盲腸が左右どっちかわからない人必見。盲腸になったときの確かめ方について【理学療法士解説】

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【最終更新日2025年10月5日】

はじめに

皆さんお腹がすごく痛くなった経験はありますか。大抵の腹痛は少し様子を見れば改善していくものが多くそれほど心配する必要はありません。

しかし、いくら我慢してもなかなか改善しない腹痛の一つに『虫垂炎』があります。これはよく皆さんが盲腸という症状を指しますが、正式には盲腸ではなく虫垂炎と呼ばれます。

大抵の人はこの虫垂炎で身体のどこが痛くなるかイメージできない人が多いと思います。しかし、身体のどこに何があるのかを把握することですぐに病院に行った方が良いのか自己にて判断できることもあります。

そこで今回は理学療法士、内臓ストレッチマスタートレーナーの視点から身体のどこに盲腸の原因である虫垂があるのか、また症状が出た時の注意点について説明したいと思います。

盲腸(虫垂炎)とは

虫垂炎とは大腸の一部である虫垂という部分に炎症が生じた状態です。腸の画像を見ると先端に細くなっている物があると思います。これが虫垂になります。

一見それほど大切なものにはみえませんが、この部位に炎症が生じるととてつもない痛みを伴います。

虫垂炎の症状

虫垂炎で生じる症状は皆さんもお分かりの通り腹痛になります。

この腹痛の特徴はまずお臍の周辺に起こり経過により徐々に右下腹部へと痛みが移行していきます。

そして虫垂の炎症が腹膜に広がると発熱や耐え難い痛みを伴うようになります。また、嘔吐や吐き気といった症状を伴うこともあります。

腹痛の症状が軽度の場合は抗生剤などで炎症を抑える治療が行われます。腹痛の症状がひどい場合は手術適応になることもあります。

他にも身体の痛みの原因についてまとめた記事がありますので、興味のある人はぜひこちらの記事もご覧ください。

虫垂炎の原因

はっきりとした原因はわかっていませんが、何らかの原因で虫垂内部に何かが詰まったり虫垂内に細菌やウイルスが侵入することで発症するといわれています。

虫垂が閉塞する原因の1つである硬い便は糞石と呼ばれます。また虫垂壁が腫れてしまうことで虫垂の内壁を塞いでしまうこともあります。

虫垂が腫れてしまう場合はウイルス性胃腸炎などが関連していると考えられています。

虫垂炎になったときに確認するポイント

虫垂炎になったときに確認するポイントがあるのを皆さんご存じでしょうか。もし、急に腹痛が生じた時は今回お伝えするポイントを確認してみましょう。

虫垂炎になったときに確認するポイントはMcBurney(マックバーネー)点Lanz(ランツ)点といいます。

McBurney(マックバーネー)点

マックバーネー点の位置はお臍と右の上前腸骨棘を結んだ線上にあり、右上前腸骨棘から臍に向かって3分の1の辺りにある点になります。

Lanz(ランツ)点

ランツ点の位置は左右の上前腸骨棘を結ぶ線上で右上前腸骨棘から3分の1にあたる点になります。

虫垂炎になったかもしれないと感じた人はまずこのマックバーネー点ランツ点に圧痛がないかを確認してみましょう。

マックバーネー点の見つけ方

まずウエストに手を当てます。
そこから手を下にスライドしていくと骨盤の上端に手が当たると思います。

骨盤の上端に手が当たったらそのまま指で骨盤の前方に触れていくとポコッとした出っ張りがあると思います。その出っ張りが上前腸骨棘(ASIS)になります。
右側の上前腸骨棘をみつけたらお臍と線を結びその3分の1の点がマックバーネー点になります。

ランツ点の見つけ方

先程と同様の方法で上前腸骨棘(ASIS)の位置を確認します。

左右の上前腸骨棘(ASIS)を確認したら左右ASISを結んだ線の右側3分の1の点がランツ点になります。

「痛みが左にも出る」ことはある?

盲腸は基本的に右側ですが、例外的に左側に痛みを感じるケースもあります。

虫垂の位置が通常より下や後ろにある(位置の個人差) 炎症が広がって腹膜全体が刺激されている 腸炎や婦人科系疾患、尿路結石など他の要因と重なっている

このような場合、痛みの位置だけで判断するのは危険です。

「どっちか分からないけど痛みが続く」「動くとズキッとする」「発熱がある」などのときは、迷わず医療機関へ受診しましょう。

病院を受診したほうがいいサイン

虫垂炎は初期のうちに治療すれば短期間で回復しますが、放置すると破裂して腹膜炎を起こすこともあります。

次のような症状があれば、早めの受診をおすすめします。

右下腹部を中心にズキズキと強い痛み

発熱・悪寒・吐き気を伴う

お腹を押すと激しく痛む

歩く・立つだけで痛みが増す

痛みが数時間〜1日続く

「寝たら治るかも…」と思って放置するのが一番危険です。

症状が進むと入院や手術が必要になることもあるため、違和感の段階で検査を受けておくのが安心です。

理学療法士から見た「痛みとの向き合い方」

理学療法士として多くの患者さんの体を見てきましたが、お腹の痛み=筋肉や姿勢のせいと思い込む方が少なくありません。

しかし、虫垂炎のような炎症性の痛みは、ストレッチやマッサージで改善しません。

むしろ、腹部を伸ばしたりねじったりすると炎症を悪化させることもあります。

痛みを感じたら無理に体を動かさず、次の点を意識してください。

痛みの出る姿勢を避けて、できるだけ安静にする

深呼吸や咳で痛みが強くなる場合は、腹膜刺激のサイン

お腹を温める・押す・マッサージするのは控える

腹部の痛みは、筋肉や消化器、泌尿器、婦人科など多くの要因と関わります。

「ただの張り」「筋肉痛かも」と自己判断せず、専門家の目で確認してもらいましょう。

最後に

皆さんいかがでしたか。お腹がすごく痛いときにまず頭をよぎる原因の一つに盲腸があります。しかし、盲腸といわれてもいまいちどこにあるのかわからない、どのように確かめるのかわからないという人がほとんどだと思います。

今回の記事を読んでいただいたことで盲腸の本名が虫垂炎ということや、どこに盲腸の原因である虫垂があるのかを理解できたかと思います。

もしこれからの人生でこのような場面に遭遇した時はこの記事の内容を思い出してぜひ盲腸なのかを自分で確かめてみてください。もし虫垂炎の疑いが強い場合はまずは最寄りの医療機関に受診することをおすすめします。

本日もご覧いただきありがとうございました。

理学療法士として回復期病院6年、整形外科クリニック8年勤務し、日々多くの方のリハビリや身体の不調に向き合ってきました。

その中で「予防・セルフケア」の大切さを実感し、STOTT  PILATES認定Fullインストラクターの資格を取得し理学療法士をしながらピラティスインストラクターとしても9年活動しております。

今では内臓ストレッチマスタートレーナー、BODY  CONTROL  PILATES認定産前・産後インストラクター、pifilAtes認定インストラクターとしても活動し身体の内側から整えるケアもお伝えしております。

このブログは医療とピラティス両方の視点から『身体が変わるヒント』をお届けしています。

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