朝起きると肩が痛いときの対処法について現役理学療法士が解説します。

スポンサーリンク

はじめに

私は普段理学療法士として整形外科に勤めています。その中で特に多い症状の一つに肩の痛みを訴えて来院される患者がとても多いです。

そしてリハビリに来た時に細かく話を聞くと朝起きた時に特に肩が痛いとおっしゃる患者が意外と多くみえます。

内臓小僧
内臓小僧

肩が痛いと普段の何気ない日常生活でも辛いことが増えるよね。例えば何か物を取るときやとっさに肩を動かしたときなんかは注意が必要だね。

朝起きた時に肩が痛いと

寝起きがつらい

夜しっかりと熟睡できない

寝る時に落ち着くポジションがわからない

など身体の不調をきたしやすくなります。

そこで今回は朝起きた時の肩の痛みを軽減するための方法についてお話ししたいと思います。

肩周りの筋肉

肩の周りには腱板(ローテーターカフ)という筋肉が存在します。

腱板とは

腱板とは肩のインナーマッスルといわれる筋肉であり肩の安定性を担う役割があります。主に棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つから構成されています。

肩が痛くなる要因

肩が痛くなる要因はたくさんありますが、その一つをご紹介したいと思います。

まず肩の周りにはたくさんの筋肉が存在します。それらの筋肉は肩を安定させるために欠かせない組織になります。しかし、その筋肉が構造上一部だけ存在しない部分があります。その部位を腱板疎部といいます。

そのため、この腱板疎部は比較的肩の安定性が低く、痛みを伴いやすい部位になります。

肩に負担がかかりやすい腱板疎部

先程もいったように肩の周りにはインナーマッスルである腱板筋が存在します。その中で肩の前面の安定性を担っているのが棘上筋肩甲下筋になります。

そしてこの棘上筋と肩甲下筋の間には隙間があり、その部位は筋肉が存在しないため関節包などといった組織しか存在しない部位になります。

そのため、この肩の前面に負担がかかることによって腱板疎部の部位にはより多くの負担がかかり、痛みを伴いやすい状態となります。

そこで今回は寝ているときにこの腱板疎部に負担がかかりやすい姿勢をお伝えしたいと思います。

夜寝ている時に肩が痛くなりやすいポジショニングとは

先ほども言っている腱板疎部とは肩の前面になる筋肉の存在しない部位になります。この腱板疎部に負担がかかりやすい姿勢が肩の前方突出という状態になります。

肩の前方突出とは肩関節を構成している肩甲骨、上腕骨のポジショニングのエラーになります。肩関節は肩甲骨の一部と上腕骨頭によって構成される関節になります。

肩関節は比較的凹凸の関係の中でも凹の部分が浅いため関節の構造上不安定になりやすい関節になります。そのためその不安定を軽減するために周りにはたくさんの筋肉が存在し肩の安定性を保っています。

肩は不安定な構造と引き換えに大きな自由度を持つ関節になります。そのため、さまざまな大きな動きが可能になるため上のものを取ったり後ろに手をまわしてみたりと可動域がとても大きい関節という特徴があります。

そのため、肩の周りの組織が硬くなったり、姿勢が崩れ肩関節の位置が崩れてくると肩は自由度が大きい分偏位が大きくなり負担がかかりやすくなります。

夜寝ているときのポジションニングでもっとも気を付けるのが肩と肘の位置になります。

寝ているときに肩よりも肘が下がってしまうことでテコのように肩関節が前方に突出しやすくなります。

すると肩前面の組織が伸ばされた状態となるため肩前面の負担が増加します。特に腱板疎部の部分には筋肉の安定性がないため、肩の腱板疎部の部分により大きな負担がかかりやすくなります。

ポジショニング以外での肩の痛みを誘発する条件

肩周りの組織が硬い

肩周りの組織が硬いことで肩に痛みを生じることはとても多いです。特に拘縮肩になると寝ながら肩を無意識に動かした際に強い痛みを伴うことがあります。

肩に冷房が当たる

肩が冷房によって冷やされることで血管が収縮し血流が滞ることで痛みを伴うことがあります。

痛い方の肩を下にして横向きで寝ている

痛い側の肩が下になると常に肩に体重がかかり関節に負担がかかりやすくなります。また肩の位置が関節面から崩れてしまうことで肩周りの組織が緊張し痛みを伴う原因になります。

肩に負担をかけずに寝るポイント

肩に負担をかけずに寝るポイントは肩と肘の高さをそろえるもしくは少し肘を高くすることがポイントになります。

そのためにおすすめなのがタオルもしくはクッションになります。

クッションなどがないと寝た時に肩よりも肘が下がってしまうことでテコの原理で肩が上にとび出してしまいます。すると肩の前面の組織が伸ばされ、肩前面に痛みを伴いやすくなります。

そのため、タオルもしくはクッションを肩と肘の下に置き、肩と肘の高さをそろえます。すると肩と肘の位置が整い、肩前面の負担が軽減します。

さらに手をお腹の上に置くことで肩前面の組織が緩み、肩の負担を軽減することができます。

最後に

皆さんいかがでしたか。

肩の痛みと寝る姿勢はとてもつながりが強く意外と見落とされていることが多いです。

肩のポジションを考えるときにほんの少しの注意で肩の痛みの状態を大幅に改善することができます。

まずは肩の前面が痛くなりやすい人は今回の記事を読んで少しでも寝る姿勢を気を付けていただけたらと思います。

タイトルとURLをコピーしました