の負担を軽減するためのストレッチの方法についてお伝えしたいと思います。

母指球筋のストレッチ

母指球筋とは母指の付け根になる膨らんだ部分になります。この母指球には複数の筋肉が存在しており、手指の中でも特に複雑な動きを要する母指の動きをこれらの筋肉が可能にしています。

まず手背側から反対側の手を通し母指を把持します。そしてその状態で母指を外に広げながら反らせるようにして母指球筋をストレッチしていきます。これを30秒から40秒行います。

長母指外転筋のストレッチ・筋力トレーニング

まず長母指外転筋群のストレッチの方法についてお話しします。

まず親指を握りこみます。

この状態で手首を尺側へと倒していきます。この状態で30秒から40秒キープします。

次に長母指外転筋のトレーニング法についてお話しします。今回はトレーニングを行うのにセラバンドを使用した方法をご紹介します。

まず図のように母指にセラバンドを巻きます。

そうしたら親指を外側へと広げるようにして動かします。この運動を20回3セット目標に行います。

前腕屈筋群のストレッチ

前腕の屈筋群は手首を掌側へと動かすための筋肉になります。

第2-5指を把持し手首を手背側へと反らせていきます。この状態で30秒から40秒キープします。

前腕伸筋群のストレッチ

前腕の伸筋群は手首を手背側へと動かすための筋肉になります。

母指を握りこんだ状態のこぶしを把持し掌側側へと反らせていきます。この状態で30秒から40秒キープします。

キーボード操作をする際の必需品

キーボード操作をするときに手首の負担を軽減するアイテムにパームレストがあります。

パームレストとはリストレストとも言われるもので、キーボードまたはマウスの手前において、手首や手を乗せた状態で使います。

パームレストに手首を乗せることで手関節の過剰な背屈を軽減し手関節と前腕の位置を正すことで手首の疲労軽減に繋がるメリットがあります。

つまり、手首にかかる負担を軽減することができるため結果的に腱鞘炎の予防を期待することもできます。
特にパソコンで長時間の作業を行う場合に重宝されるアイテムです。

最後に

皆さんいかがでしたか。

手首には普段の何気ない動きで負担がかかります。特にスマホやパソコンはとても多くの方が利用するツールになります。

そのため気付かない内に手首に負担がかかり症状が悪化してしまうケースもあります。

今回の記事を読んで症状が当てはまる場合は自分でセルフケアができるようにしておきましょう。

これからも皆さんのお身体の悩みを解決するための情報を発信していきますので楽しみにしていて下さい。

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