はじめに
女性がよくする姿勢の一つに『横座り』があります。この横座りは一見女性らしい見た目でとても可愛らしくみえますが、身体に偏った癖が生じやすくなるという特徴があります。
よく横座りをよくしている人にありがちなこととして、
片方の横座りはできるけど反対側の横座りはできない
という人が意外と多くいます。
この片側の横座りが苦手な人の多くは身体に歪みが生じ、どこかの部位に負担がかかっているサインかもしれません。
そこで、今回は片方の横座りが苦手な人に見てほしい身体の歪みのポイントと対処法についてお伝えしたいと思います。
横座りとは
横座りとは片側の股関節が内側へと捻れ、もう片方の股関節が外側へと捻れる姿勢になります。
股関節が内側へ捻れる動きを内旋
股関節が外側へ捻れる動きを外旋
といいます。
また横座りをするときに膝が向いている方向に向かって骨盤も回旋します。
例えば右側へ横座りをすると股関節は右側が外旋、左側が内旋し、骨盤は右側に回旋します。
横座りによって生じる歪み
つまり、身体には片方の捻れのストレスがかかり続けることになるため、結果的に身体には左右不均等な回旋ストレスが生じ、それが歪みの原因となってしまいます。
またこの動作を繰り返し行うことによって反対側の捻れの可動域が少なくなっていきます。すると、適切な関節内の動きが減少しメカニカルストレスのかかりやすい身体へと変化してしまいます。
身体に歪みが生じることで生じやすい症状の一つに『腰痛』があります。腰痛についての記事はこちらに書いてありますのでぜひご覧ください。
身体の捻れのチェックポイント
胸郭
胸郭のねじれをみるときのポイントは左右の肋骨下角の違いになります。
肋骨下角とは下側の肋骨によって形成される角度のことを言います。そしてこの角度の正常値は左右45度を足した90度になります。
この肋骨下角度に左右差が生じていたり、正中軸から肋骨の位置がずれている場合は胸郭が捻れている可能性があります。
胸郭に歪みが生じることで起こりやすい見た目の問題としてウエストラインの左右差があります。そのようなことでお困りの方はぜひこちらの記事もご覧ください。
骨盤
骨盤の捻れをみるときのポイントは左右の上前腸骨棘(ASIS)の位置をみることです。
ASISは骨盤の前側にある左右の出っぱった部分のことをいいます。
横座りの癖がある人は
股関節が内旋している側の骨盤は前傾しASISは下方へ移動します。そして恥骨は下制します。
股関節が外旋している側の骨盤は後傾しASISは上方へ移動します。そして恥骨は挙上します。
このような骨盤の位置にある場合は骨盤に片側へと捻じれるような歪みが生じている可能性が高くなります。
骨盤は身体の軸になる骨になるため、骨盤に歪みが生じることで身体全体にその歪みの影響が生じることになります。
股関節
股関節の歪みに関しては皆さんも想像しやすいと思います。
横座りをすることによって
内旋している側の股関節は外旋が制限されやすくなり、反対に外旋している側の股関節は内旋が制限されやすくなります。
股関節に付着する多くの筋肉は骨盤にも付着しています。そのため、股関節の可動域に問題が生じることで骨盤にもその影響が生じることになります。
片方の横座りばかりしている人は仰向けになった際に左右の足の開きに差があることがあります。このような状態になっている場合左右の股関節の硬さに違いが生じている可能性があります。
身体の歪みをとるセルフエクササイズ
上半身のツイスト
このエクササイズは胸郭のねじれを解消するためのエクササイズになります。
肋骨下角の左右差や胸郭の中心がズレていることを確認したら、そのズレた位置から中心に戻すようにツイスト運動を行うことが重要になります。
肋骨下角に歪みがある方はぜひ試してみましょう。
■やり方 まず胡坐になり、腕を組みます。臀部が地面から離れないように注意しながら上半身を左右に捻じっていきます。 ■回数 このエクササイズを左右10回ずつ行います。 ■ポイント 身体を左右に捻じったら捻じりにくい側がないかを確認してみましょう。捻じりにくい側がある場合はそちらの可動域をしっかりと引き出すように行うとより効果的です。
もう一つの方法になります。
■やり方
まず腕を組んだ状態で仰向けになります。その状態で骨盤が捻じれないように注意しながら上半身のみをゆっくりと左右へと捻じっていきます。このとき外側に広げた肘が地面にしっかりと付くかどうかをみてみましょう。
■回数
このエクササイズを左右10回ずつ行います。
■ポイント
明らかに肘が地面から離れていたり、左右で捻じる範囲に差がある場合は胸郭や肩甲骨の可動域に左右差がある可能性があります。
骨盤回旋
このエクササイズは骨盤や腰椎にねじれが生じている人におすすめなエクササイズになります。
■やり方
まず膝を立てた状態で仰向けになります。その状態で膝を左右にゆっくりと倒していきます。このとき、左右の捻じれに違いがないか確認しましょう。捻じりにくい側は背中が過剰に地面から持ち上がったり、臀部から腰背部にかけて張り感を自覚される場合があります。
■回数
この骨盤回旋運動を左右20回ずつゆっくりと行いましょう。
股関節回旋
■やり方
膝を立て、後方に手を着いた状態で座位になります。その状態で下半身を内側外側へと開いたり閉じたりします。
■回数
内側、外側にそれぞれ20回ずつ捻じるように動かします。
■ポイント
ポイントは足の付け根(股関節)からしっかりと足を捻じるように動かすようにすることで股関節周りの硬さがより改善しやすくなります。この運動を行う際、股関節が開きにくい方や反対に閉じにくい方向がないかを確認します。
2つ目は股関節を動かしながら骨盤と腰椎の協調的な動きを引き出す方法になります。
■やり方
まず手を後ろについた状態で座ります。そのまま股関節を内側外側へと倒しながらゆっくり身体を捻っていきます。
■回数
左右の捻じる動きに差がないか意識しながら左右20回ずつ行います。
■ポイント
ここでのポイントも倒しにくい側を特に意識しながら下半身を動かすようにしましょう。
最後に
皆さんいかがでしたか。横座りをすることの最大の問題は偏った姿勢をとり続けることにあります。
特に痛みがない時は無意識にその姿勢をとることが多くなりますが、最も大切なのはこの段階で身体の偏った癖を作らないようにすることにあります。
もしすでにどこかに痛みが生じているという人は自身の身体の歪みを一度確認してみましょう。そして、歪みの部位をみつけたらその部位の動きをしっかりと引き出してあげることがとても大切になります。
今回の記事を読んで身体の歪みを改善するきっかけができたら幸いです。
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