はじめに
皆さんは今までにお腹が張るという経験を一度はしたことがあるかと思います。
トイレに行ってもすっきりしない
食事を食べたわけでもないのにお腹が苦しい
便通が悪い
このような悩みを抱えている人はとても多いです。
実はこのお腹が張りやすい原因の一つとして内臓脂肪の増加があります。内臓脂肪というと見た目ばかりに気を取られやすいですが、実は内臓脂肪の蓄積によって便秘に大きく影響するのを知っていますか。
そこで今回は内臓脂肪とお腹の張りの関係性についてお話したいと思います。
内臓脂肪が溜まる場所
内臓脂肪は腹部に溜まりやすいという特徴があります。そのため、ぽっこりお腹の人は比較的内臓脂肪が蓄積している方が多いです。
そもそも内臓脂肪は腹部のどこに溜まっているかご存じですか。
お腹を断面図のようにしてみてみるとまず表面には皮下脂肪があります。そして皮下脂肪の下には腹筋があり、さらにその奥に内臓脂肪が溜まります。
胃や腸の周りには腸間膜という膜があり臓器をその場所に固定する役割があります。そして内臓脂肪はこの腸間膜に蓄積していきます。
参照:オステオパシーの内臓マニピュレーション図3ー1
内臓脂肪が溜まるとどうなる
内臓脂肪が溜まることによって腹部内のスペースが減少し、腸が圧迫されやすくなります。すると消化吸収の際に起こる腸の蠕動運動が阻害されてしまいます。これが内臓脂肪が溜まることとお腹の張りの関係性になります。
そして腸の動きが悪くなるということは腸内にある老廃物を排泄する機能も低下するということです。老廃物をスムーズに排泄することができないと腸内に悪玉菌が溜まりやすくなります。すると
なかなか便が出ない
便をしてもスッキリしない
便の臭いが気になる
といったことが生じます。これが内臓脂肪が溜まることによって起こる便秘の原因になります。
また、内臓脂肪が多いと死亡リスクが高まるという報告があります。BMIが正常範囲内であっても内臓脂肪型肥満と判断された人はそうでない人に比べて死亡リスクが2倍以上高まるという報告もありますので、今のうちからしっかりと運動をして内臓脂肪を減らすように心がけましょう。
内臓脂肪を減らすエクササイズの方法についてまとめてありますので、興味のある人はこちらの記事もご覧ください。
内臓脂肪を溜めないコツ
内臓脂肪を溜めないコツは腹腔のスペースを確保することです。この腹腔のスペースを確保するには胸郭と骨盤の位置関係を正すことが重要になります。
胸郭と骨盤の位置の目安は第10肋骨と上前腸骨棘(ASIS)のラインが揃っているかということです。
この二つのラインが揃っている人はお腹周りがスッキリとしてみえる特徴があります。よく町中にあるヨガのインストラクターのポスターに写っている人のお腹周りを想像してみましょう。とてもきれいで薄いお腹をしていると思います。
このような見た目の人は必ず第10肋骨とASISのラインが揃っています。そのため、やみくもにお腹周りのトレーニングをしてもこのラインが揃っていないとなかなか思うような見た目になることはできません。
例えば猫背の人はどのようになっているのか説明したいと思います。
猫背の人の多くは骨盤が前方にシフトし、胸郭は後方にシフトしているパターンが多いです。このような姿勢を別名スウェイバック姿勢といいます。このスウェイバック姿勢になると第10肋骨よりもASISが前方にシフトしているのがわかると思います。
骨盤と胸郭の位置がずれることで腹腔を隔てている横隔膜と骨盤底筋の位置が崩れてしまい、結果的に腹圧が高まりずらい状態となります。腹圧が高まりずらくなると腹部の代謝が落ち、より内臓脂肪が蓄積しやすくなります。
胸郭と骨盤の位置を整えることで腹部にある筋肉の働きが高まり、内臓脂肪が溜まりずらい腹部の環境を作り出すことができます。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
内臓脂肪は気付かないうちに蓄積しやすいため普段から生活習慣をしっかりと見直すことが大切です。
そして生活習慣の中でも特に重要なのが姿勢になります。座っているとき、立っているとき、寝ているときも偏った姿勢になることで身体の軸が崩れ腹腔のスペースが減少してしまいます。
まずは立った時に今回お伝えした胸郭と骨盤の位置を確認してみましょう。もし、崩れている人はこのポイントからしっかりと整えていくことでよりお腹周りの筋肉に刺激を入れやすくなります。
今後も皆さんのお身体の悩みを解決するための情報発信をしていきますので楽しみにしていてください。
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