肋骨が開いている人必見!マシンピラティスで肋骨を締める方法【理学療法士解説】

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はじめに

「姿勢が悪い」「お腹がぽっこりして見える」「呼吸が浅くて疲れやすい」――これらの原因のひとつに**肋骨が開いている状態(リブフレア)**があります。

特に女性ではウエストラインが広がってしまったり、男性では胸郭が張って見えて猫背になりやすくなったりと、見た目と健康の両方に影響するポイントです。

私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しております。その中で気になる部位としてクライアントからよくいわれるのがくびれになります。

くびれがない人は純粋に肥満というだけではなく、実は肋骨の締まりがないことが要因として挙げられます。

そのため、いくらダイエットをしても理想のくびれにならず諦めてしまう人が多い印象です。

本記事では理学療法士の視点から、

肋骨が開く原因 放置するリスク マシンピラティスによる改善法 を解説し、日常生活に取り入れられる実践的な方法を紹介します。

肋骨の構造

肋骨が開いているといっても良くイメージがわからないと思います。

まず肋骨は12対あります。

その中で1ー7肋骨は肋軟骨を介して胸骨に付着しており上位肋骨といいます。

8-12肋骨は上の肋骨に付着して連結しており下位肋骨といいます。そしてその中で11番目と12番目の肋骨は末端が浮遊しているため遊離肋といいます。

そして肋骨には肋骨下角という角度があります。

肋骨下角とは

肋骨の下部の角度のことを指し、70度~90度程度が正常値とされています。

肋骨が開いている(リブフレア)とは?

「肋骨が開いている」とは、胸郭の下部が前方に突出し、肋骨の角度が通常よりも大きく開いた状態を指します。医学的には「リブフレア」とも呼ばれます。

通常、安静時には肋骨がやや内側に締まり、呼吸に合わせて自然に動きます。しかしリブフレアになると、

呼吸が浅くなる

横隔膜が十分に働かない

お腹が常に前に押し出されるように見える

といった不具合が出てきます。

リブフレアについて詳しくまとめた記事はこちらになります。ぜひ合わせてご覧ください。

肋骨が開いてしまう原因

肋骨が開く原因は一つではありません。代表的な要因を整理します。

姿勢不良

猫背や反り腰が続くと胸郭のバランスが崩れ、肋骨が常に前方に広がります。

呼吸のクセ

口呼吸や浅い胸式呼吸が習慣化すると横隔膜が十分に動かず、肋骨が閉じにくくなります。

筋肉バランスの乱れ

腹直筋の過緊張 腹斜筋や腹横筋の弱化 背部筋の硬さ これらが組み合わさると胸郭が前に引っ張られて開きます。

運動不足

胸郭を支えるインナーマッスル(特に横隔膜・腹横筋・骨盤底筋群)が機能低下すると、肋骨が安定せずに外へ広がります。

肋骨が開いたまま放置するリスク

「見た目が気になるだけ」と軽視しがちですが、肋骨の開きには以下のリスクがあります。

呼吸機能の低下:肺活量が減少し、酸素供給が不足しやすくなる

姿勢の悪化:骨盤や脊柱にも影響し、猫背や反り腰が助長される

腰痛・肩こり:体幹が安定しないことで負担がかかる

内臓下垂や消化不良:胸郭の位置異常により内臓のスペースが圧迫される

スタイルの崩れ:ウエストが広がり、下腹ぽっこりの原因になる

つまり、見た目だけでなく健康上の問題も引き起こすため、改善アプローチが必要です。

肋骨を締めるコツ

普段私がピラティスレッスンで肋骨が開いている人に対して肋骨を締めるために行うのが

胸郭の前傾

腰椎の屈曲

の動きを引き出すことです。

またそのエクササイズ中に必ず呼吸(特に呼気)を意識し腹部の力を使うことでより効果が上がります

胸郭の前傾とは胸を下に下げるイメージです。

胸郭の前傾は胸を骨盤に向かってしっかりと傾けるように動かすことでその動きを促すことができます。

腰椎の屈曲は腰を丸くするイメージの動きになります。腰椎の屈曲は腹部をしっかりと奥に引き入れるイメージで行うとその動きを促すことができます。

こちらの図では胸郭が前傾し、腰椎が屈曲することで背骨がしっかりと均等に丸くなっています。このような動きが出ることでしっかりと肋骨下角を引き締めることができます。

こちらの動きは胸郭の前傾と腰椎の屈曲が上手くおきず、背面の丸みが上手くでていない状態になります。このような状態だと肋骨がしっかりと締まらず、お腹の力が十分に使えていない状態となります。

肋骨を効率よく締めるマシンピラティス「キャデラック」

今回は私がピラティスレッスンの中でよく使用しているキャデラックというマシンを使ったエクササイズをご紹介したいと思います。

キャデラックとは

キャデラックとは天蓋付きベッドのようにベッドの周りにフレームが設置され、上部にはバネやバーが取り付けられている、しっかりと安定感のある構造をしています。

フレーム部分に取り付けられているパーツを利用して、特定の部位にアプローチしたエクササイズからダイナミックなエクササイズまで行うことができます。仰向け、うつ伏せ、横向けだけでなく座った姿勢、立った姿勢でもエクササイズを行うことができます。

バネで負荷の調整もできるので様々なお身体の状態に合わせたり、チャレンジなエクササイズまで幅広く活用できるマシンです。

マシンピラティスが効果的な理由

では、なぜマシンピラティスが肋骨を締めるのに有効なのでしょうか。

呼吸と動作をリンクさせられる ピラティスでは「胸式ラテラル呼吸」を基本とし、肋骨の開閉をコントロールしながらエクササイズを行います。 インナーマッスルを鍛えられるマシンを使うことで、腹横筋・多裂筋・横隔膜といった体幹の深層筋を効率的に活性化できます。 正しいアライメントで動ける マシンは姿勢を補助しながら動作を行えるため、初心者でも安全に胸郭を調整できます

キャデラックを使ったエクササイズ➀

まずキャデラックの上に膝を曲げ、膝裏にロールアップバーを挟んだ状態でつま先を地面につけます。両手はフレームを持ち少しフレームを押し込むように意識することで肩甲骨を安定させることができます。

このフレームを持つ手は肩より少し高い位置とすることで肩に余計な負担をかけずにエクササイズに取り組むことができます。

ゆっくりとつま先を地面から持ち上げます。このとき、しっかりと手でフレームを押し体幹を安定させながら下半身も持ち上げていきます。

膝がキャデラックの天井に向かって引き上がるようなイメージで下半身から脊柱を地面から持ち上げていきます。このとき、お腹をしっかりと奥へと引き込みながら腰椎を丸くするイメージで行うとより肋骨の締まりを高めることができます。

キャデラックを使ったエクササイズ②

キャデラックの上に仰向けになり、両足をプッシュスルーバーに引っかけます。

両脚でゆっくりとプッシュスルーバーを天井に向かって押していきます。このとき、しっかりと足で押した力をお腹に伝えるようなイメージで行うととても良いと思います。

そのまま骨盤→腰椎→胸椎の順で身体を地面から持ち上げ、最終的に肩甲骨で身体を支える位置までプッシュスルーバーを天井に向かって押していきます。

胸椎→腰椎→骨盤の順でゆっくりと地面に身体を下ろしていきます。このときお腹を薄くししっかりと体幹の力で背骨の動きをコントロールするようにイメージするととても良いと思います。体幹の力をしっかりと使ことでより肋骨の締まりを高めることができます。

臀部が地面に着いたらゆっくりと足でプッシュスルーバーを手前へと引いていきます。

専門家に相談するメリット

肋骨の開きは、体の状態によって原因や対処法が異なります。自己流で改善できる場合もありますが、

長年の姿勢不良がある 腰痛や肩こりを伴う 呼吸のしづらさを感じる といった場合は、理学療法士やピラティスインストラクターに相談するのが安心です。

最後に

皆さん、いかがでしたか。

肋骨を締めたいという人はただやみくもにエクササイズをしてもなかなか思ったような効果がでません。今回ご紹介したポイントを意識することで今までやってきたエクササイズの質をもう一段階高めることができます。

ぜひ、自身でチャレンジしてみましょう。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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