扁平足の原因と改善トレーニング7選/足裏アーチを回復する方法を理学療法士が解説

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【最終更新日:2025年10月5日】

はじめに

皆さんは自分の足の裏をしっかりとみたことはありますか。人が立つ時に唯一地面と接地しているのは足底になります。そのため足底の環境が良くないと立った時に

足がすぐに疲れる

足の裏が痛い

膝や腰が疲れやすい

靴底が偏って削れる

などといった問題が生じやすくなります。

足の裏には本来「アーチ」と呼ばれるカーブ構造があり、体重を分散したり衝撃を吸収したりする重要な役割を担っています。しかしこのアーチが崩れる「扁平足」になると、足首・膝・腰に負担がかかりやすくなり、疲れや痛み・姿勢の乱れにつながることもあります。

本記事では、理学療法士が扁平足の原因や症状、自宅でできる改善トレーニングやインソール選びのポイントを詳しく解説します。子どもから大人まで実践できる方法を写真・イラストつきで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

扁平足とは

解説

扁平足とは足の裏にあるアーチ構造が崩れ足裏が平らになった状態をいいます。

本来足裏のアーチ構造は足の骨を支える種々の筋肉や靱帯などによって作られています。しかしこのアーチ構造を形成する靱帯や筋肉が緩んだり腱が切れたりすることによってアーチ構造が破綻し扁平足の原因となります。

扁平足の分類

扁平足には大きく分けて「柔軟性扁平足(可動性が残っているタイプ)」と「固定性扁平足(骨構造が固定されているタイプ)」があります。前者は筋力や使い方の改善で回復が期待でき、後者は矯正インソールや専門医の管理が必要となる場合があります。

扁平足の原因

扁平足には先天性と後天性があります。

先天性(子どもの発達段階)

幼児期は足底脂肪が多く、アーチが見えにくいことがあります。成長とともに筋力がつき、自然にアーチが形成されることも多いですが、足の使い方や靴の選び方が悪いと形成が遅れることもあります。

後天性(筋力低下・肥満・過剰回内・靴の影響)

成人の扁平足では、足底・足指の筋力低下、後脛骨筋などの機能不全、肥満や長時間立ち仕事、サイズの合わない靴・硬い靴底などが複合的に影響します。特に「過剰回内(pronation)」という踵が内側に倒れ込む動きが強い人は、内側縦アーチが崩れやすい傾向にあります。

足底のアーチ構造

足底には3つのアーチ構造が存在します。

内側縦アーチ                                        まず扁平足になると一番にイメージする踵から第一中足骨にかけて存在する足底内側にある内側縦アーチ。役割としては足底内側の安定性に関与して体重支持の大きな役割を果たします。

外側縦アーチ                                        内側縦アーチと反対側にある踵から第五中足骨にかけて存在する外側縦アーチ。役割としては足底外側で体をしっかりと支える役割があります。

横アーチ                                          最後に足の甲にある親指の付け根と小指の付け根を結ぶドーム型の横アーチ。役割としては足の指の配列を支える重要な役割を果たします。

足底にある2つの機能

足の3つのアーチがしっかりと機能することで、足裏の「トラス機構」と「ウィンドラス機構」の働きが正常に行われます。

トラス機構

トラス機構とは、足裏に体重がかかるときに足底のアーチを下げて接地する面を大きくする現象のことをいい、この現象によって足が地面についたときの足部にかかる衝撃をやわらげる役割があります。

ウィンドラス機構

ウィンドラス機構とは、歩行や走行中の踵が地面から離れるときに足趾に(特に母趾)が反り返ると足底の腱膜が持ち上がり硬くなる現象のことをいい、この現象によって足部の安定性を高める役割があります。

この現象が起こることで足部は体重を支える土台となり、効率の良い蹴り出しが可能となります。

つまりアーチが崩れてこの2つの機能がうまく働かないと、立位や歩行時における衝撃吸収の機能性が低下したり、下半身(足関節・膝関節・股関節)の軸が崩れ関節への負担が増加する原因となります。

扁平足が引きおこる症状・トラブル

扁平足そのものが痛いというよりも、二次的なトラブルが出やすくなります。

足底腱膜炎(足裏の炎症・痛み) 足首・膝・股関節・腰の痛み 外反母趾・内反小趾など足趾の変形 タコ・マメ・疲労感の増加 スポーツ時のパフォーマンス低下

「足が疲れやすい」「長時間立つと足裏が痛い」などの症状がある方は、扁平足が隠れているかもしれません。

扁平足の判断基準

それではいくつかある足部の評価方法の一部を今回はご紹介したいと思います。ご自身の足の状態が問題ないのかぜひみてみましょう。

足部のフェイスライン評価

フェイスライン評価とは内側縦アーチの高さに問題がないのかをみる方法になります。方法としては立位の状態で内果下端(内くるぶしの下側)と第一中足骨頭の底面を結ぶラインによって舟状骨結節の落ち込み具合を評価するというものになります。

舟状骨結節は足の内側にあるボコっとした出っ張りの部分になります。触り方は内くるぶしの下端からおおよそ2横指前方に舟状骨が存在しているのでその辺りを指を滑らすように動かすことで舟状骨結節のボリュームを感じやすくなります。

基準は以下のようなものになります。

フェイスラインの評価基準

feiss nomal:フェイスライン上に舟状骨結節がある状態

feiss 1:舟状骨結節がフェイスラインより1/3落ちている

feiss 2:舟状骨結節がフェイスラインより2/3落ちている

feiss 3:舟状骨結節が地面に接している

おすすめのインソールについて

扁平足を改善するのにおすすめなのがインソールになります。インソールとは靴の中に入れる中敷きのことで足底面をインソールによってサポートすることで足部の機能性を高めることができます。そしてインソールの最大のメリットは特に意識をしなくても良いということです。そのため、靴の中にインソールを入れておけば外出中なども足部に対してアプローチすることができるということです。

そこで私が特におすすめするインソールが

日本人の足の形状に合わせて研究開発されたO脚・X脚インソール

になります。

こちらの商品は日本人の足の形に合わせて作成されているインソールになります。また扁平足になると足部の影響によって膝に負担がかかりやすくなります。そのようなことでお困りの人には特におすすめなアイテムになります。また、私と同じ理学療法士が推薦していることもあり、身体の特徴に合わせた機能性の高いインソールとなっております。

扁平足に対するトレーニングのやり方

扁平足とは前述したとおり足底のアーチ構造が破綻してしまっている状態です。

では足底の機能を高めるにはどうすれば良いのかについて説明したいと思います。

足部のトレーニングのコツ

足底が地面から離れていて体重が足部にかかっていない状態で行う時はアーチを作るようなトレーニングがおすすめ。

足底が地面について体重が足部にかかっている状態では足底のアーチを広げながら行うトレーニングがおすすめ。

足部に体重がかかっていない場合

足部に体重がかかっていない状態とは例えば椅子に座って足が地面から離れているような状態を指します。

このような場合におすすめなアイテムがセラバンドになります。

セラバンドは筋肉に似た特性があり、筋肉の伸縮性をサポートしながらトレーニングができるというメリットがあります。そのため、このセラバンドを使用しながら足部を動かすことによって効率よく足部のトレーニングを行うことができます。

一つ目:ふくらはぎ・足部内在筋トレーニング

まず足底にセラバンドを巻いた状態で足を伸ばします。

次に前足部(つま先)でバンドを押し出すように力を入れていきます。バンドをつま先で押し出したら次は踵でバンドを押し出すように力を入れていきます。この動きを30回行います。

ポイント

足趾の付け根で押す場合はふくらはぎの筋肉、足趾を握りこむようにして押す場合は足部の内在筋に効率よく刺激を与えることができます。

二つ目:足部回内筋トレーニング

次に足底にセラバンドを巻いた状態でつま先をくっつけ、踵を離した状態にします。

小趾側を持ち上げながらつま先を外側へ開くように力を入れていきます。この動きを30回行います。

ポイント

このトレーニングを行うことによって外側縦アーチに関与する筋肉に刺激を与えることができます。

三つ目:足部回外筋トレーニング

足をクロスさせた状態で足底にセラバンドを巻きます。

次に足の裏を天井に向けるようにしながらセラバンドを外側へと引っ張ります。この動きを30回行います。

ポイント

このトレーニングを行うことによって内側縦アーチに関与する筋肉に刺激を与えることができます。

足部に体重がかかっている場合

ポイント

足部に体重がかかっている状態でトレーニングをするときのポイントは柔らかい物を足底に入れることがポイントです。

足底面が不安定な状態になることでより足部の内在筋により刺激を与えながら効率よくトレーニングを行うことができます

そこでわたしがおすすめするアイテムがこちらのヤムナボールになります。

このヤムナボールは程よい硬さと丈夫さを兼ね備えているフィットネス用のボールで、私が一番おすすめする足底に刺激を与えるアイテムになります。踏んだり、挟んだり、転がしたりととても用途が多く、今回ご紹介するエクササイズにもとても適した商品になります。

一つ目:ヤムナボール上でのカーフレイズ

まずヤムナボール上に立ちます。

この状態でゆっくりと踵を持ち上げ、つま先立ちになります。するとヤムナボール上でバランスをとるために足底の筋肉により刺激が入りやすくなります。この運動を30回行います。

二つ目:ヤムナボール上でのヒップリフト

膝を立てた状態で足底にヤムナボールを入れ仰向けになります。

足底でヤムナボールをしっかりと押さえながらお尻を持ち上げていきます。このときヤムナボールが足底から逃げないよう意識することでより足部内在筋に刺激を与えることができます。

さらに足底への刺激を入れたい人は片足を持ち上げた状態で行うとより効果的です。この運動を30回行います。

三つ目:ヤムナボールを使い壁際でサイドリフト

壁にヤムナボールを当て、それを足底で押さえた状態で側臥位になります。

足底からヤムナボールが逃げないように注意しながら、足を左右上下に動かしながら足底のいろいろな部分でヤムナボールを壁に押さえます。すると足底の内在筋を効率よく高めることができます。

家で気軽にできる扁平足改善アイテム

私が特にお勧めする家でも気軽にできるアイテムがこちらになります。

OPPOMAN

こちらは何よりインテリアとしてもおしゃれであり、かつこの上でジャンプ動作ができるということがポイントになります。

ポイント

足部の筋肉に刺激を与えるのには足底に柔らかいものを置くことがポイントになります。

また、ジャンプ動作は足底腱膜に刺激を与え、足部内在筋の筋出力を高めるのにとても適した運動になります。

そのため、こちらの商品は家でも気軽にできる運動のアイテムとしてとてもおすすめなものになります。

最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。

扁平足は日本人に多い特徴の足になります。扁平足は見た目だけではなく、機能的にもとても身体に影響を与える原因になります。そのため、できるだけ足部の安定性を高めておくことで二次的な問題を解決することにつながります。

今回の記事を読んで少しでもそのようなことでお困りな人にとっての参考になれば幸いです。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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