現役理学療法士解説。スッキリしたお腹を作る腹横筋の触診と意識するポイントについて。

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はじめに

筋トレやピラティスをやっている人なら必ず筋肉の一つに『腹横筋』があります。そして私が普段ピラティスやリハビリの際にクライアントに意識させるの筋肉の一つがこの腹横筋になります。

この腹横筋という筋肉は普段身体の芯を安定させるためにとても重要な筋肉になります。しかし、普段の不良姿勢などによりこの腹横筋を使えていない人がとても多く存在します。

普段私は理学療法士とピラティスインストラクターという二足のわらじで仕事をしていますが、腰痛や骨盤周りの不調を抱えている人の多くはこの腹横筋の機能不全を呈している方がとても多い印象を受けます。

また、ぽっこりお腹や反り腰の方など見た目にコンプレックスを抱いている人もこの腹横筋の機能不全を起こしている人がとても多いと思います。

この腹横筋をしっかりと意識することによって身体の芯が安定し、機能性や見た目を劇的に変えることができるようになります。

そこで今回はこの腹横筋の触診方法と意識するポイントについてお話ししたいと思います。

腹横筋とは

腹横筋は腹部の筋肉の一つで腹壁の深部に位置する深層筋になります。

腹横筋の位置と構造

腹横筋は腹直筋や外腹斜筋、内腹斜筋の下にあり、腹部の側面と前面を覆うように水平に走る筋肉です。

腹横筋の起始・停止

起始:第7-12肋骨の内側面、胸腰筋膜、腸骨稜、腹膜鞘

停止:白線、恥骨結合、腹直筋鞘

腹横筋の機能

体幹の安定

腹横筋はコア(体幹)の安定性を高め、姿勢を保つ役割を果たします。特に脊柱や骨盤の安定性にとても重要な役割を果たします。

内臓の保護

腹部を圧迫し内臓を適切な位置に保つ役割があります。

呼吸の補助

呼気(特に強い吐き出し)や腹圧を高める動作(咳や排便)をサポートする役割があります。

運動時のサポート

重い物を持ち上げる、走る、ジャンプするなどの動作で体幹を安定させ、他の筋肉の効率的な動きを助けます。

体幹についての記事は他にもまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。

腹横筋の触診と収縮を感じるポイント

腹横筋は体幹筋の中でも深層部に位置するためなかなか触診が難しい筋肉でもあります。しかし、今からお伝えするポイントをしっかりと触れることができれば腹横筋の収縮を容易に感じることができますので、ぜひ一度試していただけたらと思います。

まずはじめに骨盤の前側にあるASISという一番出っ張った部分を触れていきます。

次にASISのやや内下方辺りに指をずらして触れていきます。この部位は腹直筋や外腹斜筋がないため腹横筋の収縮を容易に感じやすいポイントになります。

腹横筋の収縮するタイミングは呼気の後半になります。そのため、息を吸い、ゆっくりと口から息を吐いたとき、後半あたりから腹横筋の収縮を感じることができます。

そのため、先ほどお伝えした腹横筋の触診ポイントに指を置き、息をゆっくり長く吐くように意識をすると触れている部分がピンっと張ったような感触が得られると思います。これが腹横筋が収縮した感覚になります。

腹横筋の収縮する方向

腹横筋は腹部の前面から側面を覆うように存在する筋肉になります。そのため、腹横筋が収縮すると腹部に巻いたコルセットがギュッと締まるようなイメージで収縮感を感じることができます。

そのため、腹横筋が収縮すると見た目ではお腹の形が凹型になり腹囲が少し細くなります。そのため、この腹横筋がしっかりと機能することによってお腹周りがすっきりとした見た目になりぽっこりお腹の改善にも大きく影響します。

腹横筋を促通する呼吸とは

腹横筋を促通するための呼吸は呼気をしっかりとコントロールすることが重要となります。

まず仰向けに寝ていきます。

次に鼻から息を吸いながら腹部を膨らませていきます。

次にお腹を薄くするようなイメージで口からゆっくり長く息を吐いていきます。

そして次の息を吸うタイミングではお腹を薄くした状態で息を鼻から吸い、そして再び口からゆっくり長く息を吐きながらさらにお腹を薄くしていきます。

この呼吸を繰り返し行うことで腹横筋が刺激され、腰部骨盤周りの安定性が高まるのを感じることができる様になります。

よくみられる代償動作

お腹を薄くしようとするときによくみられる代償動作が骨盤の後傾になります。

骨盤の後傾とは骨盤が頭側に向かって引きあがる動きのことをいいます。仰向けに寝た時は臀部が床から離れるような動きのことをいいます。

代償動作に注意

骨盤後傾による代償動作が生じた時は腹横筋ではなく、腹斜筋群に力が入り過ぎてしまっている可能性があるため注意が必要です。このような場合は一度深呼吸をしながら過剰に入った身体の緊張をリセットし、骨盤が地面にしっかりとついた状態で再び呼吸の練習を行うと良いと思います。

最後に

皆さん、いかがでしたでしょうか。

腹横筋の収縮を練習するにはまず呼吸の練習が必要不可欠です。呼吸は普段無意識に行っているため、なかなか意識をすることはないと思います。

しかし、呼吸を意識しながら腹横筋のコントロールができるようになると生活するだけでも体幹の力が入りやすくなり、見た目や機能性が大きく変わるきっかけとなります。

ぜひ一度自分の呼吸を見直してみましょう。

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