はじめに
皆さんお腹や背中がよく痛くなるといった経験はありますか。すぐに治ってしまうような場合は大きな問題はないかもしれませんが、症状がなかなか治らなかったり、反対に悪化しているような痛みは注意が必要です。
お腹や背中の痛みの原因はたくさんあり、すぐに痛みの原因を把握することは難しいと思います。また、そのような痛みを生じた時、緊急性の低い原因であれば様子を見れば大丈夫ですが、内臓由来の腹痛の場合早期に病院にかかった方が良い場合があります。その内臓由来の中でも特に気を付けた方が良い部位に『膵臓』があります。
そこで今回はお腹や背中が痛くなる原因の一つとして挙げられる『膵臓』の特徴についてお話ししたいと思います。
膵臓の位置
また左側には十二指腸、右側には脾臓という臓器に囲まれた位置関係になっています。
そのため、膵臓に問題が生じることで腹部の深層であったり背部に違和感や痛みを伴いやすくなります。
膵臓の機能
膵臓といわれると最初に思いつく病気が糖尿病だと思います。しかし、いざ膵臓がどんな機能があるのかと聞かれると答えられる人は少ないと思います。
膵臓は主に以下の2つの機能があります。
・膵液の分泌
・血糖を調整するためのホルモンの分泌
膵液の役割は主に食べたものを消化させるための消化酵素であり、これを十二指腸へと分泌するため外分泌機能といいます。
また血糖値を調整するためにインスリンやグルカゴンというホルモンを分泌することを内分泌機能といいます。
膵臓に問題が生じると
膵臓に問題が生じた時に起こるのが『膵炎』になります。
この膵炎が起こると上腹部に痛みが伴いやすいことが特徴になります。
しかし、膵臓の前側には胃が位置しているため胃痛と勘違いしてしまい発見が遅れてしまうことがあります。
また膵炎による痛みの強さはさまざまですが、痛みが重度な状態になるとその範囲が腹部全体や背部にまで広がることもあります。
膵炎の種類
膵炎には大きく分けて急性膵炎と慢性膵炎の2種類があります。それぞれの特徴についてお話ししたいと思います。
急性膵炎
急性膵炎は胃の辺りやお臍の上などに痛みを伴います。またこの急性膵炎の症状が進行するとお腹を触ったときに硬さや抵抗感を感じその部位に痛みを伴います。さらに重症化すると腹部全体が急激に激しく痛み、まもなく発熱や呼吸困難、黄疸、意識消失などといった全身症状が現れます。
慢性膵炎
慢性膵炎は急性膵炎と少し異なりはっきりとした症状がみられないのが特徴です。しかし、慢性膵炎の状態で急性膵炎が起きているときは急性膵炎の症状が出現します。
通常の慢性膵炎では持続的な軽度の腹痛や背部の痛みがあります。また人によっては食欲不振や倦怠感などの不定愁訴、腹部膨満感、吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。
このような症状は比較的軽い場合もありますが、一番の問題は持続的に膵臓が炎症を起こしている状態ということです。この状態を放っておくと膵臓の機能が徐々に低下し、
口渇
黄疸
下痢
食欲不振
などがみられるようになります。
このように膵臓の症状はさまざまあり他の病気と見分けがつきずらいため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
身体の様々な痛みについて他の記事にもまとめてありますので、興味のある人はぜひこちらの記事もご覧ください。
みぞおちの左側に違和感がある方必見。自身で胃の位置を確かめる方法について。 | 内臓小僧の奮闘記 (naizo-kozo.com)
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膵炎の予防に重要なこと
膵炎の症状が起こりやすいタイミングとして食後や飲酒後が挙げられます。特に過度な飲酒は膵臓に負担をかけ、膵炎の原因になりますので注意しましょう。
最近はコロナの影響で飲み会などの機会が減ってきていますが、それでも必ず晩酌をされる方や飲み会に良く行く方などは注意が必要です。
腹痛の出るタイミングが飲酒後が多いという人は今回の記事に当てはまるところがないか今一度確認してみましょう。
最後に
皆さんいかがでしたか。腹痛は誰でも経験のある症状だと思います。たいていは特に大きな問題はないかもしれませんが、何かいつもと違うなと違和感を感じた時はこのような知識を持っておくことで自身で対処できることもあると思います。
膵臓はあまり聞きなれない臓器の一つだと思いますが、とても重要な臓器になります。どのような役割があるのか、そもそも身体のどこにあるのかなどを知っておくだけでも自身の身体のイメージを深めることができます。
今回の記事を読んで少しでもそのお役に立てたならとてもうれしく思います。
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