はじめに
最近は少子高齢化により健康志向の方が増えたり、若い方でも美容のために運動をする方がとても増えてきました。
私は普段理学療法士とピラティスインストラクターとして活動しておりますが現在とても多くの方からお問い合わせをいただいております。
お問い合わせをいただく約8割の方ははじめてピラティスをされる人です。そのためお問い合わせをしてスタジオに来られる方は本気で自分を変えようと覚悟を決めた方ばかりです。ですのでこちら側もその期待に応えられるように全力でレッスンをさせていただいております。
その中で私が一番大切だと思うのは初回のレッスンです。初回のレッスンでいかにピラティスの良さを知ってもらい、また自分の身体をこちらに預けてもよいと思っていただけるのか、その価値を提供することを常に心掛けております。
そこで今回は初回のレッスンでよりクライアントと信頼関係を築くために私が普段から意識していることをお伝えしたいと思います。

私が初回レッスンで意識すること
➀話すテンポを意識する
まず体験レッスンでやる内容の説明をします。
このとき、クライアントは初めての環境で初めて会うインストラクターを前にとても緊張をしています。そのときにこちらの説明が速いテンポで話をするとその緊張をさらに助長し、クライントが理解する余裕をなくしていまいます。そのため、まず重要なポイントがゆっくりとしたテンポで話をすることを心がけるということです。
このゆっくりとしたテンポはインストラクター側の緊張も適度に落ち着かせながら言葉を選ぶ余裕が生まれるのでとても重要だと思います。もともと私の性格が緊張をすると早口になる傾向があることを自覚しているため、この話すテンポを意識するようになってからは初めての人ともコミュニケーションが円滑にとれるようになったと思います。
②クライアントの悩みの共有
コミュニケーションをうまくとるポイントが感嘆と共有をしっかりと意識することです。そして適度にクライアントとコミュニケーションをとるときに質問を会話に織り交ぜることでコミュニケーションを円滑にとることができます。
またこのコミュニケーションの中にピラティスによってどのような悩みを解決したいのかその方法を明確にすることでよりクライアントとの関係構築が良い方向へ進みやすくなります。

ピラティスの基本原理ついてこちらの記事でまとめていますので、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
③クライアントの身体の状態を明確かつ簡単に説明
レッスンを始める中で重要なのがレッスンによってどのような効果や変化をもたらすことができるのかをしっかりと伝えることです。
その中でクライアントの根本的な悩みはなぜ生じているのか、そしてそれをどのように解決していくのかしっかりと説明する必要があります。
私がレッスンをすすめるときの一例をご紹介したいと思います。

最近ぽっこりお腹が気になるのでピラティスで解消したいです。

そうなんですね。それではピラティスをやる目的はボディメイクですね。ぽっこりお腹はただそこに脂肪が溜まっているだけではなく姿勢のアライメント不良でも生じやすくなります。ですので、一度A様のお身体をみさせていただいてもよろしいでしょうか。

はい。よろしくお願いします。

では失礼します。
クライアントA様の姿勢の中で一番気になるのが骨盤の前方偏位になります。通常の骨盤の位置よりも前方に骨盤がシフトしているのは下腹部や臀部の安定性が低下していることが要因として大きいと思います。下腹部や臀部の安定性が低下することでお悩みであるぽっこりお腹になりやすくなりますので、レッスンではその辺りをまず確認しながら骨盤の動きのコントロールを高めていきましょう。
すごくざっくりとした会話ですが、このようにクラインアントの悩みを確認した後、それを解決するための流れや方法をしっかりとお伝えすることでクラインアントは自身のやるべきことが明確化しレッスンに取り組みやすくなります。
このようにまずは瞬時にクライアントの目的とそれを解決するための方法を伝える練習をすることがとても大切だと思います。
ピラティスを用いて骨盤の位置を修正するポイントについてこちらの記事でまとめていますので、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
体験レッスン開始時は必ず呼吸からはじめる
体験レッスンにてはじめてピラティスを体験する人には私は必ず【呼吸】からレッスンを始めています。呼吸はピラティスには欠かせないツールの一つであり、その方の身体の特徴を確認する上でとても重要な要素となります。

呼吸を行う意味としては大きく3つあります。
一つ目:身体に意識を向け集中力を高める
呼吸は普段無意識に行われる動きであるため、もしこの呼吸にエラーがある場合何も意識していなくても身体には不要な力みが生じやすくなります。すると日常的に身体に余計な力が入り肩凝りや腰痛といった身体の不調を起こす可能性が高くなります。そのため、まずは自身の呼吸に集中し適切な呼吸を促すことが大切になります。
また呼吸に集中することで身体に意識を集中することができ、レッスン時の集中力を高めることができます。そして呼吸をする中で自分の身体のどこにもっとも力が入りやすいのかを自覚することができるため、私はその呼吸が適切ならそれを促通し、もし不適切な呼吸なら正しい呼吸に導くようにキューイングを出すようにしてレッスンをすすめていきます。
二つ目:筋の活性を高める
呼吸はピラティスで特に重要とされるインナーマッスルを機能させるために必要不可欠なものです。呼吸によってインナーマッスルである腹横筋、骨盤底筋、横隔膜などが収縮しコアの安定性を高めてくれます。このコアの安定性をしっかりと意識するために呼吸はとても重要な要素となります。

三つ目:動きと呼吸の連動性を高める
胸郭には呼吸によってバケツハンドルとポンプハンドルという構造的な動きがあります。
呼吸には呼気と吸気があります。このとき呼気は主に肋骨を引き締め胸郭の前傾方向へ動きを伴います。吸気は肋骨が開き胸郭が後傾方向へと動きを伴います。そのためエクササイズ中に身体を丸くするときに呼気を誘導し、反対に背中をそらせる場合に吸気を誘導することでより身体の動きを呼吸によってサポートしながら行うことができます。

最後に
皆さん、いかがでしたでしょうか?
初回のレッスンはお互いが緊張しやすい状況のためなかなか集中力が持続せずに不完全燃焼で終わってしまうことが多いです。
そのような状況を回避するためにコミュニケーションの取り方や緊張をほぐすための呼吸を意識しながらレッスンを提供することでより良い関係性が築きやすくなります。
これからスタジオをオープンされる予定の方やもうすでに独立してピラティスインストラクターとして活躍している人もぜひ参考にしていただけたらと思います。
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