筋肉の滑走性を高めるコツは伸ばすのではなく、まず縮めることがポイント。

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はじめに

ほとんどの人は一度は自分の身体が硬いと感じたことがあると思います。そのとき、ほとんどの人がまず疑うのが『筋肉がの硬さが柔軟性に影響している』と考えると思います。

質問する人
質問する人

昔から身体が硬いんだけと何が原因なんだろう。

内臓小僧
内臓小僧

身体が硬くなる原因はいくつかあるけどやっぱり一番に思いつくのは筋肉だよね。

質問する人
質問する人

でもストレッチをやってもなかなか柔らかくならないんだよね。

そのため、ほとんどの人はまずは硬くなった筋肉をもみほぐしに行ってマッサージをしてもらったり、ストレッチをして筋肉の動きを引き出そうとします。

確かにマッサージやストレッチをすることによって筋肉の滑走性は高まります。しかし、無理なマッサージやストレッチは痛みを伴いやすく、それによってかえって筋肉が硬くなってしまう場合もあります。

すると、なかなか継続して身体のケアをすることができなくなり、結局硬い身体のまま過ごしている人がとても多いと思います。

そこで今回は従来のマッサージやストレッチの考え方にもう一つ違う要素を取り入れることでより筋肉の滑走性を引き出しやすくする方法についてお伝えしたいと思います。

筋肉とは

筋肉とはタンパク質からなる生物にとって欠かせない組織になります。この筋肉という組織はとても役割が多く

  • 力を発揮することができる
  • 体温を生成することができる
  • 身体を動かすことができる
  • 体内の循環を助ける
  • 水分を蓄える

といった生きていくために必要不可欠な要素を担っています。

そしてこの役割を果たすために必要になるのが筋肉の伸び縮む力になります。

凝り固まった筋肉を改善する方法についてはこちらの記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。

筋肉はどうやって伸び縮みするのか

筋肉の大きな特徴に『伸びたり縮んだりする』という要素があります。この伸び縮みによって力を発揮したり、熱を生成したり、循環を助けたりすることができます。

ではこの伸び縮む動きは筋肉の中でいったいどうやって行っているのでしょうか。その機序について今から説明していきたいと思います。

まず筋肉のもっとも小さな単位を筋原線維といいます。

この筋原線維にはアクチンミオシンというたんぱく質が存在し、この二つのたんぱく質が筋肉中のたんぱく質の約80%を占めています。

この2つのたんぱく質のうち、太いものをミオシン、細いものをアクチンといいます。そして、筋肉が収縮するときはアクチンがミオシンに滑り込むことで筋肉が収縮することができます。

筋肉が弛緩する際はアクチンとミオシンの重なる部分が少なくなり、反対に筋肉が収縮するときはアクチンとミオシンの重なる部分が多くなります

つまり、凝り固まった筋肉はこのアクチンとミオシンの滑走性がうまく起きずに伸び縮む機能が低下してしまった状態ということになります。

筋肉が凝り固まるとはどのような状態

筋肉は収縮して縮もうとするときにまずアクチンとミオシンが連結します。そして、連結した状態でミオシン線維がアクチン線維を引き寄せるようにして滑走することで筋肉が収縮することができます。

このミオシン線維がアクチン線維を引き寄せるためにATPというエネルギーを使用します。

そして連結したミオシン線維がアクチン線維から離れるために再び新たなエネルギー(ATP)が必要になります。

ポイント

筋肉のスムーズな伸び縮みのポイントはこのアクチンとミオシンの連結と解除がスムーズにできるかということです。

そしてこの連結と解除をスムーズに行うためにはエネルギー(ATP)が効率よくミオシン線維に供給されることが必要になります。

つまり、エネルギー(ATP)を供給する筋肉内の血流が良い状態にあることがとても重要になります。

問題のない筋肉ならスムーズに血液からこのエネルギーを供給することができますが、凝り固まった筋肉は筋肉内の血流が滞っているためミオシン線維にエネルギー(ATP)が効率よく供給されず、ミオシンとアクチンが連結したまま解除ができない状態となります。

つまり、ミオシン線維とアクチン線維の連結と解除がスムーズに起きないことで筋肉が滑走することができず、それが結果として筋肉の凝りとして出現してしまいます。

筋肉が滑走しないとどうなるのか

筋肉の伸び縮む機能が低下し滑走しない状態になることでいったいどうなるのでしょうか。それは筋肉の張力が発揮できないということです。

筋肉は先ほどもお伝えしたようにアクチンとミオシンが滑走するようにして組織が動きます。

この滑走する動きによって筋肉は筋長を変化させることができます。するとこの筋長の変化によって筋肉は張力という力を生み出すことができます。

この張力によって筋肉は筋力という力を発揮したり、ポンプのような作用によって血液の流れを助けたりとさまざまな役割を可能とします。

そのため、凝り固まった筋肉を改善するポイントはこのアクチンとミオシンの滑走性を改善し、筋肉の張力を高めることがポイントになります。

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筋肉の伸び縮みを改善するポイント

先ほどもお伝えしましたが、筋肉の伸び縮みの機能が低下する要因としてアクチン線維とミオシン線維の連結が効率よく解除されないことが要因として挙げられます。

これは筋肉が凝り固まることで筋肉内の血流が滞り、効率よくエネルギー(ATP)がミオシン線維に供給されないことが問題となります。

これは言い換えると、

                                          筋肉内の血流を改善することができればミオシン線維に再びエネルギーが供給され、連結したミオシン線維とアクチン線維を解除することができるということです。

そこでどのようにして筋肉内の血流を改善することが必要なのかが大切になります。

従来の方法ではマッサージやストレッチ、運動などをして対応することが多いと思いますが、これらの要素にある動作を一つ加えることでより筋肉内の血流を改善することができます。

そのある動作とは筋肉を一度強制的に短縮位にするということです。この短縮位とは筋肉の起始と停止を近づけて筋長を短くするということです。

筋長を短くすることで筋肉は緩みやすい状態となるため、凝り固まって圧迫された血管の圧が解消し筋肉内の血流が改善しやすくなります。

そして、筋肉が緩み血流が改善することで連結したアクチン線維とミオシン線維が解除されやすくなります。

この作業を従来のストレッチやマッサージの前に行うことでより筋肉の凝りを解消しやすくなります。

ストレッチについてのブログはこちらにまとめていますのでぜひご覧ください。

私がよく臨床で使う筋肉の緩め方

今回は私がよく臨床で使う方法を一つご紹介したいと思います。その中でもよく皆さんが凝りやすい筋肉を例にしてお伝えしたいと思います。

肩甲挙筋

この筋肉は首凝りの原因になる代表的な筋肉の一つです。

  • 起始:第1から第4頚椎横突起
  • 停止:肩甲骨上角
1.まずうつ伏せの状態になります。

2.続いて肩甲骨の下角に指を引っかけます

3.次に肩甲挙筋の起始と停止を近づけるようにイメージしながら肩甲骨を斜め頭方へと引き上げ
  ます。すると肩甲挙筋を強制的に短縮させることができます。

4.次に肩甲骨を斜め下方に向かって下げていきます。すると先ほどよりも肩甲挙筋の凝りが軽減
  し肩甲骨の上下の可動性が拡大すると思います。

この筋肉を一度縮める操作をしてから従来のマッサージやストレッチを行うことでより肩甲挙筋が緩みやすくなると思います。

ちなみに私が自分の肩甲挙筋をストレッチするときはこの方法をよく使います。

■やり方
座った状態で頭部を斜め前方へと倒していきます。このとき、ストレッチしたい側の手は下に置き、対側の手で頭部を斜め前方へと倒すことでより肩甲挙筋をストレッチすることができます。

■時間
30秒から60秒キープ

最後に

皆さんいかがでしたか。筋肉の特性を少しでも理解すると身体の変化をより引き出しやすくなります。

筋肉が凝り固まると普段の生活が本当に辛く感じることが増えていきます。すると仕事や家事の質や効率が落ちてしまうことにつながります。

そのようなことがないように普段から自分の身体をしっかりとケアすることがとても大切になります。今回の記事を読んで少しでもそのヒントになれば幸いです。

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