【最終更新日:2025年10月25日】
はじめに
近年、スマートフォンの使用時間が1日数時間に及ぶ人が増えています。実は、スマホ操作で最も酷使しているのが「親指」。
親指の使い過ぎによって、肩こり・首こり・姿勢の崩れが生じることをご存じでしょうか?
理学療法士として多くの肩こり患者をみてきた経験から、「親指の硬さ」が肩の動きや姿勢に深く関わっていることが分かっています。
最近の世の中ではスマートフォンの普及が急速に進み、スマフォ依存症の方が大幅に増えました。私自身も気が付いたらすぐスマフォをいじってしまっていて、仕事に行くときにスマフォを家に忘れると一日とても不安な気持ちになってしまいます。

最近だとスマホがないだけですごく不安になっちゃうんだよね。完全にスマホ依存症だよ。

スマホは確かに便利な物だけど、実は使い過ぎることで身体にはいろいろな問題が生じる可能性があるんだよ。
本記事では、スマホ依存による身体の変化と、親指の硬さを確認する3つのセルフチェック法、そして改善のためのストレッチ方法を紹介します。

スマホ親指がもたらす身体の歪み
スマホ操作時、親指は常に画面を押したりスクロールしたりしています。この小さな動作が積み重なると、手首や前腕の筋肉が硬くなり、腕全体の動きに制限がかかります。
結果として、以下のような連鎖が起こります。
親指・前腕の筋緊張 →肘や肩関節の可動域制限 → 肩甲骨の動きの悪化 → 首・肩こり、猫背、巻き肩の形成
特に、デスクワークや長時間のスマホ操作を行う人は、親指周囲の筋肉が常に縮こまり、知らず知らずのうちに肩が上がらなくなっているケースが多いのです。
肩を挙げたときの参考可動域は
肩を上にあげたときの参考可動域は180度といわれております。
目安は耳までしっかり腕があがっているかを確認するとわかりやすいと思います。

肩の適した位置
現代では猫背などの不良姿勢の方がとても増えました。これは仕事でデスクワークの時間が長かったり、スマホやパソコンを使用する頻度が増えたことが大きく影響しています。
本来であれば耳と肩(肩峰)を結ぶ線が直線になるのが適した肩の位置になります。

しかし、前かがみの姿勢になると首が前に突き出し肩が内に巻いたような姿勢になります。すると耳と肩を結ぶ線がずれた状態となります。
“硬さ”が姿勢・肩に波及する仕組み
親指・手首・前腕の硬さは、以下のような流れで肩・姿勢まで影響を及ぼします:
手首・親指の可動域低下 → 前腕筋・上腕骨筋への負荷増加
前腕・上腕の筋膜緊張 → 肩甲骨・鎖骨周囲に張り・動き制限発生
肩甲骨の動き低下・巻き肩傾向 → 胸部が縮み背中が丸まる姿勢へ
背中・首・肩への静的・動的負荷増加 → 肩こり・首こり・頭痛へ
特に、スマホの「うつむき姿勢」「肩を内側に巻き込む動作」がこのメカニズムを助長します。

親指・手首の “硬さ” が出る典型的なサイン
以下のサインが出ていたら、親指・手首の硬さが肩や姿勢に悪影響を及ぼしている可能性があります:
親指の付け根(手のひら側)を押すと硬く/痛みがある
長時間スマホ使用後、親指・手首が重い/だるい感じがする
親指を反らせたり開いたりする動作で違和感・引っかかり感あり
肩甲骨の内側(背中上部)に張り・鈍い痛み・可動域の低下あり
スマホ操作後、肩が前に入ってしまい、姿勢が丸まりやすい
これらのサインを軽く見ず、「手のケア=肩・姿勢のケア」と捉えることがポイントです。

手から肩・姿勢を守るチェックリスト
今すぐできる簡易セルフチェック
スマホを持っている時や休憩中に、以下を3-5分かけてチェックしてみましょう:
親指をそっと反らせ&閉じて動かしてみる → 痛み・可動制限あり?
手のひらを上向きにして手首をゆっくり反らせる → 張り・違和感あり?
肩をすくめて10秒キープ → 肩甲骨の動きに違和感あり?
背もたれにもたれ、肩甲骨を軽く寄せて10秒 → 背中上部に張りを感じる?
スマホ操作中、肩が前に入っていないか鏡でチェック
これらのチェック項目で “硬さ・張り・姿勢の傾き” を把握できます。
今日から始める “手のケア”習慣
スマホ連続使用を 30分を目安に一旦休憩(手を開いて30秒)
利き手の親指を少し反らせて “手のひらを開く動作” を1分間 × 1〜2回/日
手首ストレッチ(手のひらを天井に向けて手首を後ろに曲げる)を1分 × 1〜2回/日
肩甲骨回し(肘を横に広げて肩甲骨をゆっくり寄せる)を10回 × 2セット/日
作業姿勢を1時間ごとに確認 → 肩が前に入っていないか/背中丸くなっていないか
これらを習慣化することで、「手の硬さ→肩・姿勢の悪循環」の入り口を断つことができます。
肩の動きが最近良くないと感じている方はぜひこちらの記事もご覧ください。


親指の硬さに影響する3つの筋肉
親指にある母指球にはたくさんの筋肉が存在します。その中で特に親指の硬さに影響するのは以下の筋肉になります。
母指内転筋
短母指外転筋
母指対立筋

親指と前腕の硬さをみる3つのチェック項目
親指をよく使用する方は母指球や前腕の外側が硬くなっている場合がありますので、いくつかのセルフチェック方法をお伝えしたいと思います。
親指の硬さチェック
まず手をパーにしたときに親指がしっかり開いているかを確認します。


前腕の硬さチェック
肘を身体につけた状態で手がしっかり外側に回るか確認してみます。 手の平がしっかり90度回るかをみてみましょう。回らない方は前腕部に硬さがある可能性があります。


母指球と橈骨の圧痛チェック
下図の2箇所を押したときに圧痛がある方は母指球や前腕の筋肉が硬くなっている可能性があります。


親指から肩への筋連鎖について理学療法士が解説
図で示した青い部分は親指から肩にかけての筋肉のつながりを示したものです。
親指から伸びた筋肉は橈骨(前腕外側)を通り肩の前面まで伸びていきます。スマホをよく使用する方は親指が硬くなります。
ディープフロントアームライン(DFAL)
小胸筋→烏口突起→上腕二頭筋→橈骨骨膜→母指球筋
そして、その影響は肩の前面まで及びます。肩の前面が硬くなると胸が開きにくくなり、猫背を助長することにつながります。すると耳と肩の位置関係が崩れ肩に負担がかかりやすくなります。

参照:ヒューマン・アナトミー・アトラス2019-Visible Body
まっすぐ立ったときの手の向き
親指が硬い方は立ったときに手の平が体側に向かず後ろ側に向いている場合があります。

親指と肩の動きの関係性
①親指を外側に開いてみましょう。すると肩が開きやすくなると思います。

②反対に親指を内側にいれてみましょう。今度は肩が前に出て猫背のような姿勢になると思います。スマホを使用するときは親指は常に内側の状態となります。


すると親指はその状態で硬くなり、肩も連動して内巻きの状態で硬くなります。
硬さをとるセルフケアの方法
1.まず肩の上がる可動域を確認します。

2.次に母指球を矢印の方向へ30秒ほど圧迫します。

3.次に図の位置(腕橈骨筋)をつまみながら前腕を内側外側へ20回ずつ回します。


4.その後もう一度肩の上がる角度を確認してみましょう。もしこれで肩の可動域が変化するのであれば肩の動きに親指や前腕の硬さが影響している可能性があります。

スマホ利用を見直すことで手・肩・姿勢を守る
使用時間の“見える化”
スマホでは、スクリーンタイムや利用時間を確認できる機能があります。まずは **1日の親指・手の動きを減らすために「連続利用30分」「手を休める1分」**というルールを設けましょう。
スマホ持ち方・操作姿勢の改善ポイント
姿勢:背筋を伸ばし、肩を少し後ろに引いた状態でスマホを顔に近づける
持ち方:片手持ちを避け、両手/片手でも机に置く、手首に負荷を残さない姿勢に
画面操作:ズーム・スワイプを過度に繰り返さないよう意識 → 親指の過負荷を軽減
日常動作を“手・肩・姿勢”で捉える習慣
“スマホチェック → 手首ストレッチ”をワンセットにする
座り作業:60分続いたら立ち上がり、肩甲骨を寄せ/開く運動を30秒
就寝前:スマホを視界から外し、手・肩・背中を軽くほぐす
こうした日常のちょっとした習慣が、親指・手首の硬さを防ぎ、肩・姿勢の健康に繋がります。
よくある質問(Q&A)
Q1:親指の硬さって誰にでも起こるの?
A:スマホ・タブレットを片手で長時間操作する人、ゲームやSNSでスクロール量が多い人、手を休めずに操作を続ける人は特にリスクが高いです。ただし、日常で「手を使わない」ことは少ないため、誰もが注意すべき現代的な身体サインです。
Q2:肩こり・姿勢の崩れだけでは、手の硬さを意識しなかった…
A:確かに「肩・首・背中」で違和感を感じる方は多く、手・親指は盲点になりがちです。しかし、手から肩・姿勢まで繋がる“流れ”を理解することで、根本的な改善に繋がります。
Q3:どれくらいで改善を実感できますか?
A:個人差はありますが、毎日ストレッチ&姿勢改善を2~3週間続けると「肩の張り」「スマホ後の疲れ」が軽くなってくる方が多いです。大事なのは “習慣化” = 継続することです。
最後に
皆さんいかがでしたか。母指球や腕の外側が張っている方は指を使いすぎているかもしれません。最近は電子化が進み、昔とは違った形で身体に負担がかかることが増えました。
肩の痛みは肩からきていることもあればその部位とは離れた場所から影響していることもあります。今回の記事は肩の痛みの原因となる1つのパターンをお伝えしました。
もしこの記事の内容に当てはまる方はスマフォなどの使用頻度を減らしながら親指のマッサージをすることをおすすめします。
本日もご覧いただきありがとうございました。


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