はじめに
私は普段理学療法士とピラティスインストラクターの二足のわらじで活動しています。
その中でよく股関節が痛いという方からお問い合わせを多くいただいております。股関節が痛い人は痛い側の足に体重を乗せることが苦手になります。
すると痛くない側の足やそれ以外の腰や膝といった違う部位にも負担がかかりさまざまな部位に痛みを生じやすくなります。
そのため、股関節が痛いだけではなくいろいろな部位の不調を同時に抱えながら私のところに来るひとがとても多いです。
そこで今回理学療法士とピラティスの両方を経験している私が特におすすめしている股関節が痛い人の改善方法についてお話ししたいと思います。
股関節が痛い人の一番の問題
私が股関節が痛い人の一番の問題として考えているのが『痛い側の下肢で床反力を形成できない』ということです。
床反力とは地面を押す力の反力になります。
人間は立っているときも無意識に地面を踏んでおり、その反力が下半身→体幹に伝わることで関節を安定して空間に保つことができています。
しかし、股関節が痛い人はその床反力をうまく形成できないことで股関節が安定せず無駄に筋肉に緊張が高まりやすい状態となります。
すると股関節の可動域や柔軟性が低下し、痛みを誘発しやすい状態となります。
股関節の安定性を高めるおすすめアイテム
股関節が痛い人で私のところに来る方のほとんどはこの床反力を形成するように促すことで症状の改善を認めています。
そこで私が使用するアイテムが『リフォーマー』になります。
このリフォーマーを使用することで安全にかつ効果的に股関節の床反力を形成する能力を高めることができます。
私が使用しているリフォーマーはMerrithewという会社のものになります。Merrithewのリフォーマーはスプリングや各パーツが細部まで作りがしっかりしているだけではなく、乗り心地もとても良くおすすめなリフォーマーになります。
しかし、一つデメリットとしてはとても高価なためなかなか購入することが難しい点です。そのため、ご自宅で使用するだけならMerrithewのこちらのリフォーマーでも十分代用できるためこちらの物でも良いかと思います。
股関節が痛い人の特徴
股関節が痛い人の特徴に臀筋群と大腿後面にあるハムストリングスが弱いことが挙げられます。そのため、それを代償して大腿前面にある大腿四頭筋や大腿筋膜張筋の緊張が高くなる傾向があります。
そのため、臀部や大腿後面の安定性を高めることで股関節周囲の筋肉のバランスが整い、股関節の安定性を高めることができます。
股関節の床反力の高め方
股関節の床反力を高めるもっともおすすめな方法がリフォーマーを使った『フットワーク』というエクササイズになります。
フットワークのやり方
まずリフォーマーのキャリッジという台に仰向けになり、フットバーに足を乗せます。
またこのフットバーには踵側をまずは乗せるようにします。
スプリングというバネによって負荷量を調整しますが、股関節が痛い人はまずスプリング1(赤いバネ一つ)からがおすすめです。
準備が整ったらゆっくりとフットバーを押し出すように踏んでいきます。するとキャリッジが上にスライドしながら滑っていきます。
足が伸びたら次にゆっくりと足を曲げながら元の位置に戻っていきます。この動きを10回から20回実施します。もし、この動きの中で股関節に痛みがある場合は実施を中止してください。
この時のポイントは足を伸ばすときも曲げるときも常にフットバーを押し続けながら常に関節を安定させた状態で動くことです。もしフットバーを押す力が弱くなるとバネの力に負けて急に足が曲がってしまいかえって股関節が痛くなってしまうことがありますので注意してください。
このフットワークの最大のメリットは立っているときに常にかかっている重力の影響を除いた状態で床反力を高める練習ができる点です。
そのため、やり方を間違わなければ安全にかつ効果的に股関節の安定性を高めることができます。
フットワークの応用編
上記で説明したフットワークが安定してできる様になったら次に行うのが少しお尻を浮かせた状態で同様のフットワークの動きを行っていきます。
このお尻を浮かせた状態でフットワークをすることで臀部や大腿後面にあるハムストリングスに効果的に刺激を入れることができます。
もしこのお尻を上げるフットワークを行う場合はまずはお尻だけ上げる動きを練習してみましょう。
最後に
皆さんいかがでしたか。
リフォーマーはあまり聞いたことがない人も多いかと思いますが、最近ピラティスが流行り出したことで徐々に認知が高まってきているマシンになります。
このリフォーマーは一台あるだけでさまざまなエクササイズが展開でき、身体を効果的に変えることができます。
これからこのリフォーマーを使い方についても記事として挙げていきたいと思いますので楽しみにしていてください。